人外との入れ替わり

小説の人外との入れ替わり①【3作品】

人外との入れ替わり2

今回は、小説の人外との入れ替わりを3作品紹介していきます。

 

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内なる獣

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『内なる獣』
著者:マーガレット・マロン
訳:山田順子
入れ替わり体質のメス猫に、中年女性が入れ替わる。 ●ポプラ社
『ホラーセレクション10 猫』
●二見書房
二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション
『魔女のオレンジ猫』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

 

夫のクラレンスに浮気された中年女性・テッサは、偶然出会ったメス猫と交通事故に巻き込まれて入れ替わってしまう。

実はそのメス猫の中身は若い女性で、同じく身体を奪われたというのだ。

テッサ(身体はメス猫)は、浮気相手のリン・ヘリックの若い身体を狙って入れ替わろうとする。

 

↓テッサの身体を手に入れた若い女性は、メス猫の身体よりはマシなようで喜びます。

メス猫の身体は化け物なようで、早く別の肉体に移らないと正気を失うらしい。

若い女性(身体はテッサ)は、テッサ(身体はメス猫)を追い払い、テッサの金持ちの身体を持ち逃げしてしまいました。

ころころ太った、白髪まじりの中年女が、震える両手で顔をはさんでうめいている。
「よかった!うれしい!」
テッサは初めて鏡の逆転効果抜きで自分の顔を見ていることに気づき、ショックを受けた。

 

テッサ(身体はメス猫)は猫の俊敏さで逃げ出し、状況を理解。

メス猫の身体は入れ替わり体質で、今まで何人もの人が被害者になってきたようです。

テッサの身体を奪った若い女性は、計算高い何者かに、若くて美しくて健康な身体を奪われていたらしい。

新しい脳に、この肉体を所有していた、いくつもの人格のなごりの痕跡が宿っていることを発見した。

どれがいちばん最初の所有者の痕跡なのか、そもそもの始まりはどうだったのか、それもわからない。あまりに深く探りをいれすぎて、完璧に異質の動物の本性が出口を求めているのを感じ取り、テッサはあわてて撤退した。テッサが借りている肉体本来の持ち主の猫の意識が、いちばん根底に存在しているのだ。

 

↓入れ替わり体質のメス猫の身体を手に入れたテッサは、老いたテッサの身体になった若い女性に同情し、もっと若くて条件の良い身体を手に入れようと決意します。

あの女のいったとおりだわ、とテッサは思った。なんてお粗末な肉体。あれなら、彼女が持っていればいい。
その瞬間、テッサは自分のもっとも個人的な所有物を盗んだ、その若い泥棒女に対し、ほとんど哀れみに似た気持ちをもつことができた。

 

↓そして、テッサ(身体はメス猫)は、付きまとってきたオス猫と交尾

テッサは妊娠したであろうメス猫の身体を、クラレンスの浮気相手で子供を身ごもっているリンに、復讐して押し付けることを思いつきます。

メス猫の身体に流されて、別のオス猫とも交尾したくなるのを我慢する描写が良かったですね。

雄猫がテッサのくびすじをつかみ、のしかかろうとすると、埋もれていた未知の生きものの意識がはじけるように浮き上がり、雄猫のひと突きごとに、なまなましくセクシャルなうねりがあとから押し寄せてきて、テッサの意識を飲み込んでしまった。耐えがたいほどのエクスタシーを覚えながら、二匹の猫は三度以上つがい、

 

しかし、リンのことをよく知らないテッサは、リンになりきる自信がなく断念。

仕方なくテッサ(身体はメス猫)は、クラレンスにリンを紹介した張本人である義妹のアリスンの身体を狙います。

 

上手にアリスンと入れ替わったテッサは、元のテッサの身体(中身は若い女性)を心配するアリスンの夫・リチャードと仲良くしておしまい。

アリスン(身体はメス猫)は、動物愛護施設に送られることに…?

 

↓性格の悪いアリスンが更生したように振る舞うテッサ(身体はアリスン)が最高でした。

ちゃっかり、パニックになってクラレンスを殺してしまった?若い女性(身体はテッサ)を保護する約束も取り付けたのでしたw

わたし、生まれ変わりたいわ。そうしてもいい?たったいま出会ったばかりで、あなたのことをなにも知らないんだってふりをさせてもらえる?

 

ぼくは猫になりたい

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『ぼくは猫になりたい』
著者:桑原一世
少年が猫と呪文で入れ替わる。 PHP研究所
『ぼくは猫になりたい』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

ぼくは猫になりたい

ひねくれた性格の少年は、退屈な毎日を水に流したくて、つい野良猫の尻尾を引っ張ってしまう。

するとその猫が話しかけてきて、お互いの希望が一致したため呪文で入れ替わることになった。

 

↓少年の身体になった野良猫が、ヒゲも毛も尻尾もなくて落ち着かない、耳が遠いと言っているところが萌えました。

「ずいぶん人づかいがあらいな。ところで、おれって、そんなに小さかったっけ?ネズミより小さいんだな。それにヒゲも毛も尻尾もないのはなんだか落ち着かない。耳も遠くなったようだし、こんなからだで、よく生きてこられたもんだな」

 

↓野良猫(身体は少年)が二足歩行に慣れていない描写も好き。

少年の容姿はあまり良くないようで、少年(身体は猫)はあまり見たくないようですw

ふん、そうか、と帽子を頭にのせると、「ぼく」は背中をかがめ地面に手をついた。そうじゃないよ、とさけぶと、いけねぇ、やりにくいな、と今度は両足をいっぺんに出そうとして、あやうく転げそうになった。

 

野良猫(身体は少年)は、塾に行く途中に魚屋や肉屋で盗みを働きそうになるところも興奮しました。

野良猫(身体は少年)を塾へ送り出した少年(身体は猫)は、さっそく猫の身体能力を楽しみます。

排泄シーンがなかなか良かったです(笑)

 

身体が勝手に動くタイプで、少年がお腹が空いたら猫の身体が勝手に動き、餌をもらいに行きます。

↓少年(身体は猫)は、肉や魚が苦手で食べられませんが、猫の身体が勝手に食べ始め、酷い目に…

「ほら、お食べ。きょうのは新鮮なアジだからおいしいよ。」
山のように大きなおばさんはにこにこ笑ってしゃがみこんでいる。からだはよだれをたらしているが、心は血のにおいから一目散に逃げだしたい気分。

ぼくは帰ろうとしたが、口と前足はその意思にさからった。前足は皿をおさえこみ、口はオエッ、頭にかぶりついた。その瞬間のややこしい気持ちはとても説明できない。あごが骨をかみ砕く快感にふるえると、気を失いそうになり、舌が血のしたたる内臓に満足そうなピチャピチャ音をたてると、一生吐きつづける予感がした。

顔を洗い終えると、おばさんは満足げに目を細めて、巨大なイモムシのような指をぼくの首すじにのばした。ぞっとして身をひきかけたが、首は五本のイモムシを求めてぐぐいとのび、ゴロゴロと喉を鳴らしはじめた。

 

↓少年(身体は猫)が元の自分の家に帰ると、そこには猫(身体は少年)が少年が苦手なはずの刺身をモリモリ食べ、家族が驚く姿が…

少年の身体の刺身が苦手よりも、猫の精神の食欲の方が強いらしい。

「ぼく」は口いっぱいに刺身をほおばっている……。

みんなの驚いている顔が目の中をかすめる。「ぼく」は刺身の大皿を自分の前に引き寄せて片手でおさえこみ、もう一方の手ですくってぱくついているんだもの。

 

猫(身体は少年)は、人間の生活は楽じゃなかったようですw

ちなみに、入れ替わった二人は近くにいればテレパシー?で会話が可能。

 

翌朝、目が覚めると元に戻っていました。

猫が少年の身体にいたときの奇行を聞かされたり、猫の身体だったときの癖が抜けなかったりする少年が良かったです。

 

夜の神話

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『夜の神話』
著者:たつみや章
絵:かなり泰三
男の子がうさぎに入れ替えられる。 ●講談社
『夜の神話』
●講談社
講談社文庫
『夜の神話』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

夜の神話

急な引っ越しで田舎で暮らすことになった小学生の鈴木正道(マサミチ)だが、周囲に馴染めず過ごしていた。

ある日、ツクヨミの神様・お方さまから貰ったサトリまんじゅうを食べたマサミチは、動植物の声が聞こえるようになってしまう。

 

一方、マサミチの父親が働く原子力発電所で事故が発生し、マサミチが兄と慕っている父親の同僚・須賀清(スイッチョさん)が被爆して生死の危機に陥ってしまう。

マサミチはスイッチョさんを助けるために、お方さまの手下(?)の月うさぎが持っている万能解毒薬を貰おうとするが、見返りに月うさぎに身体を入れ替えられてしまった。

 

↓月うさぎが欲しいものがまさか「母親」だとは思わず、適当に返事をしたマサミチは、突然身体を入れ替えられて呆然(笑)

月うさぎの正体は、生まれてすぐに捨てられた人間の子供らしい。

ちなみに、入れ替わるのは第6章「うさぎ印の特効薬」からです。

「マサミチ、もらった!」
その瞬間、いったい何がおこったのか――。
気がつくと、ぼくは、草の葉っぱのあいだから〔ぼく〕を見上げていた。
「おいら、かあちゃんがほしかったんだ」
毎日、歯みがきのときに鏡の中で会う〔ぼく〕が、月うさぎの口調でいった。
「じゃあな、お方さまのお手伝い、まじめにやれよ」
「ちょ……っと……ええっ?」

 

↓マサミチ(身体は月うさぎ)が、うさぎの身体能力を楽しむシーンが良かったですね。

祖母の家の飼い猫のコトラに食べられそうになるシーンも好きでした。

「でも薬は、そのうろの中だって……。うさぎじゃ木に登れないよう」
いってるうちに、ぽろっと涙がでてしまった。ゆらんゆらん重い耳を伏せて、ぼくはしくしく泣きだした。
<まあまあ、泣きなさんな。うろにはいるには跳べばいいんじゃ>
長者どんの声に、せみたちが合唱した。
<ぴょんと跳べ、ぴょんと跳べ>
「と、跳ぶって……ぼく、十メートルなんて跳べないよ」
<できるさ。おまえさんは月のうさぎになったんじゃからの>

タッタッタッと十歩走って、思いっきり地面をけった。
ぴょ~~んとぼくの体は跳びあがった。
ぐんぐんくすのきのふとい幹が近づいてきて……うろ!でも、ちょっと届かなそう!
ぼくは必死でばたばた空気をかいた。前足の爪がうろのふちにかかった。がきっとしがみついて、四つ足でかじりついた。

ぼくは全力で走った。月うさぎの体はほんとに軽くって、おもしろいほど速く走れた。口には大きな荷物をくわえてるのに、ぜんぜん楽々ですごいスピードがだせるんだ。

 

この後は、原子炉の爆発を食い止めるためにマサミチたちが奔走します。

大事な局面でも、マサミチが月うさぎの身体能力を活かしていて良かったです。

 

問題が全て解決し、第15章「すべて正常」で元に戻ります。

マサミチのままでいたがって泣く月うさぎには心が痛みました。

 

マサミチになった月うさぎは今までほとんど登場していませんでしたが、元に戻ったあとに他の登場人物の話から何をしていたか判明します。

マサミチの成長物語としても良い話でした。

 

 

今回は、小説の人外との入れ替わりを3作品紹介しました。

読んでいただいてありがとうございました!

 

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