今回は、児童書の男女入れ替わりを4作品紹介していきます。
当サイトの情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもございます。電子書籍サイト・動画配信サイトの配信情報は掲載当時のものですので、現在の配信状況については各サイトにてご確認ください。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
とりとりさかなになあれ
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『とりとりさかなになあれ』 著者:山下夕美子 絵:池田龍雄 |
男の子が妹とマジックで入れ替わる。 | 学習研究社 『3年の読み物特集号:学習・科学』 1974年発行 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

留守番中に、妹のミコちゃんにすごいところを見せようとしたヒコ君。
テレビでやっていた取り替えマジックショーの真似をしようと、電話でマジシャンにやり方を聞くことに。
さっそく二人でロッカーに入って「とりとりさかなになあれ」と呪文を唱えると、本当に入れ替わってしまった。
(相互変身で入れ替わっているようです。)
電話に出たマジシャンの男性も、中身が弟子の女性で、取り替えマジックは中身を取り替えるマジックのようです(笑)
男性(中身は女性)の下記のセリフ↓が好きですねw
「きみの言ってるのは先生のことだね。ぼくはでし―つまりとりかえられちゃったほうさ。だからぼくは、ほんとうは女なんだ。あっはっはっ―。」
喋り方が勝手に相手の口調になるタイプで、ヒコ君(身体はミコちゃん)は一人称が「あたし」&ミコちゃん(身体はヒコ君)のことを「おにいちゃん」と呼び、ミコちゃん(身体はヒコ君)は一人称が「ぼく」&ヒコ君(身体はミコちゃん)のことを「ミコ」と呼びます。
ヒコ君がミコちゃんの身体では、いつもの洗面台が高すぎるというシーンが良かったです。
↓口調強制シチュで母親に「私は誰でしょうクイズ」をしても、わかってもらえるはずがなく…
「ねえ、ねえ、おかあさん。見て、ミコだれだかわかる?」
ミコちゃんになったヒコ君は、とくいそうに、お母さんの前に立ちました。
「おかあさん、ぼくも見てよ。ぼくがだれだかわかる?」
ヒコ君のすがたのミコちゃんも、まけずに言ってならびます。
ヒコ君(身体はミコちゃん)が父親に「男同士で信じてね」と言って「お前は女の子だろ」と返されるところも最高ですね。
結局、元通りになることで入れ替わりを信じてもらおうとしても、口調も一人称も変わらないので二人だけの秘密となってしまったのでした。
ねこがわんいぬはにゃん
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ねこがわんいぬはにゃん』 著者:佐藤さとる 絵:しんしょうけん |
お互いに羨ましがった飼い犬と野良猫が神様に入れ替えられる。 | 童心社 絵本・こどものひろば 『ねこがわんいぬはにゃん』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

飼い犬のタロと、野良猫のミドリは、お互いに羨ましいと話していたら、神様が現れて二人を入れ替えてしまった。
初めは二人とも、羨ましがっていた相手になれて喜んでいたのだが…
(目の色も入れ替わっています。)

最初に、「お互いが羨ましい」「自分は大変だ」と話しているシーンでもう興奮してしまいます…(笑)
入れ替わる瞬間を見ていたネズミが心配して声を掛けますが、二人は笑って「困らない」と言い切ります。

ミドリになったタロは、さっそく外に出かけて遊びますが、知り合いの犬に吠えられたり、ご飯にありつけなかったりと酷い目に。
タロになったミドリも、喜んで昼寝を始めますが、退屈で仕方がなかったり、リードをつけての散歩が窮屈だったりと酷い目に。
タロの身体よりも小さな犬に怯えるミドリのシーンに興奮しました。
たった一日で懲りてしまった二人を見た神様は…
こぎつねコンとこだぬきポン
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『こぎつねコンとこだぬきポン』 著者:松野正子 絵:二俣英五郎 |
きつねとたぬきがお互いに化けて入れ替わった。 | ●童心社 童心社の絵本 『こぎつねコンとこだぬきポン』 ●童心社 フォア文庫 『こぎつねコンとこだぬきポン』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

森の中で出会って仲良くなったメスのこぎつね・コンと、オスのこだぬき・ポン。
ある日、二人がお互いに化けて入れ替わって遊んでいると、大急ぎで家に帰らなくてはならなくなった。
コンとポンの両親は、お互いに差別し合っていたのだが…
ということで、戻る時間がなく、入れ替わったまま相手の家に帰った二人。
コンの父親が怪我をしたので、コンに化けたポンはお医者さんを呼びに走ります。
一方、ポンに化けたコンは、ポンの三つ子の弟妹をあやします。
疲れて眠ってしまった二人は、元の姿に戻ってしまい…
コンとポンの両親たちは、お互いのことを見直して仲直り。
最後に、コンとポンがいつの間にか入れ替わっていて、両親たちを騙していたところが最高でした。
ひみつの指輪でワン・ツー・スリー
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ひみつの指輪でワン・ツー・スリー』 著者:浅川じゅん |
小学生女子が指輪の力でクラスメイト・担任教師・捨て犬・母親と入れ替わる。 | 草炎社 『ひみつの指輪でワン・ツー・スリー』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

小学四年生の大木嘉穂(カホ)は、ちょっと小太りな夢見る女の子。
ある日、不思議な金の指輪を拾ったカホは、指輪をつけたままクラスメイトの簗完治(ヤナカン)、担任教師の志久大有三、捨て犬、母親と手を合わせたら入れ替わって大騒動になってしまう。
まずは、カホがクラスメイトの簗完治(ヤナカン)と指輪をつけた手で触れたら、電気が走って入れ替わります。
カホ(身体はヤナカン)が元の自分の身体を客観的に見て、「思ったよりもかわいくない…」と思うところが最高。
目の前のヤナカンちゃんが、スカートをはいた、太った女の子になっていたんだもの……。
↓声や服装が変わったことに焦点が当たっていておいしいです。
「お、おまえ、……おれに、なってるぞ。」
そういう声も、女の子の声だ。
わたし、いつのまにか、ズボンをはいてた。しかも、細い。足がやけに細い!
「やーだー!」
といったけど、自分でしゃべったような気はしなかった。なぜって、声が、ヤナカンちゃんの声だったんだもの。
「あんた、わたしになってるわよ。」
「じょうだんじゃないぜ。」
といいながら、女の子は、心細そうにスカートや自分の太い足をみおろした。
二人は混乱して、通りがかったクラスメイトの香取千子に話しかけますが、不審に思われてしまいました。
仕方なく、二人はお互いの生活を交換することに…
お互いの身体を嫌がって喧嘩するシーンが良かったですw
どうせならイケメンの半田治と入れ替わりたかった…と考えながら、カホはヤナカンの家に帰宅。
ヤナカンの母親に家はどこか尋ねてしまったり、家を通り越したり、一人称わたしで話してしまったり、ヤナカンの兄二人にからかわれたりと、かなりおいしいですね。
カホ(身体はヤナカン)は、「おれ」は恥ずかしいので「ぼく」と言うことにしたようですw

翌日も元に戻っていなかったので、二人は入れ替わった状態で登校。
うっかり精神の席に座って不審がられたり、昨日の家族の様子を聞いたり、ここもおいしい。
カホ(身体はヤナカン)が、クラス中の女子を褒めて、ヤナカン(身体はカホ)が怒るところが最高でしたね。
中身がカホになったヤナカンは、ヤナカン本人よりも話しやすくなり、女子達の評価が上がってしまいました。
その後、再び偶然手が触れ合った二人は、元に戻ります。

次は、授業中にカホと担任教師の志久大有三の手が触れ合って入れ替わります。
先生は、スカートをふしぎそうにめくってる。ばかだね。せんせい。そんなにめくったら、タイツのおしりがまるみえじゃない。
先生になったカホは、先生に成りすましたので、カホになった先生は大混乱w
わたしは、いった。
「カホくん、さっさと席について、漢字練習をしなさい。」
カホのすがたになった先生は、いった。
「なにをいうんです!ぼくは、先生です。」
わたしは、重々しい声でいった。
「カホくん、さっさと席について、漢字を書きなさい。」
先生は、目を白黒させたり、自分のはいてるスカートをなさけなさそうにみおろしたりしていたが、しかたなく、わたしの席についた。
そして、先生になったカホは、強制的に国語の時間を体育に変更。
カホになった先生は、よくわからないまま漢字の練習をさせられます。
ヤナカンが入れ替わりに気付いている様子なのが良いです。
放課後になり、先生の自宅がわからなかったカホは、指輪の力で元に戻ります。

また、帰り道に捨て犬を見つけたカホが、指輪をつけた手で触ったら入れ替わってしまいます。
わたしは箱にはいって、カホちゃんの顔をみあげてたってわけ。
子犬のばけたカホちゃんは、キョトンとした顔でわたしの前足をにぎっていたけど、にこっとわらって手をはなすと、ふらふら歩きだしたの。
カホ(身体は捨て犬)は、逃げ出した捨て犬(身体はカホ)を追いかけようとするも、首が紐で繋がれているせいで身動きが取れません。
捨て犬(身体はカホ)は、車に轢かれそうになったり、電柱に放尿しようとしたり、ヤバいですw
何とか元に戻りますが、電柱に足を上げていた現場をクラスメイトの半田治に見られてしまいました(笑)
さらに家に帰ったカホは、寝ている母親の手に触れて入れ替わります。
(カホになった母親は目を覚ましません。)
母親になったカホは、大事なものが入っているタンスを開けて、記念写真を漁ります。
母親は自分のことを「昔は良い子だった」と言っていましたが、カホにそっくりだったとわかり、カホは紛れもなく母親の子供だと再確認したのでした。
今回は、児童書の男女入れ替わりを4作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!

