今回は、児童書の男女入れ替わりを10作品紹介していきます。
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もくじ
とりとりさかなになあれ
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『とりとりさかなになあれ』 著者:山下夕美子 絵:池田龍雄 | 男の子が妹とマジックで入れ替わる。 | 学習研究社 『3年の読み物特集号:学習・科学』 1974年発行 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
留守番中に、妹のミコちゃんにすごいところを見せようとしたヒコ君。
テレビでやっていた取り替えマジックショーの真似をしようと、電話でマジシャンにやり方を聞くことに。
さっそく二人でロッカーに入って「とりとりさかなになあれ」と呪文を唱えると、本当に入れ替わってしまった。
(相互変身で入れ替わっているようです。)
電話に出たマジシャンの男性も、中身が弟子の女性で、取り替えマジックは中身を取り替えるマジックのようです(笑)
男性(中身は女性)の下記のセリフ↓が好きですねw
「きみの言ってるのは先生のことだね。ぼくはでし―つまりとりかえられちゃったほうさ。だからぼくは、ほんとうは女なんだ。あっはっはっ―。」
喋り方が勝手に相手の口調になるタイプで、ヒコ君(身体はミコちゃん)は一人称が「あたし」&ミコちゃん(身体はヒコ君)のことを「おにいちゃん」と呼び、ミコちゃん(身体はヒコ君)は一人称が「ぼく」&ヒコ君(身体はミコちゃん)のことを「ミコ」と呼びます。
ヒコ君がミコちゃんの身体では、いつもの洗面台が高すぎるというシーンが良かったです。
↓口調強制シチュで母親に「私は誰でしょうクイズ」をしても、わかってもらえるはずがなく…
「ねえ、ねえ、おかあさん。見て、ミコだれだかわかる?」
ミコちゃんになったヒコ君は、とくいそうに、お母さんの前に立ちました。
「おかあさん、ぼくも見てよ。ぼくがだれだかわかる?」
ヒコ君のすがたのミコちゃんも、まけずに言ってならびます。
ヒコ君(身体はミコちゃん)が父親に「男同士で信じてね」と言って「お前は女の子だろ」と返されるところも最高ですね。
結局、元通りになることで入れ替わりを信じてもらおうとしても、口調も一人称も変わらないので二人だけの秘密となってしまったのでした。
ねこがわんいぬはにゃん
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ねこがわんいぬはにゃん』 著者:佐藤さとる 絵:しんしょうけん | お互いに羨ましがった飼い犬と野良猫が神様に入れ替えられる。 | 童心社 絵本・こどものひろば 『ねこがわんいぬはにゃん』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
飼い犬のタロと、野良猫のミドリは、お互いに羨ましいと話していたら、神様が現れて二人を入れ替えてしまった。
初めは二人とも、羨ましがっていた相手になれて喜んでいたのだが…
(目の色も入れ替わっています。)
最初に、「お互いが羨ましい」「自分は大変だ」と話しているシーンでもう興奮してしまいます…(笑)
入れ替わる瞬間を見ていたネズミが心配して声を掛けますが、二人は笑って「困らない」と言い切ります。
ミドリになったタロは、さっそく外に出かけて遊びますが、知り合いの犬に吠えられたり、ご飯にありつけなかったりと酷い目に。
タロになったミドリも、喜んで昼寝を始めますが、退屈で仕方がなかったり、リードをつけての散歩が窮屈だったりと酷い目に。
タロの身体よりも小さな犬に怯えるミドリのシーンに興奮しました。
たった一日で懲りてしまった二人を見た神様は…
こぎつねコンとこだぬきポン
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『こぎつねコンとこだぬきポン』 著者:松野正子 絵:二俣英五郎 | きつねとたぬきがお互いに化けて入れ替わった。 | ●童心社 童心社の絵本 『こぎつねコンとこだぬきポン』 ●童心社 フォア文庫 『こぎつねコンとこだぬきポン』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
森の中で出会って仲良くなったメスのこぎつね・コンと、オスのこだぬき・ポン。
ある日、二人がお互いに化けて入れ替わって遊んでいると、大急ぎで家に帰らなくてはならなくなった。
コンとポンの両親は、お互いに差別し合っていたのだが…
ということで、戻る時間がなく、入れ替わったまま相手の家に帰った二人。
コンの父親が怪我をしたので、コンに化けたポンはお医者さんを呼びに走ります。
一方、ポンに化けたコンは、ポンの三つ子の弟妹をあやします。
疲れて眠ってしまった二人は、元の姿に戻ってしまい…
コンとポンの両親たちは、お互いのことを見直して仲直り。
最後に、コンとポンがいつの間にか入れ替わっていて、両親たちを騙していたところが最高でした。
ひみつの指輪でワン・ツー・スリー
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ひみつの指輪でワン・ツー・スリー』 著者:浅川じゅん | 小学生女子が指輪の力でクラスメイト・担任教師・捨て犬・母親と入れ替わる。 | 草炎社 『ひみつの指輪でワン・ツー・スリー』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学四年生の大木嘉穂(カホ)は、ちょっと小太りな夢見る女の子。
ある日、不思議な金の指輪を拾ったカホは、指輪をつけたままクラスメイトの簗完治(ヤナカン)、担任教師の志久大有三、捨て犬、母親と手を合わせたら入れ替わって大騒動になってしまう。
まずは、カホがクラスメイトの簗完治(ヤナカン)と指輪をつけた手で触れたら、電気が走って入れ替わります。
カホ(身体はヤナカン)が元の自分の身体を客観的に見て、「思ったよりもかわいくない…」と思うところが最高。
目の前のヤナカンちゃんが、スカートをはいた、太った女の子になっていたんだもの……。
↓声や服装が変わったことに焦点が当たっていておいしいです。
「お、おまえ、……おれに、なってるぞ。」
そういう声も、女の子の声だ。
わたし、いつのまにか、ズボンをはいてた。しかも、細い。足がやけに細い!
「やーだー!」
といったけど、自分でしゃべったような気はしなかった。なぜって、声が、ヤナカンちゃんの声だったんだもの。
「あんた、わたしになってるわよ。」
「じょうだんじゃないぜ。」
といいながら、女の子は、心細そうにスカートや自分の太い足をみおろした。
二人は混乱して、通りがかったクラスメイトの香取千子に話しかけますが、不審に思われてしまいました。
仕方なく、二人はお互いの生活を交換することに…
お互いの身体を嫌がって喧嘩するシーンが良かったですw
どうせならイケメンの半田治と入れ替わりたかった…と考えながら、カホはヤナカンの家に帰宅。
ヤナカンの母親に家はどこか尋ねてしまったり、家を通り越したり、一人称わたしで話してしまったり、ヤナカンの兄二人にからかわれたりと、かなりおいしいですね。
カホ(身体はヤナカン)は、「おれ」は恥ずかしいので「ぼく」と言うことにしたようですw
翌日も元に戻っていなかったので、二人は入れ替わった状態で登校。
うっかり精神の席に座って不審がられたり、昨日の家族の様子を聞いたり、ここもおいしい。
カホ(身体はヤナカン)が、クラス中の女子を褒めて、ヤナカン(身体はカホ)が怒るところが最高でしたね。
中身がカホになったヤナカンは、ヤナカン本人よりも話しやすくなり、女子達の評価が上がってしまいました。
その後、再び偶然手が触れ合った二人は、元に戻ります。
次は、授業中にカホと担任教師の志久大有三の手が触れ合って入れ替わります。
先生は、スカートをふしぎそうにめくってる。ばかだね。せんせい。そんなにめくったら、タイツのおしりがまるみえじゃない。
先生になったカホは、先生に成りすましたので、カホになった先生は大混乱w
わたしは、いった。
「カホくん、さっさと席について、漢字練習をしなさい。」
カホのすがたになった先生は、いった。
「なにをいうんです!ぼくは、先生です。」
わたしは、重々しい声でいった。
「カホくん、さっさと席について、漢字を書きなさい。」
先生は、目を白黒させたり、自分のはいてるスカートをなさけなさそうにみおろしたりしていたが、しかたなく、わたしの席についた。
そして、先生になったカホは、強制的に国語の時間を体育に変更。
カホになった先生は、よくわからないまま漢字の練習をさせられます。
ヤナカンが入れ替わりに気付いている様子なのが良いです。
放課後になり、先生の自宅がわからなかったカホは、指輪の力で元に戻ります。
また、帰り道に捨て犬を見つけたカホが、指輪をつけた手で触ったら入れ替わってしまいます。
わたしは箱にはいって、カホちゃんの顔をみあげてたってわけ。
子犬のばけたカホちゃんは、キョトンとした顔でわたしの前足をにぎっていたけど、にこっとわらって手をはなすと、ふらふら歩きだしたの。
カホ(身体は捨て犬)は、逃げ出した捨て犬(身体はカホ)を追いかけようとするも、首が紐で繋がれているせいで身動きが取れません。
捨て犬(身体はカホ)は、車に轢かれそうになったり、電柱に放尿しようとしたり、ヤバいですw
何とか元に戻りますが、電柱に足を上げていた現場をクラスメイトの半田治に見られてしまいました(笑)
さらに家に帰ったカホは、寝ている母親の手に触れて入れ替わります。
(カホになった母親は目を覚ましません。)
母親になったカホは、大事なものが入っているタンスを開けて、記念写真を漁ります。
母親は自分のことを「昔は良い子だった」と言っていましたが、カホにそっくりだったとわかり、カホは紛れもなく母親の子供だと再確認したのでした。
あべこべ物語
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『あべこべ物語』 著者:サトウハチロー | 兄妹がポンポコ玉で変身して入れ替わる。 | ●講談社 青い鳥文庫 『あべこべ物語』 ●講談社 少年少女講談社文庫 『あべこべ物語』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
親戚の家から千葉の中学に通う山上運平が、春休みに小学生の妹・千枝子が住む東京の実家に帰ってきた。
正月の挨拶の時に叔父さんが持ってきた願いを叶えるというポンポコ玉を見つけて、取り合いになった二人は、お互いに相手になりたいと言ったら入れ替わってしまった。
運平になった千枝子は親戚の家に戻ることになり、千枝子になった運平と離れ離れになってしまう。
↓最初のお互いになりたいと話した直後の変身シーンが良かったですね。
変身には少しだけ時間差があります。精神の寝間着を着ている状態になっているのもグッド。
「あーあ、だからぼくは女になりたいというんだ。なにかというとすぐおこられて、つまらないことこのうえなしだ。ああ、千枝子のようになりたい。男はほんとにつまらない。」
「わたしだってそうよ。いつもいじめられてばかりいて、つまらないわ。妹なんかやめてにいさんになりたいわ。わたしがにいさんなら、ほんとにやさしくしてあげるわ。」
二人がこういったとき、みょうにからだがむずむずしてくるような気がしました。運平はなんだかからだがちぢまり、頭が重くなり、千枝子は身体がのびるような気がして、頭がかるくなりました。
「いったい、にいさんはいつも……。」
千枝子は、運平のほうを向いてこういいかけて、おどろいてしまいました。運平はまくらに頭をつけて、足をばたばたやりながら向こうを向いています。その運平の頭に、いつのまにか長いかみの毛がはえているのです。しかもおさげで、おさげどめまでしているのです。
「だって、にいさん!」
そのあとのことばが出ませんでした。こっちを向いたのは運平ではなくて千枝子なのです。いつのまにか顔までかわっているのです。着ていたねまきはもとのままですが、こっちを向いているのは、運平ではなくて、まさしく千枝子です。
「おい、千枝子、おまえは。」
こっちを向いた運平は、千枝子の頭をみてびっくりしてしまいました。いつのまにか、くりくりぼうずになっているのです。いままで千枝子のねていたところにいるのは、千枝子ではなくて運平です。運平はおどろいてしまいました。
「おい、千枝子。なんだ、おまえは。」
最初は、二人は相手が自分に変身したと思い、自分が相手になっていることには気が付かずに面白がります。
二人を起こしに来た母親は、二人の一人称を注意w
↓二人が洗面所の鏡を見て、入れ替わったことに気が付くシーンが好き。
おかあさんにせきたてられて、せんめん所のかがみの前にたった二人は、あっといったきり、どうしていいかわからなくなりました。
「運平」が親戚の家に戻る汽車の時間がもうすぐだったので、千枝子(身体は運平)は代わりに千葉へ行くことに…
ポンポコ玉で叶えた願いを他人に話すと死んでしまうらしく、二人は入れ替わったことを話すことができません。
朝食を取るシーンでも、身体の方の席に座ることに違和感を覚えたり、千枝子(身体は運平)が「運平」として父親から怒られたり、運平(身体は千枝子)が母親から行儀の悪さを注意されたりしておいしいです。
食べる量は精神準拠?のようですw
↓旅立つ準備をしている千枝子(身体は運平)が、お気に入りの人形を抱いて気を紛らわせていたら、父親に怒られて涙を流すシーンはかわいそうでしたw
「こら、運平。なんということだ。男のくせに人形を顔につけて、ばかめ。千枝子の本ばこなどかきまわさず、自分のことをしろ。」
「はい。」
へんじはしたものの、なみだがとめどなくながれてきました。
「なんだ。男のくせになくやつがあるものか。だれだかおまえをよびにきたぞ。ほら、よんでるじゃないか。早くしろ。」
ということで、千枝子(身体は運平)は友達の福田秀男と千葉へ向かいます。
二人とも相手になりきる気はあまりなく、入れ替わったことを忘れたような言動を多々します。
運平(身体は千枝子)は、いつものノリで秀男に絡み、「乱暴な妹」だと思われてしまいました。
千枝子(身体は運平)は、家の場所がわからなくて秀男に訝しがられたり、英語の授業がわからなかったり、女っぽいとからかわれたり、野球を強要されたり、同級生にいじめられたり、酷い目に…
運平(身体は千枝子)は、「千枝子」として家事の手伝いをさせられたり、おつかいに出かけた先で千枝子の友達に絡まれたり、裁縫の授業で先生に当てられたり、千枝子の友達と人形やお手玉で遊ぶことになったり、少女クラブを読む羽目になったりと酷い目に…
細かいですが、「運平」に懐いている親戚の飼い犬のムクが、千枝子(身体は運平)に懐かず、運平(身体は千枝子)に懐くシーンがお気に入りですw
↓運平(身体は千枝子)が着物を嫌がるシーンが良かったですね。
それに、こんな着物を着せられて、いやになっちゃうな。つばきの花のついている、赤いぺらぺらした着物を着るなんて。たびだって白たび。しゃくにさわるから、どぶへ足をつっこんだら、おかあさんから、きのう、うんとお目玉。
↓相変わらず、運平(身体は千枝子)は母親からお行儀を注意されます。
女の子として扱われる運平(身体は千枝子)が最高。
「千枝子さん、何度おなじことをいうのです。へんだと自分でわかっているなら、あらためなさい。これがへんでなくてどうしましょう。なんです、あなたのしていることは。つくえの上に足をのっけて、ねころんだりして、女の子がそんなおぎょうぎでどうします。大きくなってもだれもおよめにもらい手はありませんよ。」
「いいんです。家をつぐんですから。」
「なんですって、おまえはにいさんがあるのをわすれたんですか。まあいい、まあいい。晩に、ようくいいきかせてあげます。さあ、おつかいにいってらっしゃい。」
運平はたちあがりました。
「千枝子さん、あなたがこしにぶらさげているものはなあに?」
大きなタオルをおびにはさんで、ぶらりぶらりとさせています。
「あの、手をふいたりなにかするために。」
「そのために、ハンカチをあげてあるでしょう。そんな大きなタオルをぶらさげたりして、みっともないじゃありませんか。」
↓男の子みたいに英語の知識があり、男の子みたいに犬の喧嘩を応援する運平(身体は千枝子)は、三河屋の三吉に気に入られますw
三河屋の三吉に対しては、素で話せる運平(身体は千枝子)が良いです。
最近の千枝子(中身は運平)について、母親は否定的ですが、父親は意外と好意的に捉えているようです。
「ひきょうだ。よわいものいじめはひきょうだ。」
それが、かわいいおさげのおじょうさんがさけんでいると知って、車屋一家はどぎまぎしてしまいました。
「おじょうさんは、ことばはらんぼうだけど、勇気があって、やさしくて、いい人ですね。わたしは、あなたのにいさんの運平さんにはときどきいじめられましたが、きょうだいでもこんなにちがうものかな。」
三河屋のこぞうさんは、しみじみとした調子でいいました。運平は、ほめられているのも自分なら、けなされているのも自分なので、どうへんじしていいかわからなくなりました。
↓運平(身体は千枝子)が朝に身嗜みを整えるシーンも、面倒さや嫌がる様子が出ていて最高でした。
鏡を見て、千枝子が映る…というところも好き。
女になってしまった運平にとって、なによりつらいのは、朝です。男でいたときには、シャツをすっとこかぶりに着て、ズボンをはいて、うわぎをつけて、ぼうしを頭にちょこんとのっければ、それで、「いってまいります。」ということになっていたものですが、女になると、そうはいきません。
通学服を着るのだって、ひととおりやふたとおりの手数ではありません。コンビネーションとかいう、シャツとももひきとがつづいたようなものを着て、その上に、うすい毛糸の下着、それがまた赤い色なのです。その赤い色が、運平はなによりいやなのです。
それから、スカート、うわぎです。そのスカートがまた、ただスカートといえばいいものを、かたからつるのは、ジャンパースカートとかいう名なのです。ジャムパンならうれしいけど、ジャンパーはちっともうれしくありません。長い長いくつしたをはかせられて、おまけにパチンととめて、それでもういいのかと思うと、かみをとかさなければなりません。
音楽の時間に中学校の校歌を歌った運平(身体は千枝子)は、保健室に連れて行かれてしまいましたw
そしてとうとう、運平(身体は千枝子)は女の子の生活が窮屈すぎて泣き出してしまいます。
↓入れ替わり生活に我慢の限界を迎えた二人が手紙のやりとりをする場面も、面白くて良かったですね。
運平(身体は千枝子)は、大学へ行って野球をやりたいと言い、頭がおかしくなったということで、病院に連れて行かれることになりました。
――運平から千枝子への手紙――
親愛なる妹であり、いまは兄のすがたになっている千枝子へ。
これでおわるが、上書きを書くとき、ぼくは自分の名あてに手紙を出すことになるのかなと思うと、かなしくなる。とにかく、あしただ。
兄であって妹になってしまった、かなしき運命の運平より
そして、「運平」の野球の県下大会当日に…
精神が弱ってしまったということで、気分転換に千葉へ来ていた運平(身体は千枝子)は、ピンチの千枝子(身体は運平)に代わって、頭を丸刈りにして試合に出場。
運平と千枝子はそっくりなので、背が少し小さくなったと思われた程度で、特に問題は起こらず、運平(身体は千枝子)は大活躍(笑)
最後は、東京に戻ってきた二人が三吉に入れ替わったことを話して、ポンポコ玉を破壊しようとしたら、二人は永遠の眠りについてしまい…
そして、二人は元通りに戻って目覚めます。夢落ちです。
入れかわり物語
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『入れかわり物語』 著者:鹿山雅司 | 主人公が入れ替わり能力を持っていた。 | 日本図書刊行会 『入れかわり物語』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
スケベな中学生の伊原洋は、他人と自由に入れ替われる能力を持っていた。
洋は能力を使って、妹の知美の友達・草原里美と入れ替わって女の子生活を満喫していた。
次々と新しい能力に目覚めた洋は、事故で死んでしまった里美の家族を生き返らせようとするが…
↓冒頭から、洋は少女漫画を買いたいという理由で、一方的に里美と入れ替わっています(笑)
洋の顔はそこそこ良いようです。
「ああでもこの体、とても小学五年生とは思えないよなあ。前からいいと思ってたけど、この広い世界で、こんな体験できるのは俺だけだもんね。う~ん最高」
里美(身体は洋)は洋の身体を嫌がりますが、洋(身体は里美)の提案を受け入れてしばらくこのままでいることに。
↓二人とも身体の記憶を読むことができるので、純粋に相手に成りすまして楽しめるようです。
「心配しなくても大丈夫だよ。違うのは、中身だけ、そう魂だけだ。その他は全く、変わらないんだ。もちろん頭の中身もね。だから、よく考えてみて、中学生の勉強もわかるはずだよ」
草原里美になった俺は、そう言って俺になった草原里美を見た。
「考えてみてっていわれても…う~ん。え~っと…あ、わかる。すごい、何で?私、中学生の勉強なんて習ってないのに」
俺になった草原里美は、びっくりした表情で、
「あ、待って知美ちゃんのお兄ちゃんの部屋の中とかもわかる」
と、言って草原里美になった俺の方を見たが、その表情はさっきまでと違ってうれしそうだ。
↓さっそく相手の演技をして別れる二人がツボを押さえています。
「じゃ、お互いの家にもどろう。そろそろ暗くなってきたから。あ、明日の朝五時頃、この場所で会おう。学校に行く前に一度会っとかないと、何か俺も心配だから、それじゃね。…あ、そうそうしゃべり方に注意してよね、特に学校に居る時は、それじゃ、バイバイ。知美ちゃんのお兄ちゃん」
草原里美になった俺が、こう言って手を振ると、
「わかったわ。それじゃ明日の朝五時にこの場所で会いましょう。…え~と、それじゃバイバイ里美ちゃん、あ、何かすごく照れちゃう」
俺になった草原里美は、照れながらそう言うと、俺の家の方へ走って行った。
「さて、俺も、草原さん家へ行くか」
里美の家に帰った洋(身体は里美)は、さっそく里美の母親に怪しまれてしまいます。
↓しかし、ピンチに陥った洋(身体は里美)は急に催眠能力に目覚め、里美の母親に催眠術をかけて洗脳してしまいました。
「え?あれ?お~い、どうしたの。うそ、本当にかかっちゃったの。そうだ。かかってなきゃ絶対やらない事をやらせてみるか。…え~っと、それじゃ、里美ちゃんのお母さん、今すぐ素裸になって…とりあえず、う~~んっと、コマネチ三連発やって下さい」
草原里美になった俺がそう言うと、何と、草原さん家のおばさんが急に服等を脱ぎはじめたではないか、ゆっくりとした動きだが、草原さん家のおばさんは本当に素裸になってしまった。しかも本当にコマネチ三連発までやっている。
↓コマネチ三連発を終えた里美の母親は、催眠術を解かれて狼狽しますが、もう一度催眠術にかけられて洋(身体は里美)と一緒にお風呂に入らされてしまいました。
洋の能力がデメリットが一つもない最強能力ばかりでエグいです(笑)
「よっしゃあ。この時を一番待ってたぜ。あ、里美ちゃんのお母さんも一緒に風呂はいりましょう」
草原里美になった俺がこう言うと、
「…はい…」
と、催眠術にかかった草原さん家のおばさんは答え、風呂場に向かって歩きはじめた。
「ああ。幸福っす。里美ちゃんと里美ちゃんのお母さん、二人の裸姿が一度に見れるなんて、男としてこれ以上の幸福があるでしょうか?って今、俺、女なんだよねえ、つくづく自分の能力って最高っ!!…そういれば、俺になった里美ちゃんの方はどうしたかな?今頃初めて見る男の裸体に、興奮してっかなあ?しかし、これが小五の体かい。信じらんないよ」
↓里美(身体は洋)の方は、お風呂で自慰行為をしていたようです。本当に児童書…?(笑)
「いやあ!?何これえ。この下半身についてるやつ。何でこんなでかくなってるの?不思議な物だわ。女の子にはこんなのついてないし。でも考えてみると、何で女の子には、こういうのついてないんだろう。しかも毛深いし、ああ…何、さわってたら気持ちよくなってきた。やだ。私どうしちゃったんだろう。え?何?…いやあ!?変な白い液体がでてきた!?…う、しかも臭い。何なのこれ?やっぱり男の子の体って不思議だわ」
俺になった草原里美は、さっきから、男だけについている物を、めずらしそうにいじくっていた。小学五年生の女の子には、少々刺激的だったか?草原里美になった俺の想像した通り、かなり興奮していた。
実は洋の家族は異世界?の住人で、洋には死んだ兄・洋次がいたようです。
洋次は洋の頭に直接話しかけて、色々と忠告や助言をしてくれます。
↓ちなみに、洋(身体は里美)は、「里美」の記憶は読めますが、「洋」の記憶は読めないようです。
「誰だ。一体あんたは…まさか?そうなのか?あんた…いや、洋次兄さんなのか?」
草原里美になった俺がこう言うと、
《その通り。俺に関する記憶は、すべて消したはずなのに、よく覚えていたな》
「ゴメン。完全には覚えていないんだ。思いだそうとしても今のこの体じゃ…草原里美に関する記憶しかうかんでこないし…。でも、名前だけはなぜか思いだしたんだ」
(中略)
「兄さん…。兄さんがどうして死んでしまったのか、この体じゃ、それを思いだす事はできないけど…。それよりも、こうして、俺達の事を想ってくれているのが…、すごくうれしいです。本当にありがとう。兄さん」
洋の妹の知美は、洋の中身が里美だと見抜きます。知美は変身能力を持っているらしい…
↓里美(身体は洋)の方も、記憶ネタがありました。
「…使えないわ。里美ちゃん、今、里美ちゃんはお兄ちゃんの体になってるんだから、考えれば頭に浮かんでくるはずよ。今のお父さんとお母さんが、本当のお父さんとお母さんじゃない事が…」
知美は、身体は洋でも中身は里美だからと、里美(身体は洋)と見た目的には兄妹で一緒に寝るのでした。
↓わざわざ描写するところが、わかっている感があります(笑)
しかし、外から見たら、男と女が一緒に寝てるわけだし、両親が見たら、やばいのでは、いくら兄妹でも――と、知美は考えながらも、親友である里美の悲しい気持ちを察すると、ま、いいかっと、思っていた。
「洋の身体」はすぐに疲れてしまうようですが、「里美の身体」は寝ればすぐに回復するようです。
体質の違いで二人が戸惑う描写がおいしいですね。↓髭剃りネタもありました。
他にも美味しい描写が多くありますが、書き切れないので割愛です。
女の子は男と違って、ひげを剃る必要がないから楽だ。このひげ剃りが、案外時間がかかる。今頃俺になった草原里美は、このひげ剃りに苦労してるかもしれない。
↓洋(身体は里美)は好き勝手に入れ替われるので、「次はこいつと入れ替わろう」みたいなことを軽々と口にしていて最高ですw
色々と口出しをしてくる妹の知美にも、「お前の身体で恥ずかしいことをしてやる」と脅します。
怪しんできた女子生徒に催眠術もかけていましたし、洋はマジでやりたい放題です(笑)
(高口さんの体もいいなあ。里美ちゃんの身体に飽きたら、入れかわろうかな)
「分かったって。うるさいな。あんまりうるさいと、お前と入れかわって、お前の体で恥ずかしい事やっちゃうぞ」
(中略)
「そうだな…、朝礼の時、素っ裸になって校長が話してる時、乱入し、みんなの前で踊るってのはどう」
と、草原里美になった俺が、ニヤニヤしながら言うと、知美は、顔を赤らめて、
「この…スケベ!!」
と、言って草原里美になった俺の、頬っぺたにおもいっきりビンタをした。
この後、洋(身体は里美)は、女子更衣室に入ってピンチになった里美(身体は洋)を助けるために、同級生の安口さんの母親と入れ替わります。(洋→母親→里美の入れ替わり。)
↓用事があっただろうに、無理やり幽体離脱させられて身体を奪われる安口さん家のおばさんがかわいそうです。
ちなみに、里美ボディになったおばさんは、狼狽えていたところを速攻で催眠術にかけられ、里美として生活させられます。
「体、貸してもらいますよ」
草原里美になった俺がこう言うと、
「え?何を言ってるの?里美ちゃん」
と、安口さん家のおばさんは、不思議そうな顔をしながら言ってきた。
「体入れかえの術!!」
草原里美になった俺がこう言うと、俺の魂が草原里美の体からでて、安口さん家のおばさんの体のなかに入り、同時に、安口さん家のおばさんの体から、安口さん家のおばさんの魂が出て、草原里美の体の中に入った。
「入れかえ完了。お、結構いい体。…んじゃ、ちょっと体借りるね」
(中略)
「さて、車の運転なんて初めてだけど、体が全部覚えているから安心だね。…えっと、まずドア開けて、う~んと、あ、ここにカギ入れてっと」
クラス中に集団催眠術をかけることで「洋が女子更衣室に入った失態」をなかったことにした洋(身体はおばさん)は、また入れ替えの術を使って洋⇔里美の入れ替わり状態に戻ります。
そしてタイムスリップ能力に目覚めた洋は、元の洋の身体に戻って、事故で死んでしまった里美の家族を救うために過去へ。
↓過去へやってきた洋は、憑依能力で里美の母親に乗り移り、事故を防ぐのでした。
「よしっ。それじゃとりあえず、里美ちゃんのお母さんの体を借りるか。精神集中!!…体、のり移りの術!!」
ス~ッと変な感じになり、気づくと、俺は草原さん家のおばさんになっていた。
(中略)
「…え~っ?どういう事これ…って、俺の声じゃん。どうして?里美ちゃんのお母さんの声じゃないの?」
草原さん家のおばさんの体にのり移った俺は、姿等は、草原さん家のおばさんなのに、声が俺――つまり、伊原洋のままなので驚いた。
「どうしよう。これじゃしゃべれないよ」
俺は少しウンウンと喉をならして見た。
「どうかな。ア~ッ、ア~ッ…お、でたでた里美ちゃんのお母さんの声が、よし、こんなのんびりしてる暇ないんだっけ。急がなきゃ」
↓他にも、憑依能力でトイレ中の担任の女性教師・長口先生に乗り移る場面がありました。
憑依すると声は精神準拠になりますが、練習で身体準拠にできるようです。
長口先生の身体で知美に声を掛ける洋のシーンが好きですねw
俺がそう言うと、俺の体が、トイレの個室の板をすりぬけて、隣にいた人の体にのり移った。
「ん?あっ、小便中だったんだ。しまった。はみだした」
俺は、小便が終わり、鏡のある所まで行って、自分が誰の体にのり移ったか分かった。
「服装枯らして、先生だなとは思ったけど、よかったあ、知美のクラスの担任じゃん。まだ若いよね。たしか…そう。二十六だ。結構俺好みかも…あ、そうだ。声、変えないと」
「あ、え~っと、伊原さん――知美ちゃん、ちょっと」
長口先生の体にのり移った俺は、そう言って、手招きをした。
「はい。何ですか?」
そう言って知美が、こっちに来た。
「知美。まだ分からない?」
長口先生の体にのり移った俺が、ニヤニヤしながらこう言うと、知美は、はっとして、
「もしかして…お兄ちゃん!?」
と、言った。
色々あって、里美が殺人鬼に殺されてしまうことがわかり、洋は里美を助けて命を落とします。
洋は、死ぬ間際に里美の姉・美緒に乗り移って最後の言葉を伝えます。
《チャンスだ》
俺は、美緒さんの体にのり移った。
「うっ!?」
美緒さんは、そう言って、首をかくっと下に向けた。
「ど、どうしたの?お姉ちゃん」
いきなりの出来事に、里美ちゃん達も驚いている。
「…知美。里美ちゃん」
美緒さんにのり移った俺は、そう言って、ゆっくりと顔を上げた。
「ま、まさか…お兄ちゃん!?」
(中略)
「…うれしい。たとえ、お姉ちゃんの姿と声でも、また、こうして洋さんと話せるなんて…」
さらに色々あって、里美が車に撥ねられて死にそうになってしまいます。
知美は洋から受け継いだ入れ替わり能力で里美と入れ替わり…
「…里美ちゃん。…私の、私の体をあげる。かならず、あなたを死なせないわ。…お兄ちゃん私…、里美ちゃんの変わりに…」
(中略)
「体入れかえの術!!」
私がそう叫ぶと、私の魂が死にかけている里美ちゃんの体にはいり、私の体に里美ちゃんの魂がはいった。
「…あれ?私…。どうしたのかしら?」
私になった里美ちゃんが、そう言って不思議そうな顔をしている。
「え?何で私が…まさか。知美ちゃん!!」
(中略)
「さ…里美ちゃ…ん。…ご、ゴメンね。あなたを…し、死なせない…ようにするには、こ、こうするしか…なかったの…」
↓何とか知美(身体は里美)は一命をとりとめ、洋は若いナースに憑依して一旦この世に戻ってきます。
「私…生きているの?」
私がこう言うと、その看護婦さんは笑顔で、
「もちろんさ。知美。よくがんばったな。里美ちゃんを救うために、自分の体と入れかえるなんて…」
と、言った。私は驚いて、
「え?看護婦さん。どうしてその事を知ってるの!?…ま、まさか…洋お兄ちゃん!?」
↓知美の能力では、早く戻らないと完全に身体の記憶に呑まれてしまうようです。
知美は兄の洋ラブのブラコン妹で、兄と結婚できる里美の身体を逃したがりません。
「(前略)それと、もう一つ、今のお前じゃ、完全に体入れかえの術が使えない。せいぜい十時間が限度だ。それを越えると、心身ともにお前は里美ちゃんになってしまう。もちろん。里美ちゃんも、心身ともにお前に――伊原知美になってしまう。それより前に元に戻らないといけないんだ」
私は、その話を聞き、おもわず、こう言ってしまった。
「私…もどりたくない。このままでいれば、私、完全に里美ちゃんになれるんでしょう。そうすれば、お兄ちゃんと結婚できるもん」
最後は、元に戻ってハッピーエンド。憑依を解かれたナースが困惑するシーン有り。
洋は、知美に魂抜き取りの術と部分入れかえの術、里美にはタイムスリップ術を教えて去って行くのでした。
おまけとして、著者が高校三年生の時に描いた「入れかわり物語」も載っています。
身体の感情に流されるシーンが多く、著者の性癖全開となっています。
↓林間学校でクラスの藤山真理と入れ替わった洋は、真理の身体で洋を褒めたり、女風呂に入ったりとやりたい放題。
「どうしたの真理。はやく脱ぎなよ」
と、言ってきた。藤山真理になった俺は、慣れた手つきでジャージを脱いだりして裸になった。もう、何年もいろいろな女性と入れかわっているため、着替えもはやくできるようになったのだ。…とはいえ、やはり、緊張する。まわりの女子達は、平気でさっさと裸になっているが、俺の方は外見は藤山真理という女子だが中身は伊原洋という立派な男なのだからドキドキしてしまうのも当然であろう。
(中略)
「ち、ちょっと真理ったらどうしたの?鼻血でてるわよ。それになんでニヤニヤしてるの?何かいい事でもあったの?」
↓「真理が洋に宛てたラブレター」を読んだ洋(身体は真理)は、元の自分のことが好きになってしまいます。
この手紙を読むうちに俺は、俺に対する…つまり伊原洋に対する恋心を抱きはじめていたのだ。
「ああ、もう、何考えてんだ私は。…いや俺は…もしかすると体だけでなく心までも女の子に…いやいや、今までこんな事はなかったはずだ。」
真理(身体は洋)の方は、催眠術で洋だと思い込まされています。
↓洋(身体は真理)は、元の自分に声を掛けられてドキドキしてしまい…
女子トイレイベントもありました。
「藤山さん。そこは男子トイレだよ」
そう言われ、ビックリして振り向くと、そこに居たのは、俺になった藤山真理だった。自分の姿と声がものすごくなつかしく感じた。
「あら、まちがえちゃったみたい」
藤山真理になった俺は、わざとらしくそう言って女子のトイレに行った。
女子トイレの中、藤山真理になった俺は、なぜか顔が赤くなって、胸がドキドキしていた。
「何でだろう。どうしてこんなにドキドキするんだ」
(中略)
藤山真理になった俺は、そうつぶやきながら、ジャージのズボンを脱ぎ、パンツも脱いだ。女の子のおしっこのやり方は、男の子のそれとはまるっきりちがう。
色々あって、実は真理の中身は過去の洋で、洋は林間学校の前日に真理と入れ替わり、さらに林間学校当日に未来の洋に入れ替えられた?みたいです。ややこしい…
↓洋(身体は真理)は、どんどん精神女性化が進んでいきます。
「そういえば…そうだよ。入れかわったんだよ。なんだかなあ。私もぼけてきちゃったのかしら……。って、どうして女言葉になっちゃうの。中身は男だったんだから女になるわけが…。そうか、中身はこの時代の私だけど使っている体自体は藤山真理本人のものだから。だからどんどん女らしくなってきてるのね」
↓そして、元に戻った洋は村松先生♀に憑依していたら、中口先生♂にキス&告白されてしまいます。
村松先生の身体のせいで、ぽーっとしてしまう洋のシーンが良かったです。
憑依を解かれた村松先生が困惑するシーンもありました。
「初美。俺と結婚してくれ。俺には、もうお前しかいないんだ」
(中略)
まだ唇に残る感触。胸がドキドキしてる。顔も何かあたたかい。
(中略)
「初美。俺はかならずお前を幸せにする。…だから、俺と、俺と結婚してくれ!!」
中口先生のダメ押しの一言を聞いて、村松先生の体にのりうつった俺は、
「…はい。こんな自分でよければ、喜んで、あなたの妻に…なります」
と言ってしまった。
「中口先生…?私、なんとなく記憶にあるような…。何かすごく大事な事を言われたきがする。なぜか、胸がドキドキする…」
↓そして、事故で死ぬ運命の原口恵子を救うために、洋はタイムスリップして過去の恵子と入れ替わります。
十年後、恵子と結ばれた洋は、まだ入れ替わり能力で遊んでいるようです。
展開は色々と急でしたが、入れ替わり描写はおいしいのでオススメです。
「原口さん。俺と入れかわってくれるか?」
俺がそう言うと、原口さんは、
「え?ええあなたがそう言うなら…。私も男の子の体に興味あるし」
と、言って俺を見た。俺は体入れかえの術で、原口さんと自分の体を入れかえた。
「へえ。これが男の子の体ね。ねえ。この下半身についてるの、邪魔じゃない。何か歩きづらいっていうか何ていうか」
俺になった原口さんは、そう言いながら、あそこをいじっている。
新人マネージャーの私がアイドルに!?
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『新人マネージャーの私がアイドルに!?』 著者:桜川ハル | 女性マネージャーが男性アイドルとぶつかって入れ替わる。 | PHP研究所 『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
新人マネージャーの市村芽衣は、我儘放題のアイドル・浅海誠也に手を焼いていた。
ある日、芽衣はステージから落下した誠也とぶつかって入れ替わってしまう。
仕方なく、芽衣は誠也としてコンサートに出ることになった。
アイドルグループ・セブンプラネットのメンバーは入れ替わりを信じてくれ、協力してくれることに。
誠也(身体は芽衣)の方がコンサート中止を嫌がって、芽衣(身体は誠也)が渋々練習する感じですね。
あれ……声がおかしい。私のものじゃない声がして、喉元に手をあて、自分の体を見る。
見覚えのあるレッスン着、これは誠也のものだ。
キョロキョロと視線を動かすとすぐそばに、自分が横たわっていた。
「ええええええ」
私の、正確にいえば誠也の声で絶叫がドームに響いた。
↓身体が動かしやすいという描写が良かったです。
コンサート本番でまたぶつかって元に戻ります。
何度も聞いた曲に何度も見てきた振りつけ。ある程度はできるはず。
セブプラ最大のヒット曲を口ずさみながら体を動かす。
おお……すごい。自分の体とは全然ちがう。細く見えるけれどふだんから筋トレできたえられている体は動きが軽い。われながらうまくできたんじゃない?と思ったのだけれど……。見まわすとみんなが頭をかかえていた。
秀才クンの好きなもの
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『秀才クンの好きなもの』 著者:ココロ直 | 同じクラスの男女が入れ替わる。 | PHP研究所 『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学六年生の矢田未海がテストの成績で悩んで神社の石段に座っていると、同じクラスの秀才・遠野学人が通りがかった。
未海が励ます学人に「代わって欲しい」と叫んだら、願いが叶って二人は入れ替わってしまった。
すぐには元に戻れず、二人はしばらく入れ替わったまま過ごすことに…
二人は隣の席で情報交換はすぐにできますが、学人(身体は未海)は未海の女子グループから仲を詮索されているようです。
未海(身体は学人)は、両親が忙しく家に帰ってこない学人の家庭にカルチャーショックを受けつつも、自由な生活を楽しみます。
↓勉強の能力が身体準拠なのが良かったです。
学人(身体は未海)は、「未海」にしては良い点を取りますが、「学人」にしては悪い点で落ち込みます。
元が学人くんの脳だからなのか、授業で先生にあてられてもなぜか問題の答えを思い出すことができて、スラスラと答えられる。塾で習ったからじゃないか、って学人くんは言ってた。
逆に学人くんは、自分が勉強したはずのことを思い出せなくて困惑しているみたいだ。授業であてられても答えられなかった時は、隣から小声で教えたこともある。これまで経験したことのない優越感だった。
今日またテストが返ってきたんだけど、暗記科目の社会だったからか、わたしは満点。学人くんはテスト前に勉強し直したのに八十点で、落ち込んでいた。
入れ替わり生活に慣れなかった学人(身体は未海)ですが、後半からは楽しみ始めます。
「未海」の演技をするのをやめ、女子グループと距離を置き、嫌われている橘葉菜と仲良くするようになりました。
↓学人(身体は未海)は葉菜と趣味が合うようで、元に戻りたくなくなってしまいます。
未海(身体は学人)の方も、元に戻りたいとは思わないようです。
「正直に言えば……オレは今の生活が、楽しい。こんなに楽しいことがあっていいのかとすら思う」
「どういうこと?」
「おまえのお母さんは、何か手伝いをしたり勉強をしているところを見かけると、必ずほめてくれる。おまえの五歳の弟は、おまえのことをよく好いていて、素直でかわいい。それから……欲しかった友だちもできた」
「……」
「このまま戻れなくてもいいと、心のどこかでは思ってしまっている。……すまない」
しかし、未海(身体は学人)の方が、エリート一家の学人の生活が嫌になってきてしまいます。
散らかった部屋、悪くなった成績、ついていけない塾…すべて学人の両親に怒られてしまいました。
入れ替わった二人とも反省して、元に戻ります。
↓元に戻ってから周囲の人間関係が変わっている描写が好きです。
最後は未海、学人、葉菜の三人が仲良くなってハッピーエンドでした。
わたしも、元の家に帰った。
お母さんは見たこともないくらい機嫌がよくて、お父さんはお母さんに「もう、何回言うのよ」と言われながらわたしのテストの点数をほめてくれて、弟はますますわたしに懐いていて知らない昆虫の本を広げて「一緒に見よう」と抱きついてきた。部屋もきれいにかたづいていて、机の上には勉強したノートが広げられていた。元に戻ってホッとしたことよりも、ここに学人くんの残したものがいっぱいあることがさびしい、そんな気持ちになった。
標準語ボーイ×関西弁ガール
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『標準語ボーイ×関西弁ガール』 著者:桜川ハル | 陰キャ男子が関西弁女子とぶつかって入れ替わる。 | PHP研究所 『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
高校生になったばかりの坂中良太は入学式に向かう途中、自転車に乗っていた沢井美月とぶつかって入れ替わってしまう。
陰キャの良太に対し、関西出身で明るい美月は、良太の身体で人気者になってしまい…
↓美月の身体はとてもかわいいようです。
良太は女の子と話した経験は両手で数えられる程度の大人しい男の子です。
「ほら、見てみ?」
差し出された鏡をのぞくと、正真正銘女の子が映っていた。あごのラインで切りそろえられたショートボブ。クルンとした大きな目に、小ぶりな鼻と口。
ま……まぁまぁかな。嘘。かなりかわいい。僕がぜったいに話しかけられないタイプだ。
↓良太と美月は偶然同じクラスで、能天気な美月(身体は良太)の提案で、良太(身体は美月)は仕方なく入れ替わり生活を送ることに。
二人とも入学式の日に入れ替わった形で、誰も元の性格を知る人はいないため、全く怪しまれずにクラスメイトたちに認識されます。
そういうわけで、僕は沢井美月という女の子の姿で高校生活を送ることになってしまった。
↓美月(身体は良太)は良太になり切る気は全くなく、良太を「明るい関西弁ボーイキャラ」でモテモテにしてしまいました。
勝手に眉毛を整えたり、髪の毛を染めたりする美月(身体は良太)が最高です。
元に戻ったときのことを考える良太(身体は美月)は心配でたまりませんw
女子はというと、「もーやだー」なんて言いながらパシンと僕の肩を叩いていた。
なんというか……圧倒的陽キャ感。あれは……だれなんだ……?僕なのか……?
↓クラスメイトの目を気にして、元の自分を身体の名前で呼ぶシチュがおいしいです。
「さ……坂中くん……ちょ……ちょっと……来て」
沢井美月の腕を引っ張った。僕の姿をした彼女はおとなしく従う。するとクラスメイトたちがひやかした。
「お、いきなり告白?」
「そうかもー。行ってくるわ」
どこまでも調子に乗る沢井美月。僕は彼女の手を引いて、人気のない廊下の隅まで連れていった。
他の女子から告白されそうになった美月(身体は良太)を止めようとして、良太(身体は美月)は階段から落ちて元に戻ります。
元に戻った良太はつまらないと女子たちに幻滅されますが、美月とは仲良くなったのでした。
まちがいだらけの告白
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『まちがいだらけの告白』 著者:桜川ハル | 男子中学生が親友の好きな女の子と入れ替わる。 | PHP研究所 『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
中学二年生の木田奏多は、親友の柳沢陸が片思いしている小池里奈と突然入れ替わってしまう。
その日はちょうど、陸が奏多を里奈に見立てて、告白の練習をする予定で…
突然視界が歪んで、奏多は保健室で休んでいる里奈と入れ替わってしまいました。
↓声ネタが良かったです。
「あ、はい。大丈夫です」
そう返事をして、あわてて喉に手をやる。
(なんだ今の声?)
女子のような高い声。ちょっと前に声変わりをした自分の声じゃなかった。
「小池さん、ご両親ともお仕事で迎えに来られないのよね?どうする?ひとりで帰れる?」
(はっ?小池?今、俺のこと小池って言った?)
おいおい。先生、いくらなんでも俺を小池さんとまちがうなよ。
そう心の中でつっこみつつも体に違和感を覚える。体を起こし、バッと布団をめくった。
(この制服、女子のじゃん!てか、体!)
自分より小さいのは一目瞭然。
↓鏡を確認しようとして、どちらのトイレに入ろうか悩むシーンもおいしいです。
入れ替わりは、陸のことが好きな里奈が、好きな人に告白されるおまじないをしたから起こったようです。
男用か女用、どちらに入ればいいのか。行ったり来たりしながら迷ったあげく、女子トイレに入ることにした。
なんとも言えない罪悪感をかかえつつも、入ってすぐにある手洗い場へと向かう。
どうか何かのまちがいであってくれ、祈るような気持ちで鏡を見る。
しかし、陸が里奈への告白を奏多相手に練習する直前というややこしい状況…(笑)
↓奏多(身体は里奈)が里奈(身体は奏多)に接触するシーンが好きですね。
入れ替わりは元に戻ったものの、里奈は「奏多と陸が両想い」だと勘違いし、奏多をライバル認定するのでした(笑)
「あの……木田くん?先生が呼んでるよ?」
「えっ、あ、うん」
奏多の姿をした小池さんは素直に応じた。
今回は、児童書の男女入れ替わりを10作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!