男女入れ替わり

小説の男女入れ替わり回②【9作品】

アイキャッチ男女入れ替わり

今回は、小説の男女入れ替わり回を9作品紹介していきます。

 

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勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』
著者:左京 潤
ラウルがセアラに道具で入れ替えられる。富士見書房
富士見ファンタジア文庫
『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』
第3巻

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第3巻第1章「いつか店長になってやるとは確かに言ったけど」~第3章「とつぜん告白してきた美少女とデートすることになった件」が男女入れ替わり。

 

ミスコンに出場していたセアラの中身は、魔法具で入れ替わったラウルだった。

実は、用事のあるセアラに頼まれて、渋々魔法具で入れ替わっていたのだ。

 

↓ということで、ミスコンで狼狽えるラウル(身体はセアラ)のシーンから、入れ替わる経緯の回想シーンに戻る構成です。

その入り口に垂れ下がる生成りの布をかき分け、なにげなく踏み込んだとたんにラウルの視界に飛び込んできたのは、同年代の少女たちのひどく無防備な着替え姿だった。
……って、おいっ、聞いてないぞ、こんなのっっっ!!!?
(中略)
「……セアラ店長、さっきからなんだか具合が悪そうですけど、どうか、されたんですか?」
「えっ……あっ、ああっ!」
(中略)
そんな少女の言葉に、ラウルはつい声をうわずらせてしまう。
「べっ、べつになんでもなっ……なんでもありませんですことよっ!?」
……って、っぶねえええええっ!!!
動揺のあまり飛び出しそうになるいつもの言葉づかいをぐっと飲み込み、ラウルはいろいろなものを取り繕うように笑ってみせた。

 

↓ボーナスの査定を材料にして、ラウルに有無を言わせず入れ替わりを強要するセアラが最高でした。

セアラは、ミスコンの優勝賞品がどうしても必要なようです。

……ところで、ラウルくん」
「はい?」
「わたしの代わりに、ミスコンに出てもらえませんか?」
――まるで、世間話のついでみたいに。

 

二人は、セアラが作った魔法通話器(マジックフォン)で入れ替わります。

↓入れ替わり中の描写や、入れ替わった直後の描写が良かったです。

大型の魔物と入れ替わって巣作りや狩りをする習性のあるトカゲも生息しているらしい…

とうとつに、目の前にそれを差し出されて。
顔中に疑問符を浮かべつつ、ラウルが反射的にマジックフォンを受け取った、その時だった。
突如として少年を襲う、まるで頭の中身を何者かに捕まれ、そのままどこか遠くへと持ちさられてしまうような感覚。
大きく揺らぎ、かきまわされたように歪んで、ぐるりと回転する周囲の光景。
波が引くように遠のいた意識が、また、波が寄せるように戻って……。
……はっと、我に返って。
何だかいつもより明るく鮮明に感じられるラウルの視界に映ったのは、通信中のランプが煌々と光るマジックフォンを手にしてたたずむ、ラウル自身の姿だった。

「なっ…………!?」
混乱と、動揺と、身体を包む言いしれぬ違和感。……どこもかしこも馴染みのない感覚に思わず両の手を見下ろしたとたん、ラウルはこぼれ落ちんばかりに目を見開いてしまう。
視野の中で自分の意志どおりに動くたおやかな指先。白い手のひらと一緒に目に映るのは、ずっしりとして重量感のある、はちきれそうに豊かな胸のふくらみで……って!
「――ちょ、えっ……えええええっっっ!!!?」
いや、ちょっと待てっ、冷静になれっ、俺っ!いくらなんでもこんなっ……俺がセアラ店長になっちまうようなバカなことが起きるハズがないだろっ!?
……で、でもっ、俺がいま出してる声、なんか店長の声っぽいし、手のひらはもちろん、この反則的な胸は間違いなく店長のおっぱ……い、いやっ!!!

 

ラウル(身体はセアラ)がミスコン出場を嫌がっていると、フィノとアイリと副店長がやってきて、アイリとフィノの歓迎会のためにファミレスへ行くことに。

↓セアラ(身体はラウル)はラウルの演技が上手で、ラウル(身体はセアラ)がセアラの演技を強要されるところが最高。

セアラ(身体はラウル)は、ラウル(身体はセアラ)にセアラの真似を練習させたいようです。

「なら、ちょうど良かった」
……へっ?
ラウルの姿を借りた店長の、まるでラウルそのものといった自然な態度。思わずぽかんとしてしまうラウルの前で、満足げに頷いた店長はにこにこしながら言葉を続ける。
「いまな、店長と、お前とフィノの歓迎会を兼ねてこれからみんなで飯でも食いに行こうかって話をしてたんだ。……ねえ、店長?」
「えっ……あっ、はっ、はいっ!」

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。2

↓セアラ(身体はラウル)はラウルの身体で勝手にアイリを口説いて良い雰囲気に…w

「ま、都合悪いなら無理にとは言わないけど……でも、お前が来ないと寂しいな」
「っ……」
――店長がラウルの口で呟いた、「寂しい」という言葉。
その瞬間、なぜかびくりと反応したアイリがやがて、おずおずと口を開いた。
「……ま、まあ、歓迎会ってことなら……店長、すみません。ご馳走になります」

 

歓迎会でも、セアラの真似を強要されるラウル(身体はセアラ)…

↓ラウル(身体はセアラ)が事情を知らない周囲からセアラ店長として扱われるところがおいしいですね。

はき慣れぬスカートのふわふわと心許ない解放感。身じろぎするたびにただよう、うっとりするような店長の髪の匂い。
――マジックショップ・レオン王都店からほど近いファミリーレストラン。
少しでも気を抜けば悲壮な感じになってしまいそうな面に無理やり微笑みを浮かべ、セアラ店長としてアイリをなだめつつ、ラウルは心の中で嘆息した。

「フィノ、今日はお前らの歓迎会だから、なんでも好きなもの頼んでいいってさ」
「え、ええっ……み、みなさんも、遠慮せずに頼んでくださいねー?」
「わーい、店長っ、ありがとっっっ!!!!!」
そのとたん、銀色の髪を揺らして顔を上げたフィノが、上目づかいにラウルを見上げながらうれしそうにお礼を言ってくる。

 

ついいつもの調子でツッコミを入れてしまったラウル(身体はセアラ)は、フィノにラウルみたいだと怪しまれます。

ラウル(身体はセアラ)がラウルの真似をするのがマイブームだと誤魔化したら、周囲からは超不評でした(笑)

 

↓セアラの入ったラウルの身体がイケメンに見えてしまうラウル(身体はセアラ)のシーンも良かったです。

……な、なんつーか……さわやかな笑みを浮かべてさくさくとメニューをとりまとめていく自分の姿を眺めつつ、ラウルはつい、胸中で独りごちてしまう。
これまでずっと、自分の顔っていまいちだと思ってたけど、こうしてみるとそれほど悪くもないっていうか……俺ってじつは、いま流行の雰囲気イケメンとかいうヤツだったりしてっ……。
(中略)
動揺のあまり声をうわずらせ、にこやかに訊ねてくる自分の顔をした店長におどおどしながら答えつつ、ラウルは思わず目をすがめてしまう。
……ああ、そっか。さっきから俺がなんかちょっと良さげな感じに見えるのは、あくまでセアラ店長が中に入ってるからで……いや、分かってたけど。くそう。

 

ラウル(身体はセアラ)は、セアラとしてアイリとフィノに一緒にミスコンに出て欲しいと頼むことを強要されます。

↓セアラ(身体はラウル)は、相変わらずラウルの身体でアイリを口説きますw

「わ、私はっ、ミスコンみたいな浮ついたのはっ……」
「なんだ、残念だな……お前なら余裕で優勝、狙えると思ったのに」
と、店長がすかさず横から挟んできた言葉に、アイリがぱっと顔を上げた。
「なっ……いっ、厭味のつもりっ、ラウル・チェイサーっ!?」
「え……厭味じゃねえよ。お前、すげえかわいいじゃないか」
――……って、ちょっ、俺の口でなに言ってんですか店長っっっ!?
思わず絶句するラウルの前で、アイリは藍色の目を丸くして、
「っ、かっ、かわいいってっ……そ、そんなことっ……」
「あれ、もしかして自覚ないのか?……そう思ってるの、俺だけじゃないハズだけど」
「っ……!?」
……さらりと店長が言い放った瞬間、整った顔をこれ以上無いほど赤らめ、うつむいてしまう。

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。1

↓ココアを飲んで酔っ払ったフィノは、ラウル(身体はセアラ)の物となったセアラの胸に顔をうずめます。

そのまま、すっかり動揺するラウルの……もとい、セアラ店長の胸にむぎゅっと顔をうずめてくる魔人の少女。
予想外の事態に声なき悲鳴をあげる少年の目前で、フィノはうれしそうに喉を鳴らした。
「んー……店長のおっぱい、やわらかくて、きもちいいっ……」
「ちょっ……お、おまっ…………」
めちゃめちゃ熱くなる顔と、ばくばくする心臓。

 

↓ラウル(身体はセアラ)がセアラの大好物の、ラウル自身は大嫌いなコロニア芋を大量に食べさせられるシーンが一番好きです。

セアラ(身体はラウル)がラウル(身体はセアラ)に対してなかなか酷くて最高ですね。

そして、ラウル(身体はセアラ)はファミレス内に現れた強盗を投げようとしますが、非力なセアラの身体ではびくともせず…

「おっ、コロニア芋かー」
……と、向かいの席の副店長が、なんだか意味ありげにラウルを見やってくる。
「そういや、店長って昔っから、この芋には目が無かったよなー。子どもの頃なんか、おれやエルトの皿にまで手え、伸ばしてきてさ……」
「えっ……あ、ああっ、な、懐かしいですねっ!」
一瞬戸惑ったあと、ラウルは思い出す。そういや、セアラ店長とバイザー副店長って幼なじみだったんだっけ。
(中略)
「なにって……おれの分も食うだろー?」
「えっ……い、いやっ、でもっ、悪いですしっ……」
「あー、遠慮すんなって。大好物だろ?どんなに腹いっぱいでも、これだけはいくらでも食えるって、昔っからの口癖じゃねえか」
(中略)
「店長……そんなにお好きなんでしたら、私のも、どうぞ」
「あ、店長っ!オレ様のもあげるっ!」
「み、みなさんっ、そ、そんなに気を遣わなくてもっ……って!」
(中略)
すっかり焦ったラウルは、救いを求めるように店長を見やり……そんなラウルの視線に気づいた店長が、ラウルの顔でにっこりと笑った。
「――良かったら、俺のも食べてください」

 

ということで、第2章からはミスコンのシーンに戻ります。

女子更衣室で誘惑に負けそうになるラウル(身体はセアラ)がおいしいです。

結局、鏡に向かってウインクしたり、谷間を作ってみたりはした様子。

ざわめくミスコン控え室の片隅……フィノが確保してくれた棚に荷物を置いたラウルは重い息を吐くなり、薄手のブラウスに包まれた胸もとへ、おずおずと手を伸ばした。
――……い、いいか。落ち着け、俺っ!
緊張に震える手でボタンを外しつつ、ラウルは自分に言い聞かせる。
(中略)
……いろいろな部分に全力で目をつぶって。なんとか自分を納得させたラウルはその勢いでブラウスの前をはだけ……そのとたん、ぴたりと動きを止めてしまう。
……なにげなく落とした視線の先。ブラウスの下から現れた、さっきからずっと意識しないよう努めていた店長の胸部――首の後ろで縛るタイプの三角形をした桃色ビキニに包まれたふくらみは、こうして間近に見るとまさに、圧倒的な存在感を誇っていて……。
『ふふっ、ラウルくん。わたしの身体で変なコトしちゃ、ダメですよー?』
「……っっっ!!!!!」
……不意に、今朝がた店で待ち合わせて意識を交換した際の店長の言葉を思い出し、ふらふらと伸ばしかけていた手を引っ込めたラウルはあわてて首を振る。
あ、危ねっ……駄目だろっ!いくら自分が中に入ってるからって、セアラ店長の胸を触るのとかそういうの駄目だろっ、俺っっっ!!!?
……で、でも。見まいとしても視界に入ってくるやわらかそうな上乳に、ラウルはつい、ごくりと唾を飲んでしまう。

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。3

↓ラウル(身体はセアラ)の目の前でアイリとフィノがラウルの話題を出したり、アイリとフィノの水着姿を見てしまったり、うっかり白濁した日焼け止めをアイリとフィノの体中にぶちまけてしまって塗り合いをしたりと良かったです。

「店長っ……せ、背中っ、うまく塗れないからっ、手伝ってっ……?」
「えっ」
……とつぜんの申し出に、ラウルは一瞬、狼狽してしまう。
つい目が吸い寄せられる、雪のように白くなめらかなフィノの肌……ど、どうするっ?で、でもっ、セアラ店長が断るのも不自然だしっ……。
「わっ、わかりましたですわっ……」
(中略)
目の前にさらされる、すべすべとした肌とうなじ。
思わず、ごくりと唾を飲み込んで……どうにか覚悟を決めたラウルが遠慮がちに手を伸ばすと、中途半端に塗られたなまあたたかい日焼け止めが指の下でぬるりとした。
「んっ……」
……ほんの少し触れただけで、くすぐったそうにびくっと跳ねる少女の身体。

その瞬間、いったいなにが起こったかラウルの脳が把握するよりも前に、フィノのやわらかな胸が、ラウルの身体にむぎゅっと押し当てられ……って!!!!?
「こうやって店長の身体に伸ばせば無駄にならないっ!ふははっ、こういうのをエコロジーっていうんだよなっ!?」
――……こいつっ、なに考えてんだよおおおおおっっっ!!!!!
なんだか得意げな顔をして抱きついてくるフィノの、日焼け止めまみれの身体。にゅるにゅると皮膚をくすぐる筆舌につくしがたい感覚に、ラウルは軽くパニック状態に陥ってしまう。

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。4

↓ミスコン本番の自己PRのシーンでは、セアラ(身体はラウル)の計らいで、ラウル(身体はセアラ)は観衆の面前で水着の紐が取れてポロリ

恥ずかしがるラウル(身体はセアラ)の仕草が至高です。

元の自分の身体が恥ずかしいことになっても、優勝賞品を手に入れたいセアラ(身体はラウル)の覚悟も最高でした。

――と。
まるで一陣の風でも吹き抜けたように、不意に涼しくなる、胸のあたり。
ラウルの視界の端で、たったいままでセアラ店長の豊かな乳房を包んでいたはずの薄布がスローモーションのように、はらりと肌から舞い落ち……。
……おずおずと、視線を落として。
ラウルは、そのまま声にならない悲鳴をあげた。
「~~~~っっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!?」
天使みたいな美少女を襲ったハプニングに、一瞬にして総立ちになる観客たち。
会場中に巻き起こる雄叫びのような歓声と口笛に、嵐のようなシャッター音――。
――反射的に、あらわになった胸を両腕で隠して。

 

第3章の冒頭で元に戻ります。

セアラは、ラウルの身体で着替えまでしていた様子。

↓面白がるセアラと、恥ずかしがるラウルのやりとりがおいしかったです。

「ああ、そういえば、ラウルくん。わたしの身体って、どうでしたか?」
と、さりげなく放たれた店長の問いにラウルはつい、どきりとして、
「って!なっ、なんか意味深な感じで言わないでくださいっ!!!」
「え、見てないんですか?」
しかし、そんなラウルの反応に、セアラ店長は逆に驚いたような顔をする。
「わたし、てっきり、鏡の前であられもないポーズを取らされたり、ラウルくんの好奇心のおもむくまま、隅から隅まで観察されちゃったりしたのかと……」
「し、してませんっっっ!!!!!」
……そ、そりゃっ、ちょっとくらい考えなかったわけじゃないけど、バレたら怖いしっ……せいぜいフィノとアイリを待ってる間、待ち合わせ場所にあったショーウィンドーに向かってウインクしたり、谷間とか作ってみたくらいで……って、そ、それはともかくっ!
「だいたいっ、あんまり変なことするなって言ったの店長じゃないですかっっっ!?」
思わずラウルが叫ぶと、セアラ店長はきょとんとした顔で、
「ラウルくんなら、べつに胸くらい、揉んでも良かったのに……」
「っ…………」

 

放課後の世界征服~アイドル制圧!~

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『放課後の世界征服』
著者:わかつきひかる
男子高校生がアイドルと変身して入れ替わる。ホビージャパン
HJ文庫
『放課後の世界征服~アイドル制圧!~』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第2巻「アイドル制圧!」第6章「争奪戦クライマックス」が男女入れ替わり。

 

能見伸也の通う桜井坂高校で、人気アイドルの荻原アリエが映画のロケを行うことになった。

アリエはヤクザに狙われており、撮影中の事故を防ぐために、伸也はカメエモンに頼んでアリエと姿を入れ替えることに。

 

↓精神の入れ替えではなく、身体の入れ替えにして欲しいと頼むパターンはなかなか珍しいですね(笑)

カメエモンが持っていたミラードアというアイテムで入れ替わります。

「俺をアリエに、アリエを俺にすることはできるか?」
「できる。人格の入れ替えをすればいい」
「それじゃダメなんだ。俺がアリエになって、群舞に出たい」
「身代わり、ということか」

 

↓入れ替わり直後も、相互変身だとわかる描写になっていました。

伸也は胸をパタパタした。
声は伸也のものなのに、体は少女に変わっている。
モトは自分の体だと知っていても、制服の布越しに感じる乳房のふくらみや、甘い体臭にどぎまぎする。

 

↓事前に説明を一切されていなかったアリエ(身体は伸也)は、取り乱します。

「な、何よ、これはっ?なんで私が二人いるのよっ!?そっくりさんなの?ど、どこから湧いてきたのよっ」
呆然としていたアリエが、気を取り直したのか、ヒステリックに怒鳴り始めた。
目の前で自分が女の子の仕草で立腹している。
クラクラするような光景だ。

 

伸也(身体はアリエ)は、カメエモンの道具で踊りができるようにしてもらい、撮影に参加。

声は精神の声になっているため、裏声で喋る羽目になります。

 

↓瑠璃は、伸也(身体はアリエ)をアリエだと思って、ライバル宣言をします。

「伸也くんってステキでしょ?」
「そ、そうね」
女の子っぽく聞こえるよう、裏声で答える。
「でもね、伸也くんは、あなたが特別好きってわけじゃないと思うわ」
(中略)
「伸也くんはやさしいの。頭はいいけど、お人好しで不器用だわ。他人に利用されてしまうタイプよ。伸也くんをフォローできるのは、私しかいないわよ」
伸也は沈黙を返した。瑠璃は、アリエを牽制している。
それはつまり……。
「あなたが伸也くんを好きになるのは勝手だけど、覚えておいて。私は伸也くんを好きよ。負けないからね」
ライバル宣言だ。

 

↓梨梨子が伸也だと勘づくシーンが良かったですね。

無事に演技が終わった後、すぐに元に戻ります。

彼女は伸也の顔をじっと見て言った。
「伸也くん?」
「えっ?」
「ご、ごめんなさい。……なんだか、伸也くん……みたいな……気がした……ものだから……」

 

お狐様の異類婚姻譚

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『お狐様の異類婚姻譚』
原作:糸森環
漫画:いなる
謎の団子で雪緒と宵丸が入れ替わる。一迅社
ZERO-SUMコミックス
『お狐様の異類婚姻譚』
第3巻アニメイト購入特典

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

 

宵丸が貰ってきた団子を食べたら、雪緒宵丸が入れ替わってしまった。

 

白月が中身は宵丸の雪緒を気持ち悪がって悩む感じですね。

宵丸(身体は雪緒)は、雪緒の身体が貧弱で、動くのも怖くなってしまいます。

宵丸(身体は雪緒)は、雪緒本人よりも仕草が女の子っぽいようです(笑)

 

雪緒(身体は宵丸)は、宵丸の身体で変身してみたいと言います。

白月は中身が雪緒の宵丸も気持ち悪がりますw

千速が期待していたようなドキドキなイベントは起きず終わるのでした。

 

この素晴らしい世界に祝福を!

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『この素晴らしい世界に祝福を!』
著者:暁なつめ
魔道具のネックレスの力で、王女と冒険者が入れ替わる。KADOKAWA/角川書店
角川スニーカー文庫
『この素晴らしい世界に祝福を!』
第6巻

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第4章「この箱入り王女に悪友を!」が男女入れ替わり。

この素晴らしい世界に祝福を!

カズマが王女のアイリスが持っていた魔道具のネックレスの裏に刻まれた日本語を読み上げたら、カズマとアイリスが入れ替わってしまった。

カズマになったアイリスは、カズマの姿で城の外に出てみたいと言い出して…

 

↓入れ替わりのキーワードが好きですねw

入れ替わりは時間制限で元に戻るらしく、二人はしばらくこのままで過ごすことに。

お前の物は俺の物。俺の物はお前の物。お前になーれ!

めぐみんの言葉に、思わず閉じた目を開く。
と、目の前には俺がいた。
こちらに向けて手を伸ばした体勢で、驚愕の表情で俺が俺の顔を見つめている。

 

↓スカートをバサバサさせるカズマ(身体はアイリス)が最高です。

「……おおおお、俺は今アイリスになってんのか!?つまりはそういう事なのか!?あああああ!本当だああああああ!?ドレスだ!俺、ヒラヒラのドレス着てる!なんだこれ、目が覚めたら勝手に女装させられてた様な新感覚だ!」
「お兄様!?私の中にはお兄様がいるのですか!?お兄様、その様なはしたない真似はしないでください!」
「だってだって、アイリスお前これ色々とダメだろう!スカートヤバい、下半身が心許ない!女って凄いな、こんな無防備な状態で公の場を闊歩してんのか!」
バサバサとドレスの裾を煽ってみると、俺、いや、俺の姿をしたアイリスが泣きながらしがみついてきた。
「お兄様、それ以上は!それ以上はいけません、止めてください!」
「あなたが止めてください!何となく事情は分かりましたが、その姿でスカートをヒラヒラさせているカズマにしがみつかれると、絵面的にアウトです!」

 

↓カズマ(身体はアイリス)は、このままアイリスとして生きていくのもまんざらではなさそうですw

女言葉のカズマ(中身はアイリス)に、「お姉様」と呼ばれためぐみんは涙目(笑)

「わ、私は大丈夫です、引き続き警護をお願いしますね!」
ドアの向こうにそう告げると、ドレスを纏い女言葉を遣う自分に妙な新感覚を覚えながら、俺はドアに寄りかかり、ズルズルと座り込んだ。
(中略)
「さて、これから一体どうしたものか。俺的には今後美少女として生きていくのもやぶさかではない気もするが、生まれついてからずっと一緒だった自分の体も捨てがたい。どうやって元に戻ろう?」

 

王女のアイリスは護衛無しで町を歩いたことがないらしく、カズマの姿なら思いきり遊べるということで、めぐみんと一緒に街へ行くことになりました。

↓城に残されたカズマ(身体はアイリス)は、アイリスのフリをしてクレアに「カズマ」のことを褒めます。

ついでに、カズマ(身体はアイリス)の頭を撫でたミツルギを死刑にしようなどと言い始めますw

「クレア、カズマ様に対してその様な事を言ってはいけません。あの御方は素晴らしい人です。我が国の歴史の教科書に名前を載せても良いくらいですよ?」

 

↓そしてカズマ(身体はアイリス)は、ララティーナとクレアと一緒にお風呂に入ることに。

アイリスのフリをしつつ、もちろんスケベ心は満載ですw

「ダク……ッ!ラ、ララティーナ、ちょっと待って、そんな風に恥じらいもせず、目の前で堂々と脱がれると心の準備が……!」
「ア、アイリス様、どうなされました?随分とお顔が赤いのですが……」
服を脱ぎかけのダクネスが、心配そうにこちらを覗き込んでくる。
顔が近いし下着が見え……、いや、こいつブラ着けてないっぽい!

 

これから良いところ…で元に戻ります。

元に戻ったカズマは、何故か喧嘩中でしたwアイリスは街の散策を楽しんだようです。

カズマはアイリスのフリをしてお風呂に入ろうとしたことがバレて、きっちりお灸を据えられたのでした。

 

↓コミカライズ版はこちら!

アイキャッチ男女入れ替わり
連載漫画の男女入れ替わり回④【10作品】今回は、連載漫画の男女入れ替わり回を10作品紹介していきます。 当サイトの情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載...

魔術士オーフェンはぐれ旅

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『魔術士オーフェンはぐれ旅』
著者:秋田禎信
アザリーがチャイルドマンと白魔術で入れ替わる。●富士見書房
富士見ファンタジア文庫
『魔術士オーフェンはぐれ旅 我が呼び声に応えよ獣』
●ティー・オーエンタテインメント
新装版
『魔術士オーフェンはぐれ旅』
第1巻

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第1巻「我が呼び声に応えよ獣」が男女入れ替わり。

 

オーフェンは5年前に魔術の実験により怪物と化してしまったアザリーを助けようとしていた。

アザリーは追っ手から逃れ、元の姿に戻るために師であるチャイルドマンと白魔術で精神を入れ替えてしまう。

 

魔術に使ったバルトアンデルスの剣は、「いつでもほかのなにか」の意味を持っており、切った者の姿を自由に変えられるようです。

入れ替わりが明かされるのは第6章「天魔の魔女」ですが、中身がアザリー(?)のチャイルドマン自体はもっと前から登場しています。

アザリー(身体はチャイルドマン)が何食わぬ顔でチャイルドマンの話をしていて萌えます。

 

チャイルドマン(身体は怪物になったアザリー)の死亡シーンは第5章「"狩り"の夜」

↓「アザリー」が使うはずの白魔術を使わずにオーフェンが訝しがったり、死亡セリフがおかしかったりするところが見どころです。

この時点ではオーフェンは入れ替わりを知らないので、チャイルドマン(身体は怪物になったアザリー)は地の文で「彼女」扱いです。

「アザリー――俺だ。オーフ――キリランシェロだよ。アザリー」
「キ・リ・ラ・ン・シェ・ロ!」
突然、びくりとアザリーの目玉が動いた――人間の拳大もあるような、赤く燃える目玉である。彼女は吐息を震わせながら、聞き取りづらい声をあげた――ただし、それはアザリーの声ではなかった。
男の声だった。
「キリランシェロ!お前を探して――いたんだ――あの女は――見境をなくしている。わたしは――助けてやりたかった……」
「…………?」

 

↓アザリー(身体はチャイルドマン)が「アザリー」を助けようとするオーフェンを見て喜ぶ?ようなシーンも好きですね。

「彼女を救う方法は、あるはずなんだ。絶対に不可能なわけがない――少なくとも、バルトアンデルスの剣の使い方が解明できれば、できるはずだ」
「…………」
チャイルドマンは、じっと不透明な眼差しでこちらを見つめた――ずっと、ずいぶんと長い時間のようにも思えたが、実際はそうでもあるまい。やがてチャイルドマンは、はは、と笑い声をあげると、妙に感情深い表情でもって、言った。
「いい男に育ったよ、お前は。いつか、わたしの後継者が現れるとしたら、それはお前だろうな」

 

↓入れ替わりが判明した瞬間に、身体の声から精神の声になります。

アザリー(身体はチャイルドマン)はオーフェンに入れ替わりを気づいてもらえて嬉しそう?です。

アザリーは、チャイルドマンの追跡から逃れ、チャイルドマンにバルトアンデルスの剣を探させるために白魔術で入れ替えたようです。

「いやに饒舌じゃないか。似つかわしくないぜ、チャイルドマンにはな」
オーフェンが含みのある調子でそう言うと、チャイルドマンのいつも冷静な表情が、ぴくりと動くのが分かった。
チャイルドマンは、しばらく沈黙していた。だが、やがて嘆息し、再び口を開いたときには、その声はそれまでのものではなくなっていた。
「……いつから気づいていたの?」
「あんたがあの怪物にとどめを刺したときだよ。彼は、ダイイング・メッセージを残したのさ。俺にな」

 

↓チャイルドマンの身体で中身はアザリーという描写が多くて好きですね。

アニメや漫画でも同様に入れ替わりシーンがありますが、小説が一番入れ替わり的に美味しいと思います。

チャイルドマンは、決して美男子ではなかった――が、いつも崩さない冷静な面持ちと、厳格な規律に捧げる献身の精神とで、いつもなにかの教祖じみた魅力を発散していた。その魅力がいつの間にか、別のものに取って代わられていたことに、オーフェンはそのときになってようやく気づいた。
それはまぎれもなく、五年前までアザリーが持っていた本能的な魅力だった。
「……聞いてどうするつもり?」
アザリーの声――五年前のアザリーの声で答える彼女は、まずそんなことを聞き返してきた。少し卑屈とも思える笑みを浮かべて、手の中のバルトアンデルスの剣をもてあそんでいる。チャイルドマンの指で。

アザリーのせりふは、まるで挑発するように上目使いの調子だった。実際にはチャイルドマンの身体を使っている彼女のほうがはるかに上背があるのだが、オーフェンはそのとき確かに、数年前《塔》で椅子に座った位置からからかうようにこちらを見上げていた魔女の姿を見ていた。

オーフェンがつぶやくと、アザリー――彼女の精神が支配するチャイルドマンの表情が、ぴくりと動揺したのが見えた。オーフェンにはそれが奇妙な光景に思えた。彼の記憶の中では動揺の色をかけらも見せたことのなかった冷徹な男の顔が、感情豊かなアザリーの精神にのっとられたことで、初めてここで表情を見せている。

魔術士オーフェンはぐれ旅

アザリーは殺されたくなくて好きだったチャイルドマンを殺害し、チャイルドマンはアザリーを助けたかったという悲しいすれ違いが…

↓オーフェンはチャイルドマンを殺したアザリーを許せず、アザリー(身体はチャイルドマン)と斬り合いに。

最終的にはアザリー(身体はチャイルドマン)はバルトアンデルスの剣でアザリーの姿に変身して戻ります。

アザリーが、剣を振り上げた。チャイルドマンの上背はオーフェンよりかなり高いため、その切っ先の位置もオーフェンの視点からは、空に突き刺さるほど高く思えた。もっとも、チャイルドマンであれば剣を振り上げるようなことはしなかっただろうが――そもそもあの元暗殺者は、長剣よりもナイフや鋼線といった武器を好んでいた。アザリーは逆に、例えば華々しい騎馬試合などを心底楽しんでいるようなところがあった。
あれはアザリーだ――と、オーフェンは自分に言い聞かせた。チャイルドマンではない。だが考えようによっては、あのふたりはこんな形でいっしょになれたんだ――

剣が宙を舞い、そしてオーフェンの背後にどさっと落ちるまで、ふたりとも身動きもしなかった。見ると、アザリーはまるっきりきょとんとした顔で、空っぽになった自分の――いや、チャイルドマンの手の中を見下ろしている。

 

アラバーナの海賊たち

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『アラバーナの海賊たち』
著者:伊藤たつき
ヒロインが精霊♂と入れ替わる。角川書店
角川ビーンズ文庫
『アラバーナの海賊たち バルグ号の華麗なる冒険』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第9巻「バルグ号の華麗なる冒険」第2章「バルク号の普通じゃない一日」が男女入れ替わり。

アラバーナの海賊たち

バルク号の船長のジャリスが盗賊と戦っていたら、水差しの精霊アブウが呪文を誤爆させ、ジャリスとアブウが入れ替わってしまった。

戻る方法を皆で考えていたところ、ジャリスが口頭試験を受けることになって…

 

まず扉絵のイラストが、カッコいいアブウ(中身はジャリス)と弱々しいジャリス(中身はアブウ)で萌えます。最高です。

↓先に目を覚ましたのはジャリス(身体はアブウ)。

流れ落ちてきた自分の髪の色がおかしい。触ってみると銀髪がさらさらと手から滑り落ちた。
「な、何でこんなに、手がおっきいのっ」
髪にやった手を見て思わず叫んだ。だがその声にも驚く。かすれた声は、自分のものとはまったく違う。
慌てて立ち上がると、また不思議な感じがした。何だろうと考えて、いつもと目線が違うと気づく。壁に張られた海図をいつも見上げていたはずなのに、今はちょうど目の前にあるのだ。しかも身体はまるで、宙に浮きそうに軽かった。

 

↓アブウ(身体はジャリス)は、かなりのんびりとした性格です。

それが誰か気付いた途端、目を見開いて絶叫した。金色に輝く髪も、日焼けすると赤くなる白い肌も船服も、物凄く見覚えがある。今は閉じられているが、開くとその瞳は青いだろう。なぜならそこですやすやと眠っているのは、ジャリス本人に他ならないからだ。
固まって言葉を失っていると、ジャリスそっくりな人物がゆっくりと目を開く。青い目を瞬かせた彼女は、こちらを見て不思議そうに首を傾げた。
「あれー?どうしてアブウがいるんですかぁ。こんな所に鏡がありましたっけぇ~」
ふわわぁとあくびをしているのは、どうみても自分だ。だが、こんなふにゃんとした表情は、他人にみせた事はないはずだ。

 

↓ハキハキとしたアブウ(中身はジャリス)と、涙目のジャリス(中身はアブウ)に、船のメンバーは唖然w

何も知らないメンバー目線なので、ここでは地の文が肉体名表記になっています。

気を取り直そうとすると、腕の中のジャリスが無邪気に笑う。ばら色に染まった頬に、ぱっちりとした青い瞳。思わず思考が止まってしまうほど可愛らしかった。
「大丈夫?アブウ、それわたしの身体なんだから、怪我しないでよ」
アブウが、ジャリスに向かってため息をつく。ジャリスは再び泣き顔になった。
「だってぇ、いつもだったらふわふわ浮くのにー。ご主人様の身体重いですぅ」
「やめてよ、わたしの身体が重いみたいじゃないっ」
むっとしたようにアブウが叫ぶ。

 

↓アブウは精霊で、人間ボディでは飛べないという部分が美味しいですね。

ジャリスの身体で飛ぼうとして、海に落ちてしまうシーンがありましたw

「ううっ、駄目ですねぇ。やっぱり元に戻らないと無理ですぅ。もう人間の身体は嫌ですよぅ」
人間の身体は重いし、歩くという普段あまりしない行為も疲れてしまう。ジャリスはいつもこんな感じなのかと、同情すら覚えた。

 

↓逆にジャリスが精霊のアブウボディで、煙の姿になったり、飛んだりするシーンもあります。

(煙姿って凄く楽だわ。人形だった時も身体が軽かったけど、今はまるで体重を感じない。何だか眠くなりそう)
すうっと襲ってきた眠気を、ぶるぶると身体を動かして追い払う。ちょうど耳元に隠れていたせいか、アブウがうふふ~と妙な笑い声を上げた。
「ご主人様ぁ。くすぐったいですぅ」

 

メンバーには、中身がジャリスだとアブウがカッコよく見え、中身がアブウだとジャリスが可愛く見えるようです(笑)

入れ替わった理由がいまいちわからないまま、アブウ(身体はジャリス)が口頭試験を受けることになってしまいました。

 

↓アブウ(身体はジャリス)はかなりの天然というか、アホの子なので試験は散々…

帽子の中から操作しているジャリス(身体はアブウ)がかわいそうですw

しかし、最後の一問はアブウにしかわからない問題で、試験をクリアするのでした。

「……先程も言ったが語尾を伸ばすな。それに貧乏揺すりはやめなさい。足もちゃんと閉じて」
はっとして頭覆いの陰からアブウの姿を見た。あろう事か、いつもの調子で足を広げて座り、膝がカタカタと揺れている。
"きゃーっ。アブウ、何やってるのよ!"
小声で叱咤すると、アブウが慌てて足を閉じた。ハディスが呆れたようにため息をつく。
「まったく、男に囲まれて船旅をしているとはいえ、女の子だろう。そんな姿を見たら、アラファムが悲しむぞ」
「そんな事ないですよぅ。ご主人様は、可愛らしいお方です!これには訳が……痛っ」
むっとした様子で勝手に喋り出したアブウの耳を、思いっきり引っぱった。これ以上話をややこしくする訳にはいかない。

 

その後、アブウ(身体はジャリス)は敵に捕まってしまいます。

ジャリスの身体では魔法が使えないのにも関わらず、呪文を叫んでしまうシーンが良かったですね(笑)

↓「ジャリス」が気弱な女の子だと誤解されてしまうのも最高でした。

「た、助けてくださいー。痛い事とかは駄目ですぅ。ううっ……」
ふぇ~んと泣きべそをかくと、カーディが驚いたように軽く目を見開いた。
「この間と随分違うな。もっと気が強いのかと思ってたけど、やっぱり女だな」
カーディがにやにやと笑いながら、アブウの顎を片手で持ち上げる。
「お前、泣き顔が可愛いな。もっといじめたくなる。そうだ、俺の女にしてやるよ」

 

最後はジャリス(身体はアブウ)が間違った魔法を使い、元に戻ります。

↓元に戻ってから、アブウがジャリスの胸を触っていたとわかります(笑)

「元に戻れてよかったです。でもご主人様の身体も面白かったですよぅ。いやー、ご主人様は案外胸がちっちゃくて……」
「いやぁぁぁぁ!何言ってるのよっ」
胸を隠すように、身体の前で両手を交差させたジャリスが、真っ赤になって叫んだ。
「あ、見てませんよぅ。たまたま手がぶつかったというかぁ……」

 

源氏十二宮絵巻

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『源氏十二宮絵巻』
著者:六道 慧
陰陽師と葵上が入れ替わる。角川書店
角川ビーンズ文庫
『行くかた知らぬ夕顔の 源氏十二宮絵巻』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第2巻「行くかた知らぬ夕顔の」が男女入れ替わり。

 

陰陽師の加世白瑛は、光源氏の護衛を務めていた。

ある日、頭中将が術師に命を狙われる事件が起き、光源氏の正妻・葵上と白瑛が入れ替わってしまう。

 

頭中将は光源氏のライバル、葵上は頭中将の妹、白瑛は葵上が好き…という関係のようです。

入れ替わるのは、第4章「魂違」からです。

 

↓白瑛(身体は葵上)は、葵上の女房軍団に囲まれて目覚めます。

声や身体を確かめるシーンが好きですね。

「ここは?」
そのか細い声に、自分自身で驚いた。がばっと跳ね起きて喉に触れる。喉仏がない。さらに、ゆたかな長い黒髪が頬や肩にかかった。
「い、今の声」
二度目に発した声も、白瑛のものではない。いや、声だけではなかった。肉体もちがうのではないか!!
「…………」
まじまじと夜着を見たあと、小さな手や胸もとにそっと視線を向ける。一度だけしか見たことのない葵上の顔、一度だけふれたことのある御手。覚えのある細い指だった。顔立ちどおりに美しい造りの手だった。その手で今度は顔にふれてみる。

女房のひとりが差し出した手鏡を、おそるおそる覗きこむ。そこに映し出されていたのは……。
憧れの女君、葵上の顔だった。
「お、おれはどれぐらいの間、倒れていたんだ?」
うろたえながらも、必死に聞いた。言葉づかいにまで気をまわせない。とにかく状況をつかまなければならないのだ。情報を得ようと必死なのだが、問いかけられた女房たちの方も顔面蒼白になる。
「……今、なんと仰せになられましたか」
聞き返したのは気丈な部類の女房といえた。ほとんどが「うーん」と言ったきり、倒れてしまう。無理もない。葵上の顔をした白瑛が、葵上の声で信じられない言葉づかいをしたのである。

 

↓白瑛(身体は葵上)が着物姿で走る場面が最高です。

葵上(身体は白瑛)は、頭中将に襲われていましたw

二人が廂や渡殿を走る間も、ときおり悲鳴があがっていた。夜着の裾をたくしあげ、太股をあらわにした葵上が全力疾走しているのだから、悲鳴をあげるのも無理はない。
「葵様、今、まいります」
葵上の姿をした白瑛は、葵上の声でつぶやいた。素顔を曝し、雌鹿のように優美な脚を剥き出して、頭中将の部屋に急ぐ。葵上の身体であるためか、少し走っただけなのに息切れしていた。
「や、やっぱ、き、鍛えてないと……」
「きゃあぁっ、だれかっ、だれかっ」
女言葉になった白瑛の声が、廂にまで響いている。肩で激しく喘いで、几帳をずらした。御簾の向こうにある御帳台の上で、頭中将がだれかにのしかかっている。見るまでもない、白瑛(じぶん)だ。
「やめろっ、牛男!」
御簾を蹴り飛ばして、飛びこんだ。息も荒く入って来た妹君を、頭中将は啞然として見あげる。
「おや、では本当なのですか。貴方が紅の君で、貴方は……」
「貴方様の妹でございます」
白瑛の声でありながら、毅然と顎をあげた姿はまさしく葵上。乱れた胸もとや裾を直して、きちんと正座した。太股まで曝け出した我が姿を、ちらっと一瞥する。
「あっ、も、申しわけありません!」
白瑛はあわてふためいて、持ちあげていた夜着の裾をさげた。素早く廂に平伏する。

 

↓入れ替わり的においしい描写が多く良かったです。

白瑛は落ち着かない気分で鳥籠を見あげる。葵上がいつも座っている場所に自分が据わり、御簾の向こうには白瑛(あおいのうえ)が座していた。妹君の隣には頭中将がにやにやしながら付いていて、愉しげに事の成り行きを見守っている。

葵上の声で、白瑛の口調。
「あのときは」
御簾の向こうで答える葵上は、白瑛の声で葵上の口調だ。扇で顔を隠して、きちんと正座しているのは、長い間の習慣によるものだろう。白瑛は男だから顔を隠さなくてもいいのだが、やはり、葵上も落ち着かないらしい。実に女らしい手つきで、扇を持っている。

「は、白瑛様」
隣で少将の君が、また倒れそうになっている。
「お願いでございます。姫様の姿で、そのように腕組みをしたり、足を広げて座ったりなさらないでください。わたくしはもう、嘆かわしくて、おいたわしくて」

 

↓頭中将のキャラが好きですね。

頭中将は「白瑛」のことが気になるようで、白瑛(身体は葵上)にも白瑛(中身は葵上)にも手を出そうとします(笑)

じりじりと膝で這うようにして、頭中将がにじり寄って来た。御簾を引きあげようとしたが、後ろから葵上が引っ張り、御簾の内側では少将の君が両手を広げて白瑛を隠そうとする。父はともかくも兄には、めったに素顔を見せることはない。
「おやめください、兄上」
「そうでございます、お身体は姫様なのでございますよ」
「固いことを言わなくてもいいじゃないですか。わたしと紅の君は、親友なんですよ、親友。その危機を助けたいがために、こうして、相談しているわけなんですからね。近くに寄って、もっと詳しく話をしたいと……」
「来なくていい」
白瑛は不機嫌に告げる。少々の君の向こうに見え隠れする頭中将の眸に、邪な企みが浮かびあがっているのを、はっきり確認していた。
「なにを企んでいるのか、すべてお見通しだぜ。言っておくがな、牛男。葵様とさんたは同母兄妹なんだ。中身がおれでも、肉体は妹君。万が一にも間違いがあったりしてはならない。わかったな」

今度は葵上にちょっかいを出す。扇を払いのけようとしたが、葵上は悲鳴をあげて抵抗した。
「きゃっ、おやめくださいっ、兄上!」
「似た顔を見ればなにか思い出すかもしれません。協力すると言ったではないですか。あれは嘘なのですか」
いちおう真面目な顔を造っているが、これまた目的はあきらかだ。意識は妹君でも肉体は白瑛なのである。葵上(はくえい)が駄目ならば、白瑛(あおいのうえ)に迫ってみて、自分自身の反応を見ているにちがいない。屈折しきった厄介な性格を、白瑛は知りつくしている。
「協力はいたしますが、顔を見せるのはいやでございます」
「貴女は男なのですよ。くねくねしてはいけません。この事実が広まったら、どうするのですか」

源氏十二宮絵巻1

あまり打ち解けない葵上本人に対し、フレンドリーに接する白瑛(身体は葵上)に、光源氏は嬉しいようです。

↓光源氏は入れ替わりを知らないので、地の文が肉体名表記になっています。

入れ替わりは、白瑛と葵上が相思相愛だったから起こったようです。

「ヒカル?おれ?」
まるで白瑛みたいな喋り方をするね。しかし、間違いなく葵上……。
「うっ」
思わず絶句した。こともあろうに葵上が、衣の裾を手でたくしあげ、白い臑を曝すようにして、小走りに前を進んでいるのだ。しかも、かなり大股で、男らしく!
「あ、葵上」
呼びかけたが、二人は足を止めない。逃げるように素早く北の対の部屋に入ってしまった。追いかけたヒカルの目にまず飛びこんで来たのは、廂にきちんと正座している白瑛、どういうわけか扇で顔を隠している。

扇を取ろうとするのに、そうはさせじと右手に力を入れた。力比べのような感じになったが、あっさり軍配があがる。普通であれば自分が負けるだろうに、ここでも疑問が浮かぶ。ヒカルの手に移った扇を見て、白瑛は直衣の袖で顔を隠した。
「源氏の君、お願いでございます。扇を、扇をお返しくださいませ」
白瑛の声なのだが、口調は女のそれである。なおかつ、仕草も完全に女君のものだった。いささか気持ちが悪くなくもない。硬派で正義一直線の白瑛が、なよなよしている姿を見るのは初めてだ。

「ま、落ち着いてさ。ここに座ってくれよ」
肩を押して、その場に座らせる。霊妙な薫りがいっそう強くなっていたが、今はそれにはふれない。足を広げてヒカルの隣に腰を降ろそうとしたものの、少将の君に「姫様」とたしなめられてしまい、葵上らしく背筋をぴんと伸ばして正座した。

 

6日後に「葵上」は薫物合せの予定があるようで、白瑛(身体は葵上)が出席することに。

↓男性が十二単を着させられるというレアなシチュエーションに興奮します。

う、動けねぇ。
白瑛は御所の車舎に停めた豪華な牛車の中で、身じろぎもせず座っていた。朝から着慣れない十二単を着付けするのに手間取り、まともに食事を摂っていない。さらに動きたくても脱げてしまいそうで、動けないのだ。
(中略)
初めて着た人間であれば、白瑛のように硬くなってあたりまえだろう。しかし、その言葉はまた女君と情事をしたことがないという証にもなった。
「まあ、白瑛様」
少将の君が扇で口もとを隠して笑う。自分が言った言葉の意味に、そのとき白瑛は気づいた。恥ずかしさに頬を染めて、つぶやく。
「正直な話、こんな風にして着付けているとは思わなかったよ。たった一本の紐で、何枚もの袿を留めているんだぜ。おれなんか怖くて動けないよ。まあ、だから下に狩衣を着たんだけどさ。女は大変だな。早く自分の身体に戻りたいもんだ」

しみじみしたつぶやきに、大きくうなずいた。最悪の場合は葵上の肉体で、戦わなければならなくなるかもしれない。人が多く出入りする『薫物合せ』の宴は、祁王にとって絶好の機会であろう。むろん、葵上の肉体で戦うのは本意ではない。怪我をさせないよう、傷ひとつ付けぬよう、気を使いながらでは思うように動けないからだ。言うなれば白瑛は葵上という生身の十二単を着ているようなもの、疲れることこのうえない。

源氏十二宮絵巻2

↓白瑛(身体は葵上)が薫物合せに出ている間、頭中将は葵上(身体は白瑛)を襲います。

身体は男性同士、中身は血の繋がった兄妹なので全てにおいてヤバいですw

葵上は、白瑛ボディでも女性用の着物を着ているようです。

頭中将が、葵上(身体は白瑛)に「頭中将と白瑛はそういう仲だ」と嘘をつくのが最高でしたね(笑)

紅の君の肉体か、精神か。これが最大の問題です。ですが、最初に肉体を自由にしてしまえば、あとはどうとでもなるでしょう。一度、わたしの手がつくわけですからね。もとに戻ったあとも、口説きやすくなるかもしれません。それにあの姿を是非、見てみたいのです。覗き見ができませんでしたからね。
という妙な熟慮の結果、白瑛(あおいのうえ)を襲うことにした。
(中略)
ふふふふ、胸がわくわくしますよ。ついでに言うと、下半身もですがね。姿は紅の君でも、魂はわたしの妹君、どのような反応を見せるか想像はできますが。
「こちらに」
通りかかった葵上を、素早く部屋に引っ張りこむ。
「あっ、な、なにをなさいます!?」
白瑛の声でありながら口調は葵上。ますます欲望をそそられて、後ろ手に戸を閉めた。渡殿に造られた女房の部屋は、こういった秘め事に使われることも少なくない。むろん頭中将は何度か経験があるので慣れたものだった。畳に押し倒してからのしかかる。得意の体重攻撃だ。
「静かになさい。わたしで……」
小さく息を呑む。女房装束を着けた白瑛に見惚れていた。

 

↓白瑛(身体は葵上)は、葵上で覆面を被って敵と戦います。

葵上の身体のため、押されるところが良かったです。

元に戻るのは第6章「瓢の呪法」です。

十二単を脱ぎ捨てて、身軽な狩衣姿になった。覆面をすれば葵上とは思うまい。

「ぐっ、くそぉ」
非力な葵上の肉体では分が悪い。じりじりと押されて、いやおうなく後退させられる。

 

DEAR

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『DEAR』
著者:新井 輝
主人公がクラスの女の子と入れ替わる。富士見書房
富士見ミステリー文庫
『DEAR3 二人で見つめる土曜日』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第3巻「二人で見つめる土曜日」第1章「自分とぶつかる土曜日」が男女入れ替わり。

 

青山正吾は天使の少女・トーカに、自分を含めて3人が死ぬことになる事件の日を3回だけ繰り返すチャンスを与えられていた。

スキー旅行先でも殺人事件が起こり、正吾はクラスメイトの真鶴千尋と一緒にループすることになったのだが、1回目のループ時に何故か二人は入れ替わっていた。

 

↓目が覚めたら千尋の身体になっていた正吾…

いつの間にか彼女の秋葉と同じ部屋にいて驚くところが好きですね。

「なんなんで、秋葉が隣に?」
やっと言葉になった。だが、その言葉に正吾は改めて驚く。いや、言葉ではない。言葉を発した自分の声にだ。
明らかにそれは自分の知っている、自分の声ではなかった。聞いたこともない、いつもより高い声。まるで、少女のような声が頭の中に響く。
――ど、どういうことだ?
正吾は唾を飲み込み、声に出さずに落ち着こうとして息を大きく吸い込む。それで、少しは落ち着いているらしいと気付くが、それでも胸は激しい鼓動を打っていた。
――胸?
正吾はその言葉に自分に起こった異常にまだ少しも気付いていないことに気付く。
何だか胸が重かった。その理由がわからず、正吾の頭はまた混乱していく。
(中略)
「何かあったんですか――」
秋葉が不思議そうな顔をして話かけてくる。しかしその後、秋葉が呼んだのは正吾の名前ではなかった。
「真鶴さん?」
「真鶴さんって?」
(中略)
自分の手が、自分のものでないことに気付く。そして、それが本来誰の手なのかも。
――これは千尋の手だ

 

↓貴博との身長差ネタが好きですね。

正吾(身体は千尋)はミステリー小説の主人公らしい落ち着いた性格をしています。

「あれ千尋、どうしたんだ?」
ドアを開けたのは貴博だったらしい。扉の向こうから大きなボストンバッグを持って、すでに着替え終えたらしい貴博が現れた。私服姿の彼は昨日も見ていたはずだが、どこか違和感を覚える。
――そうか、千尋の方が背が低いからか

DEAR

↓元の自分を探していた正吾(身体は千尋)は、はだけた状態のパジャマ姿だったため、貴博に注意されてしまいました。

「何しにって、正吾に会いに来たんだけど」
「パジャマ姿で?」
「……そうなるかな」
改めて自分の姿を見ると、確かに妙なことをしているという気がしてきた。
千尋の着ているパジャマは白と青のストライプの上着の丈の長いものだった。あんまり色気のあるデザインとは言いがたいが、胸のボタンが上の三つまで開いている。寝ているうちに外れたのかもしれないが、少し不用心な格好と言わざるを得なかった。
(中略)
「ちょっとサービスしすぎだわな、千尋にしては」

 

↓千尋(身体は正吾)が正吾のフリをしているのが萌えました。

貴博は正吾の姿を見かけてそんなことを話しかけてきた。しかし正吾の興味はそっちではなく、彼の後ろの自分の姿をした何者かの方だった。
その視線に気づいたのか、目の前の自分のはずの顔が笑うのが見える。
「千尋、秋葉は?」
そして何事も無かったかのように、『自分』がそう尋ねてきた。
「……先に食堂に行ってるって」
貴博は正吾がその不思議なやり取りに気を取られていることにも気付かず、彼の前を過ぎると階段を下りていこうとする。
「千尋も一緒に行くよな?」
それを見ているうちに、今度は自分にそんな風に誘われる。実に自然に話しているが、それがやはり自分ではないことは正吾にはハッキリとわかった。
「……ちょっと正吾、話があるんだけど」
(中略)
「もう演技はいいんだよ、千尋」
「……あ、やっぱりバレてた?」

 

↓千尋(身体は正吾)の方は、微妙に入れ替わりを楽しんでいて、朝起きてシャワーを浴びたようです(笑)

とりあえず、周囲に影響を与えないように、二人はお互いのフリをすることに。

「単に頭洗った時にシャンプーが目に染みただけなんだけどね。ほら、慣れない体で、使ったこともないシャンプーだったから。すぐに元に戻ると思うけど、ショーゴは目が弱い方?」

 

↓正吾(身体は千尋)が一尋にノーブラを指摘されるシーンがありました。

付け方がわからなかったようですw

「もしかしてブラしてないのか?」
「え?」
「……ブラジャーだよ」
そう言いながら一尋はさらに顔を真っ赤にする。それでさすがに正吾も彼の表情の意味を理解する。
「……わかるかな?」
「わかる……というか、なんでしないんだよ。ここは家じゃないんだぞ」
「いや、その……」
さすがに「付け方がわからなかったから諦めた」と正直に答えるわけにもいかない。今更、千尋がそんなこと言いだすはずはないのだから。

 

↓入れ替わりを隠して周囲と会話をする描写が好きですね。

寝ぼけた優子が正吾(身体は千尋)を「正吾」と呼んでヒヤヒヤするところも良いです。

そう言って心配して尋ねてきたのは、自分の向かいに座っている秋葉だった。その隣には正吾――の姿をした千尋――が当たり前のように座っていた。
「大丈夫なんじゃないの。アイツ、へんなかんしゃく持ってるし」
千尋は正吾の振りをするのを忘れているのか、そんなことを言い始める。
「……そうなんですか?」
千尋の言葉を意外に感じたらしく、秋葉がそっちを向いて尋ねるのが見える。
「――と、前に千尋に聞いたことがある」
千尋は自分が失言したのに気付いて、慌ててそれでフォローしたらしい。秋葉はなんと言って良いのかわからないという顔をして、今度は千尋――の姿をした正吾――の方を向く。
「あ、うん。そうなんだ。なんだかよくわからないけど、急に怒り始めるんだよね。でも、かと思うと急にしょんぼりしたり……ちょっと情緒不安定っぽいところあるんだよね」
正吾はきっと千尋ならそんな風に言うんじゃないかなと思いながら、秋葉にそんな風に言い訳をする。秋葉はなんだかやっぱり困惑した顔をしながら、一応納得した仕草を見せた。

 

↓やはり千尋(身体は正吾)の方が入れ替わりを楽しんでいて、ループでリセットされることも踏まえて、色々と正吾の身体でしかできない調査をしている様子。

「よ、お一人?」
部屋に戻ろうとしたところで妙に元気そうに『自分』が話しかけてくるのがわかった。
「……千尋」
「ショーゴだってば」
「……正吾」
「ショーゴ」
「……どう違うんだよ」
「微妙に発音が違うんだってば」

 

↓千尋(身体は正吾)が正吾(身体は千尋)に千尋の身体を見るお許しを出すところが最高ですw

「というわけで、ショーゴも私なのを良いことに色々と調べてもいいよ」
「……いいよと言われても」
「とか言いつつ、とりあえず、私の胸の柔らかさぐらいは、すでにチェックしたわけでしょ?」
「してないって、そんなこと」
「マジで?それは健全な男子として絶対に間違っていると思う」
信じられないという顔で見られて、正吾は言葉を失う。
「……千尋の方は俺の方を色々と調べたわけ?」
「シャワーを浴びてたら、どういうわけか自然に色々と情報が入ってきてしまったんだよね、これが」
「全然、自然じゃないぞ、それ……」
正吾が呆れた顔をしたのが気になったのか、千尋は突然立ち上がると、そのまま部屋を出て行こうとする。
「どうしたんだよ?」
「……いや、ほら、私がいるとショーゴも確認し辛いだろうから」

 

↓入れ替わりに慣れるのも千尋(身体は正吾)の方が早いです。

「本当に大丈夫ですかね、正吾クン?」
秋葉が心配そうに千尋に話しかけるのが聞こえた。正吾は自分が話しかけられたような気がして振り向いてしまう。だが千尋の方はもうすっかり慣れているのか、正吾にとってもなんの違和感もなく、秋葉と話しているようだった。

 

↓入れ替わった二人のやりとりが美味しいです。書き切れないです。

それを確認して、正吾は自分のベッドの上に座ろうとして、千尋が隣に座ってきたのに気付く。自分の顔を間近で見て、正吾はなんだかやっぱり奇妙な感じを受けてしまう。
それでも自分は千尋のふりをしなければいけないと気付いて、千尋に話しかける。
「……ここは私のベッドなんだけど」
「そういえば、そうだった」

「誰だ?」
慌ててその音を追うと、そこに自分が立っていた。
「……なんだ千尋か」
自分の姿をした相手に、そんなことを言うのもなんだか妙だが、それで正解だった。

 

話の本筋は殺人事件の解決で、いつもは三人しか死なないはずが、次々と人が死んでいき…

↓千尋(身体は正吾)の方が男らしく、彼女の秋葉と接していておいしいです。

「大丈夫。ちゃんと戻ってくるから」
自分の顔が自信を持ってそんなことを言うのを、正吾はなんとも言えない違和感を覚えながら見ていた。

「側にいてください」
秋葉の弱々しい声。顔は見えないが、またさっきの談話室でのあの顔をしているんじゃないかと正吾は思ってしまう。
「……いいけど」
千尋が自分の声で答えて、秋葉の側に座ったらしいのを、正吾は感じ取った。電気が切れた今となっては、外からの光だけが頼りだったが、吹雪で視界が遮られていて、それもいかにも心もとない。
それでも慣れてきたのか、シルエットだけだが二人の姿が見えるような気がした。
(俺はこういう状況でどうすればいいんだ?)
本来の自分の役割を千尋にとられ、正吾は本来の千尋なら今、何をするのか考えなければならなかった。

「……秋葉?」
「秋葉?」
正吾と千尋はそんな秋葉の名前を呼ぶがやはり反応がない。
(……どうしたんだろう?)
正吾が独り言のように小さく呟くと、それに千尋が答える。
(怒ってるのかもね)
(どうして?)
(……心配してやってきたのが、ショーゴじゃなくて、私だったから、かな)
千尋の言葉にそう言えば、と正吾は思い当たる。しっかり忘れていたが、今は自分は千尋の声で話していたのだ。

 

正吾(身体は千尋)と千尋(身体は正吾)も、うっかり吹雪の中で外に出てしまい、判断ミスで死亡。

2回目のループからは元に戻り、入れ替わった理由については最後まで不明(?)でした。

 

↓戻ってからも入れ替わっていた時の話題が出てきます。

正吾が千尋の行動を思い出しながら振る舞ったり、1回目の千尋と同じ行動をしていたりと良かったです。

3回目のループ時も入れ替わっていないか確認してしまう正吾も好きでした。

「どうしたの、ショーゴ?」
千尋がそう尋ねてくる。そう言えばと正吾は、一度目のやり直しの時は先にここに座っていたことを思い出した。
「……ここは私のベッドなんだけど」
「そう言えば、そうだった」
正吾はそう答えながら、それが千尋の言っていた言葉と同じだと気付く。一度目の時は千尋が混乱しているようだったが、今度は自分がそうなっているらしい。それは、今日のこの時、この体の持ち主の運命なのかもしれない、と思う。

 

変態奴隷ちゃんと堅物勇者さんと

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『変態奴隷ちゃんと堅物勇者さんと』
著者:中村ヒロ
エドワードとアスフィが薬で入れ替わる。SBクリエイティブ
GA文庫
『変態奴隷ちゃんと堅物勇者さんと』
第1巻

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第1巻第5章「変態奴隷ちゃんと淫乱の理由」が男女入れ替わり。

変態奴隷ちゃんと堅物勇者さんと

奴隷エルフのアスフィの淫らな行動を治したい勇者のエドワードは、魔女のメロキュアに相談することにした。

メロキュアに頼まれていくつかの魔法薬の実験台になることになったのだが、その中の一つの効果でアスフィとエドワードが入れ替わってしまう。

 

↓入れ替わり描写があるのは約6ページと短いですが、美味しいです。

鏡ではない。床に力なく座った自分の頬を触ろうとし、自分の手が小さいことに気がついた。
腕が細い。足も。
髪の毛が伸びている。しかも、色が金色に変わっている。
そして――。
ふに。と自分の胸を触って気づく。わずかだが、ある。ほのかに柔らかい。

 

↓アスフィはエドワードのことが大好き?なため、エドワードの身体を観察(笑)

もみ。
「何故、股間をまさぐる!」
「いや、色々と確かめないと!ご主人様もアスフィの股間を触って、『な、ない!』をやっていいですよ!」
「するか!」
しかし、アスフィに言われる前に胸は触ってしまっていた。
エドワードは罪悪感に苛まれた。
「ほうほう。これがご主人様のですか……」
アスフィは鼻血を垂らしながら、自分の股間をまさぐる。
他人から見ると、完全に変態である。
「それでは、ちょ、直接……触……」

 

↓身長差ネタもありました。

アスフィの頭を叩こうと、エドワードは跳躍した。しかし、ジャンプしたのに、頭まで届かない。
そうか。今はアスフィの体だ。身長差があるうえに、アスフィの身体能力では……、

 

↓アスフィ(身体はエドワード)は、既成事実を作ろうとエドワード(身体はアスフィ)に襲い掛かります。

エドワード(身体はアスフィ)は、アスフィの身体ではアスフィ(身体はエドワード)に敵わず…w

「えへへ。ご主人様が私を押し倒しています」
よだれを垂らしながら、普段では絶対しないような表情を浮かべた自分が目の前にいる。エドワード(アスフィの体)はぶるると身震いをした。
「ご主人様。天井の染みを数えていてください。痛いのは一瞬です」

 

 

今回は、小説の男女入れ替わり回を9作品紹介しました。

読んでいただいてありがとうございました!

 

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