今回は、小説の男同士入れ替わり回を1作品紹介していきます。
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うちの一階には鬼がいる!
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『うちの一階には鬼がいる!』 著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 翻訳:原島文世 |
仲の悪い連れ子同士が化学実験セットで入れ替わる。 | ●東京創元社 創元推理文庫 『うちの一階には鬼がいる!』 ●東京創元社 sogen bookland 『うちの一階には鬼がいる!』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
第6章~第8章が男同士入れ替わり。
キャスパーとマルコムは再婚した両親の連れ子同士で、仲が悪かった。
ある日、父親が買ってくれた化学実験セットの粉末交素を一緒に舐めたところ、入れ替わってしまう。
仕方なく二人は、そのまま学校へ行くことになった。
↓入れ替わり直後に、二人で鏡を見るシーンが好きですね。
父親が自分の子供のマルコム(中身はキャスパー)は叱らず、母親の連れ子のキャスパー(中身はマルコム)を叱るシーンも良いです。
薬が切れて元の姿に戻ることを恐れる描写があるので、変身で入れ替わっていると思われます。
そうやって、いつもの体より短く弱い手足で戦いながら、キャスパーは自分の目をのぞきこんだ。予想どおり、それはマルコムのひややかな灰色のひとみだった。その上にはマルコムのなめらかな髪があり、下にはマルコムの鼻ときちょうめんな口がある。そしてとなりでは、キャスパーの黒いボサボサ頭をしたマルコムが、キャスパーの顔にぞっとしたような色を浮かべ、キャスパーの茶色いひとみでこっちを見ていた。
元に戻れないまま、二人は身体の方のクラスへ。
↓表情筋ネタや授業ネタ、弟のジョニーと仲が良いキャスパー(身体はマルコム)が、ぼっちで虐められているマルコムの気持ちを知るところが良かったです。
「ねえ、こっちにおいでよ、キャスパー。みんなが待ってるから」
マルコムは申しわけなさそうな視線を投げると、ジョニーと言ってしまった。現実を思い出すまでの一瞬、キャスパーはそんなふうに置き去りにされたことで、はらわたが煮えくりかえるような怒りをおぼえた。それから、これはまさしく、ふだんジョニーとやっていることだ、と気がついた。
この時点で、そういえば授業中も休み時間も、友だちがまったく近づいてこないと思いあたった。ずっとひとりきりでむっつりとさまよっていたのだ――これまでのマルコムと同じように。そう思うと、いっそうみじめな気分になった。
二人は昼休みに玩具屋へ行き、毒消しを貰おうとしますが、上手く行かず…
↓兄のダグラスの言いつけで、母親と話しがしにくいマルコムが、キャスパーの身体で母親と仲良く話すシーンが良かったですね。
それを見たキャスパー(身体はマルコム)が、嫉妬して怒るところが最高。
台所に入っていくと、夕食の支度を手伝いながら、陽気に母さんとおしゃべりしていたのだ。相手がキャスパーだと信じている母さんは、喜んで会話に応じていた。
キャスパーは戸口につったって、やきもちまじりの怒りと疑惑にさいなまれた。
↓キャスパー(身体はマルコム)が、マルコム(身体はキャスパー)は元に戻りたくないのだろうかと考えるところも最高。
ちなみに、父親の連れ子がダグラスとマルコム、母親の連れ子がキャスパーとジョニーとグウィニーです。複雑…
最悪なのは、マルコムがいかにもうれしそうにしていることだ。毒消しが見つかったとしても、キャスパーとしての生活が楽しすぎて、そのままでいたいと思うのでは、という恐ろしい疑いが浮かんだ。そうなったらこっちはどうなる?
↓暴君の兄・ダグラスに、入れ替わりがバレないように慎重に振る舞うキャスパー(身体はマルコム)ですが、マルコムにしか知らないことを聞かれて怪しまれ、ピンチに…
とはいえ、マルコムの背格好で、ダグラスほど大柄な相手に執念深く追いまわされれば、結果は見えている。つかまったのはちょうどドアの前だった。ダグラスは猛烈な勢いでキャスパーをゆさぶった。
「そら、さっさと吐け。おまえはどいつだ?マルコムをどこにやった?」
{キャスパーだよ」がくがく首がゆれている状態で可能な限り、はっきりと告げる。
↓結局、ダグラスのせいで、他の兄弟にも入れ替わりがバレます。
「もういい、マルコム。芝居はやめろ」ダグラスが言い渡した。
マルコムに視線をむけられ、キャスパーはいまの顔でできるかぎり、万事休すだと知らせようとした。
↓グウィニーが入れ替わった二人を面白がるところが良かったですね。
この後は、ダグラスに命令されて再び粉末交素を飲んで入れ替わって元に戻ります。
「わあい、ほんとのキャスパーだ!」とさけぶ。「話してるとわかるもん。いったいどうしちゃったのかと思ってたの。とくに部屋を片付けはじめたとき」
今回は、小説の男同士入れ替わり回を1作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!

