今回は、児童書の人外との入れ替わりを10作品紹介していきます。
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もくじ
満月,満月,そっこぬけ!
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『満月,満月,そっこぬけ!』 著者:石神悦子 絵:荒井良二 | 男の子が猫と儀式で入れ替わる。 | 講談社 『満月,満月,そっこぬけ!』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学5年生の奥村ノボルは、なんとなく隣家の飼い猫のブッチを苦手に思っていたある日、隣家のおばさんが旅行に出るため世話をしなければならなくなった。
ノボルは、ブッチにあげるキャットフードの「おりこうキャット」を少し舐めたところ、ブッチと話ができるようになる。
学校に通ってみたいブッチと、毎日の勉強に嫌気がさしていたノボルは、一度入れ替わってみることに。
満月の夜に「満月、満月、そっこぬけ!」と呪文を唱えながら同時にゴミ袋をくぐることで入れ替わります。
入れ替わった二人は意思疎通が取れますが、ブッチになったノボルは鳴き声しか出せません。
目の前に巨人がぬっと立っていた。にやりとわらって見おろす顔は、ぼくそっくりだった。いや、ぼくの顔だった。
ノボルになったブッチは、体育では大活躍しますが、算数は惨敗。
お互いに変身して入れ替わっているのか、ブッチ(身体はノボル)は油断するとヒゲや爪やしっぽが出てしまうようです。
ブッチ(身体はノボル)が猫舌でグラタンが食べられなかったり、ノボル(身体はブッチ)がキャットフードに抵抗があったりと、この辺りもおいしい。
このあとも、二人ともお互いが気楽だと思っていたが、実はそうではないとわかる…という展開。
ノボル(身体はブッチ)はブッチのガールフレンド猫について行ったらオス猫にボコボコにされ、ブッチ(身体はノボル)は塾の勉強に四苦八苦。
戻りたくても、次の満月まで約一か月間、二人は元に戻れませんw
戻る際に、お互いに激励し合って元に戻ります。
おかしなおかしな月火水木金土
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『おかしなおかしな月火水木金土』 著者:肥田美代子 | 小学生男子が学校ネコと入れ替わる。 | 偕成社 子どもの文学傑作選32 『おかしなおかしな月火水木金土』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
勉強は得意だが運動は苦手な小学四年生・原田マキオ。
ある月曜日、用務員が飼っている黒猫の小太郎が入れ替わらないかと話しかけてきた。
体育の授業参観が憂鬱だったマキオは、半日だけならと小太郎と儀式で入れ替わることに。
↓変身で入れ替わった?ようです。小太郎は俺様な性格(笑)
小太郎(身体はマキオ)は、授業をサボり、給食はモリモリ食べ、好き勝手しますw
小太郎はまじないをとなえながら、その場でくるりとひとまわりした。マキオもあわてて、くっついてまわった。
とたんに、小太郎は、おでこにたんこぶをくっつけたマキオに変身していた。
おどろいたマキオが、おしりに手をやると、なんと、りっぱなしっぽがくっついていて、からだには、ぶよぶよと毛がはえているのだ、
「じゃあな。おまえが小太郎さまで、おれがマキオだってことをわすれるなよ。」
そして、体育の授業参観の時間に。
サッカーボールをヘディングしようとしたマキオ(中身は小太郎)を、頭が悪くなるからと教育ママのマキオの母親が止めに入ります。
↓マキオの母親に言い返す小太郎(身体はマキオ)が良かったですね。
「いいかげんにしろよ。おれは、あんたのハンドバッグじゃねえんだ。自分の思いどおりにしようってこんじょうが、気に入らねえな。さあ、どいたどいた。あんたのでる幕じゃないんだよ。」
なおもとりすがるおかあさんを、ああ、小太郎はとうとう、投げとばしてしまったのだ。
放課後に元に戻ったマキオは、クラス一の美人・星川ミチルに「今日はいつもと違って素敵だった」と言われたのでした。
母親にはこってりと怒られ、反省文を書かされたようです(笑)
第2章「火曜日」は、ミチルの誕生日会に招待されたマキオが、小太郎と入れ替わる話。
マキオは、父親の出世のために誕生日会でうまくやってくれと母親から言われ、気乗りがしなくなったので小太郎と入れ替わります。
ミチルは、中身が小太郎のマキオの方が好きなようです(笑)
マキオ(身体は小太郎)がどさくさに紛れてミチルとキスしたところが良かったですねw
第3章「水曜日」は、野外活動中に公園のトイレに閉じ込められたマキオが、小太郎と入れ替わって犯人のガキ大将・ヤマケンへ仕返ししてもらう話。
小太郎(身体はマキオ)はすぐに元に戻らず、ミチルとペアになりイチャイチャしますw
第4章「木曜日」は、マキオとミチルの仲に嫉妬したヤマケンが、小太郎を捕らえてミチルを脅す話。
小太郎に酷いことをされたくないミチルがマキオに助けを求め、マキオは何とかして小太郎と入れ替わろうと奮闘w
でも今回は結局入れ替わりません。
第5章「金曜日」は、小太郎が中学生にカツアゲにあったマキオを助けるために入れ替わる話。
第6章「土曜日」は、ヤマケンに呼び出されたマキオが小太郎と入れ替わらずに自力で対決する話。
マキオは小太郎に出会ってから成長したようです。
ようちえんがまってるよ!
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ようちえんがまってるよ!』 著者:こわせたまみ | 男の子が猫に入れ替えられる。 | PHP研究所 『ようちえんがまってるよ!』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
幼稚園に入ったばかりのゆうちゃんは、幼稚園に行くのが面倒になってしまう。
猫のミオに「一度くらい交代してよ」と言ったら、本当に入れ替えられてしまった。
相互変身で入れ替わっており、シークエンスがあるのが良いですね。
ゆうちゃんが交代してと言い出したのに、いざ入れ替わるとなると嫌がるのも高ポイントw
ゆうちゃんになったミオは、喜んでゆうちゃんに成りすまして幼稚園へ行ってしまいました。
ミオになったゆうちゃんは、鳴き声しか発することができません。
残されたゆうちゃん(身体はミオ)は、猫の身体だからか花や遊び道具、上履き、椅子の声が聞こえるようです。
そして、楽しそうにお絵かきをするミオ(身体はゆうちゃん)を見たゆうちゃん(身体はミオ)は、我慢できなくなって飛び出して…
三角あき地のネコ人間
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『三角あき地のネコ人間』 著者:宮西達也 | 小学生男子が野良猫と入れ替わる。 | 岩崎書店 『三角あき地のネコ人間』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学生の中野たけしは、空き地に住み着いている野良猫のミィーと一緒に土管の中で眠ったら、何故かミィーと入れ替わってしまった。
ミィーになったたけしは、友達や家族の普段は見られない姿を見ていくことになった。
たけしになったミィーは猫語しか喋れず、ミィーになったたけしは人語を喋れるようです。
ミィー(身体はたけし)は、たけしの友達と野球を始めて大活躍。
たけし(身体はミィー)が夜に家に帰ると、たけしの母親から魚を貰えましたが、家には入れてもらえませんでした。
ミィー(身体はたけし)は、たけしが食べるはずだったハンバーグを食べます。
その後、二人は元に戻るためにもう一度土管に入りますが、今度はたけし(身体はミィー)が猫語しか喋れなくなり、ミィー(身体はたけし)は人語が喋れるようになりましたw
たけし(身体はミィー)はミィー(身体はたけし)にたけしの家へ連れて帰ってもらい、しばらく猫として暮らすことに…
たけしは猫の身体だと、朝目覚めるのが早く、毛づくろいも早く終わるようです。
猫の身体で悠々自適に暮らすたけし(身体はミィー)のシーンが好きですね。
猫として散歩をするたけし(身体はミィー)は、友達のひろし、体育の岩田先生、たけしの姉、クラスメイトのかわいい女の子、たけしの父親、たけしの母親の秘密を知ります。
どの話もオチがついていて面白いですが、特に生意気な中学生の姉のラブレターを渡す練習に付き合わされ、さらに失恋を慰めるシーンがお気に入りです。
一か月間の入れ替わり生活を送った後に元に戻ります。
人間の手を懐かしがるたけしが良かったです。
たましいの実
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『たましいの実』 著者:白鳥菜津美 | 男の子が砂場の泥人形に入れ替えられる。 | くもん出版 『へんしんライブラリー 世界一しあわせな鼻くそ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
引っ越してきたばかりで友達がいないイクオは、砂場の砂でできた泥人形のスナオと毎日遊ぶようになった。
イクオは、ほとんど喋れず動けないスナオを人間そっくりにしようと思いつくが…
↓スナオは、何故かイクオそっくりになりたいと言い始め、イクオは不思議に思いながらも従います。
「スナオがしゃべれるようになってよかった。こんどは、きみの顔をつくるよ。どんな顔がいい?」
「きみの顔とおなじがいい。この口も、せっかくつくってくれたけど、きみの口とおなじにしてくれないかな」
どうしてぼくの顔がいいんだろう。イクオは、ちょっとふしぎに思いました。でもスナオは、どうしてもイクオとおなじにしてといいます。スナオの顔を、自分そっくりにしました。
とうとうスナオは、頭から顔、からだのいろんな部分まで、イクオそっくりになりました。
イクオそっくりの砂になったスナオは、お礼にとスナオのたましいでできた飴を言葉巧みに渡して舐めさせます。
↓スナオのセリフが不穏で好きです。
「すがたやかたちはきみとおなじになったけど、ぼくはまだ砂だ。だから、きみのように砂場の外に出て歩くことはできない。砂場のなかでも、からだがくずれないようにそっと歩かないといけない。ぼくは、イクオがうらやましい」
↓かわいい容姿のスナオがずっとイクオの立場を狙っていて、何も悪くないイクオが入れ替えられるところがかわいそうで良かったです。
もちろん元に戻らず、スナオ(身体はイクオ)はその場を立ち去ってしまい、追いかけようとしたイクオ(身体はスナオ)はうっかり砂場の外に出てただの砂になってしまいました。
目をあけたイクオはびっくりしました。イクオの前に、もうひとりのイクオがいたからです。そのイクオはぴょんと砂場から出て、イクオをふりかえってほほえみました。
「今からきみがスナオだよ、イクオ」
なにがおこったのかわからないまま、イクオは自分の手を見つめました。その手はがさがさの砂です。おなかも、足も、からだぜんぶが砂になっています。
「ウワアアア!」
まさ夢いちじく
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『まさ夢いちじく』 著者:クリス・ヴァン・オールズバーグ 訳:村上春樹 | 男性が飼い犬と入れ替わる。 | 河出書房新社 『まさ夢いちじく(The Best 村上春樹の翻訳絵本集)』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
客のお婆さんから貰った食べた後に見た夢が正夢になるいちじくを使って、金持ちになると決めたピボット氏は、訓練の結果、見る夢を自在にコントロールできるようになった。
しかし目を離した隙に、飼い犬のマルセルが誤って正夢いちじくを食べてしまい、朝起きたら入れ替わってしまっていた。
オチだけの入れ替わりですが、ピボットはマルセルを虐めていたので、この後どうなるか想像すると興奮しますw
ネコが笑った日
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ネコが笑った日』 著者:加藤純子 | 男の子が飼い猫と入れ替わる。 | くもん出版 『へんしんライブラリー3 ブタのたたり』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
聡は、子猫の時から飼っているシュンスケが、成長と共に傲慢な態度になっていくのが許せなかった。
聡がシュンスケを虐めた翌朝、何故か聡はシュンスケと入れ替わっていた。
↓聡の身体になったシュンスケのダークな行動が良いですね。
シュンスケ(身体は聡)は聡の大好物のハンバーグを目の前で食べ、聡(身体はシュンスケ)はキャットフードを食べさせられる羽目に…
目がさめると、なんと、ぼくのからだはネコになっていた。
「まさか!夢だろう」
ぼくは自分で自分の頭をたたいてみた。けれどやわらかな手の肉球が、頭にくにょっとあたるだけで、いたくもなんともない。まさか!
おどろいて見あげると、そこにぼくらしきやつが立っていた。
「おまえのひげ、きってやろうか、ニャン」
そいつは、にやっとわらいながらぼくを見た。
しかし、猫舌で薄味が好きなシュンスケ(身体は聡)は、ハンバーグを思いきり頬張って酷い目に遭います(笑)
聡(身体はシュンスケ)は、猫なら学校に行かなくてもいいと喜びますが、退屈なのも楽ではなく…
二人とも人間生活・猫生活は良いことがなく、お互いの苦労を理解します。
聡(身体はシュンスケ)が仕返しにシュンスケ(身体は聡)から蹴られるシーンが良かったですね。
元に戻ってハッピーエンドです。
かのこちゃんとマドレーヌ夫人
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』 著者:万城目学 | メス猫が人間と相互変身して入れ替わる。 | ●筑摩書房 ちくまプリマー新書 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』 ●KADOKAWA 角川文庫 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』 ●KADOKAWA 角川つばさ文庫 『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
ちょっと変わった小学一年生・かのこちゃんの家で、夫の玄三郎(犬)と気ままに暮らしているマドレーヌ夫人(猫)。
ある日、マドレーヌ夫人(猫)が昼寝から目を覚ますと、しっぽが二本の「猫股」になっていて、不思議な力で近所のおばさん・かとりさんと入れ替わってしまう。
↓相互変身で入れ替わっているようでした。
気がつくと、夫人の前から中年女性の姿が消え、代わりにその女性が立っていたはずの場所に、一台の横転した自転車と、一匹のアカトラがうずくまっていた。
視線が合った瞬間、アカトラは身をひるがえし、わき道へとあっという間に走り去ってしまった。
↓人間ボディになったマドレーヌ夫人(身体はかとりさん)の困惑具合が最高です。
ゆがんだ風景を映し出す鏡面の真ん中に、間抜けな表情の、麦わら帽子を頭にのせた中年女性が映っていた。
夫人はおそるおそる足もとに視線を落とした。先ほどから、なにか目ざわりなものが視界の下のあたりを交互するとは思いつつ、あえて確かめなかったのだ。
そこにはやはり、夫人の上半身を支える二本の足と茶色の靴が見えた。思い切って手を差し出してみたら、肉球のないのっぺりとした手のひらが現れた。
↓「かとりさん」はかのこちゃんの学校で水泳のサポーターをする予定だったようで、「かとりさんの身体」はマドレーヌ夫人(身体はかとりさん)の意思に反して勝手に動きます。
マドレーヌ夫人がかとりさんの身体の中で、水を浴びて心の中で悲鳴を上げるところがかわいそうで好きですねw
かのこちゃんのお母さんと別れたあと、夫人は小学校に向かった。正確には、身体が乗ったこともない自転車にまたがり、勝手に漕ぎ始めた。それからはなにがなにやら、わからない。小学校の正門から校舎に入り、自転車をとめ、靴を履き替え、来校者名簿に名前を書き、「遅れちゃう、遅れちゃう」とつぶやきながら、せわしなく更衣室で着替えをした。
どうやら、夫人は「かとりさん」が本来すべき用事をすませているらしい。
極めつけは、いっさいの躊躇なく、プールにざぶんと飛びこんだ。
中肉中背の身体に、黒の長そでと短パンという水着、そして麦わら帽子という格好の「かとりさん」のむちゃな行動に、夫人は周囲の目もかまわず悲鳴を上げた。
しかし、実際に口をついてでるのは、プールサイドに並んだ子どもたちに向かっての、
「はい、それじゃ一年一組と二組のみなさん、まずはプールのへりに、後ろむきになってしゃがんでください。それから、一本ずつ足を水の中に入れましょうね。あせらないで。ゆっくり、いいですね」
といった実に指導的なメッセージばかりである。
プールの授業中にかのこちゃんと接触したマドレーヌ夫人(身体はかとりさん)は、夫の玄三郎のドッグフードを柔らかいものに変えてくれと伝えるのでした。
玄三郎が食べたがっていた生肉を買いに行くシーンもピンチで良かったですね。
マドレーヌ夫人の身体の方にかとりさんの精神が入っているかどうかはよくわかりませんでした。
マドレーヌ夫人(身体はかとりさん)と同じように、自動的にマドレーヌ夫人の身体が動いた可能性もなくはないと思います。
↓終盤で、今度はマドレーヌ夫人はかのこちゃんの友達の父親と相互変身して入れ替わります。
こちらもマドレーヌ夫人の身体に父親の精神が入っているかどうかは不明でした。
おのずと猫の身体の後方に注意を轢かれた男性の表情が急に固まった。「な、なんだ?」と裏返った声とともに、男性は大きく目を見開いて、猫の顔に視線を向けた。
その瞬間、身体が膨らむような感覚とともに視界が持ち上がり、
「ニャア」
という変な声が聞こえた。
気づいたときには、目の前にダンボール箱に座り、ぼんやりと宙を見上げる猫の姿があった。こちらが声を発する前に、猫は飛び上がって庭の方へ逃げていってしまった。
手のひらを視界まで持ち上げて、足を動かした。頭に触れ、声を発し、完全に人間に成り代わったことを、あまりありがたくない気持ちで確認した。
口笛を吹くネコ
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『口笛を吹くネコ』 著者:さとうさとる | 幼い兄妹が猫と変身して入れ替わる。 | ●偕成社 佐藤さとる幼年童話(5) 『くちぶえをふくねこ』 ●講談社 講談社文庫 『佐藤さとるファンタジー童話集4 口笛を吹くネコ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
タカシとサトミの兄妹は、留守番中に庭を通りがかった猫に「猫の道を歩いてみないか」と誘われた。
タカシが家を留守にしてしまうと心配すると、猫の仲間が入れ替わってくれることになった。
タカシはブチ猫、サトミは白猫と入れ替わります。
↓変身で入れ替わっていて、タカシがブチ猫になる変身シークエンスが4段階ありました。
2歳のサトミは、人間ボディよりも猫ボディの方が動きやすいようで、喜んで跳び回ります。
ぶちネコは、タカシのひざに乗ってニャアと鳴きました。白ネコは、サトミの足に前足をかけてミュウと鳴きました。とたんに、人間とネコがいれかわりました。
タカシは、もうぶちネコになっていて、ぶちネコのほうは、タカシになっていました。
「なんだい、こりゃあ」
ネコになったタカシは、めんくらって思わずそういいました。すると、タカシになったぶちネコが、おもしろそうに笑いました。でも口はきけないとみえて、なにもいいませんでした。
猫になった兄妹は、猫の身体能力で近所を散歩を楽しみます。
家に帰り、タカシは元に戻りますが、サトミ(身体は白猫)は元に戻りたがらず、外に飛び出して行ってしまいました。
そこにお母さんが帰ってきてしまい…
色々ありましたがちゃんと元に戻り、ハッピーエンドです。
ヤンキーと真面目くんのワンダフルな関係
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ヤンキーと真面目くんのワンダフルな関係』 著者:桜川ハル | 男子中学生二人が飼い犬と入れ替わる。 | PHP研究所 『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
柴本中学校の狂犬と呼ばれているヤンキーの葛城龍也は、喧嘩帰りに車に引かれそうになった犬のキャンディを助けたら入れ替わってしまう。
↓キャンディは中年女性の飼い犬で、龍也(身体はキャンディ)は鳴き声しか発せず、入れ替わりを伝えることができません。
「キャンディちゃん!よかった、無事で……」
涙目の巨大な中年女性が至近距離で見つめてくる。
「キャン、キャン、クゥ……(は?ちょ、おばさん、何やって……)」
そこまで言って、目を疑った。壁にかかった大きな鏡にそれははっきりと映っていた。女性に抱きしめられた自分は、まぎれもない犬の姿をしていた。丸くて白くてふわふわで、つぶらな瞳。まさに生きたぬいぐるみ。犬好きじゃなくてもたいていの人が「かわいい~」と悶絶するだろう。犬に詳しいわけじゃないが、この犬種は知っている。ポメラニアンだ。
↓犬の本能に逆らえないシーンに興奮しました。
龍也(身体はキャンディ)は、大事なファーストキスを中年女性に奪われてしまいましたw
「そうだ。キャンディちゃん、ごはんにしよっか?もうごはんの時間過ぎてるもんね」
言われてみればたしかに腹は減っていた。ペコペコだ。本能には逆らえない。
「ハッ!ハッ!ハッ!」
その気はないのに、パタパタと尻尾が揺れる。
↓ドッグカフェに連れてこられ、愛犬家たちに撫でられた龍也(身体はキャンディ)は、もうただの犬…
最初は後頭部。さらに慣れた手つきで首まわり。
「キャンキャン……キャン!(フンッ、俺はそんなことに屈しないからな。なんてったって柴中の狂犬……)」
愛犬家のなでなで攻撃が続く。だんだんとその手が下に行き、気づいた時には龍也は仰向けで寝転がっていた。
「ハッ、ハッ、ハッ(気持ちい~。おまえらなでるのうますぎ)」
二日目にして飼い犬として馴らされつつあった。
↓龍也と同じクラスの佐藤学も、女子大生の飼い犬のドーベルマン・マルスと入れ替わっていました。
龍也は近くの席の学のことをほとんど記憶していないようですが…w
「クゥーン(あの……君ってもしかして、葛城くん?)」
龍也(身体はキャンディ)と学(身体はマルス)は、元の自分たちを見つけるためにドッグカフェから逃走。
大きな犬に威嚇された龍也(身体はキャンディ)は喧嘩を買いますが、キャンディの身体は小さく…学(身体はマルス)に助けられるのが良いですね。
ヤンキーの方が小さくかわいい犬で、真面目くんの方が大きくて逞しい犬なのが萌えます。
元の自分たちを見つけた二人は、体当たりして元に戻ります。
元に戻った学が少し強くなってハッピーエンドです。
キャンディ(身体は龍也)とマルス(身体は学)は未登場でした。
今回は、児童書の人外との入れ替わりを10作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!