男女入れ替わり

小説の男女入れ替わり③【4作品】

男女入れ替わり2

今回は、小説の男女入れ替わりを4作品紹介していきます。

 

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堕神綺譚 まどろむ神の章

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『堕神綺譚 まどろむ神の章』
著者:前田珠子
ブラコンの妹が魔王に兄と入れ替えてもらう。 角川書店
新書版ハードカバー・シリーズ
『堕神綺譚 まどろむ神の章』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

第2話「囚人の紡ぐ夢」が男女入れ替わり。

 

カーリューン帝国の皇太子(兄)・ラーディンリルと皇女(妹)・リーリュンは、父親である皇帝が暗殺され、周囲に政治の道具にされてしまう。

ラーディンリルは政治の駒として使われる日々を送っていたのだが、ある日リーリュンは何者かに殺害されてしまう。

数年後、リーリュンと思われる女性が見つかったのだが…

 

リーリュンは森の中で偶然出会った魔王に願いを叶えてもらうことになりました。

入れ替わるのは終盤で、魔王とリーリュンが会話をして入れ替えてもらうのが118ページの「恋――未来を閉ざす唯一の禁忌」から。

 

ラーディンリルとリーリュンは、お互いに血を分けた兄妹以上の感情を抱いています。

気持ちを抑えきれないリーリュンに対し、ラーディンリルは妹だからと思って遠慮している常識人です。

堕神綺譚 まどろむ神の章 (3)

↓二人のおかしな会話からの、実は二人は入れ替わっていましたというパターンなので、地の文で肉体名呼びになっています。

いきなり「ラーディンリル」が「リーリュン」に無理やり肉体関係を持った直後というシーンです。

禁断の恋が報われて喜ぶラーディンリル(中身はリーリュン)と、呆然とするリーリュン(中身はラーディンリル)がヤバいです。

「ずっと……もう、ずっと長いこと……」
青年は、呆然として自分を見上げる少女の唇に自らのそれを重ねながら、やさしくささやきかけた。
「あなたが、ほしかった……あなただけが。ほかにはなにもいらない……もっと早く、こうすればよかった」
吐息まじりのささやきに、少女は苦しげに顔を歪める。
絨毯の上には、青年によってはぎ取られた、少女の薄衣が落ちている。腕のなか、少女はむきだしの肩に、胸に、自分の情熱の証を刻まれたまま、呆然としていた。
「わたしは……わたしが望んだことは……」
こんなことではない、と少女の唇が声もなく言葉を刻む。
そうだったかもしれないし、なにを想いなにを望んでいるかなど、正確に読み取ることはできない。
ラーディンリルはただ、自分の望みに正直に行動しただけのことだ。盲目的な恋だという自覚はある。相手の意志などおかまいなしの自分は、もはや正気を失っているのかもしれない。

 

↓リーリュン(身体はラーディンリル)は、勝手に「ラーディンリル」の縁談を取り消してしまいます。

絶望するラーディンリル(身体はリーリュン)が最高です。

章の最後でお互いに精神名呼びし、入れ替わったと確定する構図になっています。

「そうそう」
いまだぼんやりと宙に視線をさまよわせる少女に、ラーディンリルは楽しげに語りかける――。
「サエルとの縁談、白紙に戻したから。あなたを……そんな遠くに行かせたりはしないから、安心してほしい」
もはや、あなたはわたしの妃なのだから――。
少女の瞳に、恐怖と絶望が浮かんだ。わなわなと震える唇から、そんな馬鹿な、と言葉が洩れる。
「そんな……わたしたちは血の繋がった……」
兄妹だというのに……!
紙のように真っ白な顔の少女に、ラーディンリルはくすくすと笑って応じる。
「誰が、そんなこと信じてる?最近の噂はあなたの耳には届いていないの?やはりリーリュン皇女は、陛下の実の妹君ではあらせられなかった――そうであるなら、これまでの溺愛ぶりが語ることはひとつ。みんな、けっこう納得している」
だからあなたの立場は、これからはわたしの妃、だ。
そう告げて、青年はそっと少女の肩を抱き寄せた。細い体……まろやかな肉体。この器に、この魂の、なんと似合いであることか。

 

↓リーリュン(身体はラーディンリル)はラーディンリルの演技が上手で、一生涯誰にも気がつかれなかったようです。

誰も、この交代劇に気がつかなかった。
いやリーリュンが気づかせなかったのだ。彼女は兄帝の肉体を纏い、そして兄そのものの口調、物腰で周囲を欺き通した――生涯。
唯一、以前の彼と違うと直感できる者がいるとしたら、それはラーディンリルの娘を産んだサリューンであったろう。しかし彼女は父親の権威失墜とともに、皇帝から遠ざけられており、ついにその機会に恵まれることはなかった。
この狂った恋を守り通すために、リーリュンは完璧に兄になりきった。わずかな仕種、話し方、苛立ったときの特徴――すべてをきれいに写し取って、彼女は兄帝でありつづけた。以前から自分自身すらを偽ることに長けていた彼女にとって、他人を欺くことなど簡単なことだったのだ。

 

↓かなりの覚悟を決めているリーリュン(身体はラーディンリル)が冷静に壊れていて良いですね。

予知夢能力を持つリーリュン(身体はラーディンリル)は、入れ替わったことにより魔王に滅ぼされる未来を見てしまいますが、兄と結ばれることの方が大事なようです。

国も妹も守ろうとしていた?ラーディンリルの努力が、入れ替えられたことにより全て無駄になって無常さを感じます。

「罪、など……」
ぼんやりと窓から外を眺めながら、ラーディンリルの肉体を得たリーリュンはつぶやいた。
「犯してしまえば、なんということはない。永遠の別離に比べれば……そんなもの」
なんの意味もない。

あでやかな美女の顔――完璧なる女性の肉体に、しかし相反する男性の魂を宿したような、あの魔性。
「願いをかなえてやろうよ」
そういって微笑む姿に、自分は心が軽くなるような気がした。
そして、その瞬間、気づいたのだ。自分の体が変化していることに――いや、違う。自分の魂が、別の肉体に宿っていることに。そして、それが兄帝のものであることに。気づいて一瞬戸惑い、しかし次の刹那歓喜した。
手に入れた――兄の体。心は……自分の肉体に。わけもなく、それがわかった。
だから、今度は心を手に入れる。逃がさない――決して逃がしたり、しない。

永遠に呪われるべき、自分の罪――。
「それでも……ラーディンリル」
ふと遠い目をして、リーリュンはつぶやく。
「あなたを手に入れる代価としては、安かった……安すぎるほど」
あなたはきっと、わたしを愛するだろう。

 

ラーディンリル(身体はリーリュン)は、リーリュン(身体はラーディンリル)との子供を妊娠・出産します。

カーリューン帝国はその後滅びたのでした。

皇帝のための女性だけの宮――後宮の最も広く美しい部屋で、リーリュンは罪を犯した体内に、その結晶を抱えたまま静かに床に就いていた。
夜――カーテンの隙間から、こぼれてくるのは月の光。あの夜のことを思いださせる……この光。
リーリュン――いや、ラーディンリルは自らの腹部にそっと触れた。まだ動くことさえない、だが小さな命が、そこに宿っているのがわかる。
罪の子――兄と妹の間に生まれる子。兄の肉体を纏った妹が、妹の肉体に宿る兄との間にもうけた子供……二重の罪の結晶。

 

国王陛下と純真な花嫁 願い石の魔法

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『国王陛下と純真な花嫁 願い石の魔法』
著者:火崎勇
令嬢と国王が入れ替わり体質になる。 三交社
ガブリエラ文庫
『国王陛下と純真な花嫁 願い石の魔法』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

国王陛下と純真な花嫁 願い石の魔法1

公爵家の令嬢・ロザリアは、国王・エンデミオンに憧れていた。

ある日、家にエンデミオンが訪れることになったのだが、その際にサーカスのジプシーから貰った「願い石」のせいで、ロザリアはエンデミオンと入れ替わる体質になってしまった。

 

↓「願い石」にお願いをした深夜、気がつくと二人は入れ替わっていました。

起こしにきたエンデミオン(身体はロザリア)と、夢だと思っているロザリア(身体はエンデミオン)が最高です。

「お前は誰だ?」
「鏡だわ」
私は呟いた。
「こんなところに鏡があるわ……」
目の前で私を睨んでいるのは、『私』だった。
おかしな夢。

 

↓ロザリア(身体はエンデミオン)がエンデミオンの身体になっていると気がつくシーンが刺さりました。

「あなた……、誰?」
と訊いた自分の声に驚いた。
「何、この声!」
自分の声じゃない。
というか、女性の声でもない。
思わず喉に手をやろうとして、自分の手にも驚いた。
「え?手?私の手?」
骨張った、指の長い大きな手。
私の手じゃないわ、これじゃまるで男の人の手だわ。
手だけではなかった。
起き上がった身体も、私のものではなかった。
「胸がないわ!」
夜着を着ていたはずなのに、身につけているのは白いシャツ。その襟元から除くのはペタンとした筋肉質な胸。

 

↓ロザリア(身体はエンデミオン)が泣きだすのが堪りませんでした。

「お母様……、お母様ぁ……!」
「ロザリア」
目の前にいた私とそっくりな娘が、泣き出した私の口を塞いだ。
(中略)
「……その姿で涙ぐまないで欲しい」
「泣くなというの?でも私……、驚いて……」
突然男の人に変身させられたのだもの、仕方ないじゃない。
なのに彼女は額に手を当て、またため息をつく。
「その言葉遣いもキツイな……」

 

↓元の自分を宥めるエンデミオン(身体はロザリア)も萌えます。

小さな『私』の手が、私を抱き寄せて頭を撫でる。
「自分の頭を撫でるのは新鮮な感覚だな」
「陛下……」
元の姿であったなら、陛下に抱き寄せられて頭を撫でられるのはドキドキすることだっただろう。でも今の状況では、小さな優しい手が触れてくることは安らぎだった。

 

↓着替えについての話題もあります。

エンデミオン(身体はロザリア)はロザリアの身体を見たようです。

男性の力で叩いてしまうネタ、自身が叩いた身体に戻って痛みを感じるネタが最高でした。

「陛下が不埒な真似をなさるとは微塵にも思いませんが、一応私はうら若き乙女なのです。殿方の前で夜着一枚というのは……」
陛下は、『ああ』という顔をしてすぐに目を開けてしまった。
「大丈夫だ、ちゃんとガウンを着ている」
「その前にはご覧になったのでしょう?」
恥ずかしくて顔が赤い。
「いや……、その……、入れ替わりに驚いて、そのことには気づかなかったな」
陛下が視線を外した。
「見たんですね……」
「あー……、少し。何で自分に胸があるのかと驚いて……」
「まさか触ったんですか?」
「触ったというか、掴んだというか……」
「掴む?」
「ほら、驚いたから。女性の胸を触ったというより、物事の確認のためというか」
「ヒドイ!まだ誰にも触られたことないのに」
恥ずかしさで、顔に血が上り、私は陛下を叩いた。
「大丈夫だ、この手はその時も今も『君』の手なんだから、私が触れたわけじゃない。痛いよ、ロザリア」
強く叩いたつもりはなかったけれど、陛下の『私』は慌てて逃げた。
「今の君は男なんだから、その手で叩かれては君の身体に跡がつく」
言われて、慌てて手を止める。
「痛みますか……?」
訊いた途端、肩に軽い痛みが走った。
「痛……っ」

 

安心したのも束の間、また入れ替わってしまいました。

ロザリアは入れ替わった時のために、誠治の勉強を始めます。

↓エンデミオン(身体はロザリア)が元の自分のポケットからハンカチを取り出してロザリア(身体はエンデミオン)に渡すシーンが好き。

「ポケットのそちら側にハンカチが入っている。それで涙を拭いなさい」
「はい」
ポケットってどこにあるのかしら?
上着は着ていないから、ズボンよね?男の人のズボンの、ポケットの位置なんてわからないわ。
もたもたしていると、陛下が自らズボンのポケットに手を突っ込んでハンカチを取り出してくださった。
「ほら」
「……すみません」
それを受け取り、潤んだ目をゴシゴシと拭う。

 

エンデミオンが「ロザリアみたいになりたい」と願ったことが入れ替わりの原因のようですが、入れ替わるタイミングは不明。一時間ほどで元に戻る入れ替わり体質です。

このままでは困るということで、ロザリアは入れ替わった時に備えて王宮へ仕えることになりました。

↓入れ替わっていない時に入れ替わりの演技練習をするシチュが珍しくて良かったです。

「『ロザリアを呼び出していたのを忘れていた』」
自分の名前を口にするのは不思議ね。

 

王宮では、ロザリアが眠っている時に入れ替わって元に戻り、元に戻ったエンデミオンが一人で後始末をするシーンが好きでした。

↓ロザリアも入れ替わり慣れしてきており、周囲と話を合わせていて良かったです。

『昨晩は呼び出しておきながら会いに行けなくてすまなかった。私はどうやらぐっすりと眠ってしまったようだ。母上の話は聞きたいと思っているので、また後日別の時間を作ろう』
昨晩……?
私、陛下から呼び出されていなかったわよね?
これにはどういう意味が……、と思った時、ベッドの中に隠した手紙の筆跡が、手にしている手紙のものと同じであることに気づいた。

昨夜、私達は入れ替わった。
私が眠りに落ちた後で。
陛下は起きていらしたから、慌てて百合の間に行かれたのだろう。けれど私はいつまで経ってもやってこない。
それもそのはずだわ、私は眠っていたのだもの。
『私』は呼び出されたから百合の間に向かった。でも『陛下』は眠っていてやってこなかった。
そういうことになって、約束をすっぽかされた私に陛下がお詫びのチョコレートを贈ってくださったのだわ。

 

↓二人は何度か入れ替わりますが、入浴中のエンデミオンと急に入れ替わって溺れそうになるロザリアが危なすぎて興奮しました。

小さなあくびが一つ零れたので、もうそろそろベッドに入ろうと思って本を閉じ、テーブルに本を戻すために立ち上がった時、軽い目眩を感じた。
次の瞬間、わたしの身体は水の中に沈んだ。
いいえ、水ではないわ、お湯だわ。
そのお湯の中に、身体がずるりと滑り込んだのだ。

国王陛下と純真な花嫁 願い石の魔法2

↓ロザリア(身体はエンデミオン)はエンデミオンの裸を見てしまいます。

だって、お風呂に入っている最中の陛下と入れ替わってしまったのだもの。お風呂に入っているということは、陛下は全裸なのだもの。
一旦下に向けた視線はすぐに天井へ移した。
裸だ、と思うと反射的に身体を隠してしまいそうになったが、触れた胸の硬さに両手を上げる。

頭の中が纏まらないまま、ふらふらと浴室の中を動き回る。
足に何かが当たる感覚がある。
何かを身につけているのかとちらりとだけ下に視線を向けた私は、すぐに後悔した。
何かが……、下がっている。
見てはいけないものを見てしまった。
だから下を向いてはダメだと言ったのに。
しゃがみ込もうとすると、その『何か』をより感じてしまうため、しゃがむこともできない。

 

↓ロザリア(身体はエンデミオン)はエンデミオン(身体はロザリア)に着替えを手伝ってもらいます。

「自分で自分の着替えを手伝うのは複雑だ……」
(中略)
ボタンが上手く留められなくてもたもたしていると、『私』がそれを手伝ってくれた。
自分が男性の身支度を調えている姿を見て、何だか情けないような恥ずかしいような気持ちになった。

 

この後は、入れ替わった二人がお互いに恋心を抱いてしまう展開です。

入れ替わるタイミングは都合の悪い時ばかりで、実はエンデミオンが「精神的に疲れた」と思った時に起こるようです。

御前会議中のエンデミオンと入れ替わり、勝手に戦争に反対してしまうシーンがありました。

 

パーティー中にも入れ替わり、エンデミオン(身体はロザリア)はロザリアに近づいてくる男性達に嫉妬。

↓ドレスの胸元が開きすぎだと指摘します(笑)元に戻ってからのセリフがおいしかったです。

やがて、お互いの姿に戻ると、目の前の陛下は急に口を閉じ、じっと私を見た。
「綺麗だ。胸元もそれほど開いてはいないな。真上からの視線で見るから大きく見えてしまったのだろう」
「覗き込んだのですか?」
「下を向いたら見えてしまったのだから仕方がない。よい眺めではあったけれどな」

 

一応、ロザリアの入浴中に入れ替わるシーンもありました。

そして、エンデミオン(身体はロザリア)はロザリアの縁談に嫉妬。

↓エンデミオン(身体はロザリア)がロザリア(身体はエンデミオン)の目の前でロザリアの身体を見るところが最高でした。

「結婚か。確かにもう君はそういう話が出てもおかしくない年頃なのだな。この身体も、子供のものではない」
言いながら、陛下はガウンの襟元から中へ手を入れた。
「陛下!」
あれは私の手、私の身体。
でも中身は陛下なのよ。
陛下が、私の胸に触れているのと同じことだわ。
「パーティのドレスの時も思ったが、君は十分魅力的な女性だ。丸みを帯びたこの胸は、男性が喜ぶだろう」
「お願いです、陛下。触らないで」
「褒めているのだろう?美しいと」
ガウンの紐を解き、前を開けられる。

 

最後は、ロザリアとエンデミオンが結ばれ、願い石は壊れたので入れ替わりは起こらなくなります。

行為の最中に入れ替わることがなくて良かったと話すエンデミオンが好きでした。

 

天狗の落とし文

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『天狗の落とし文』内のショートショート
著者:筒井康隆
夫婦の入れ替わり。 新潮社
『天狗の落とし文』
●新潮社
新潮文庫
『天狗の落とし文』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

単行本版は66~67ページ、文庫本版は74~75ページの8行分が男女入れ替わり。

 

ある男性は、と身体を交換した経験があった。

男性は妻の身体を興味津々に探索するが…

 

↓男性(身体は妻)が身体探索をするシーンが美味しかったです。

妻にとって夫ボディは最悪だったようです(笑)

「どんな感じなのか、ちょっと入れ替わってみようか」
妻と肉体の交換をしたことがある。
女の肉体というもの、上半身の軽やかさに比べて下半身がずっしりと重いのに驚いた。その他さまざまな発見があり、乳房の感触などをしばらく楽しんでいると、

 

夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる

作品タイトル/著者 簡単なあらすじ 収録書籍/ソフト
『夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる』
著者:城崎火也
学生男女が入れ替わり体質になる。 エンターブレイン
ファミ通文庫
『夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

 

久住大成は同じクラスの天風咲夜を屋上で見かけ、自殺かと思い止めようとした拍子にキスをして入れ替わってしまった。

仕方なくお互いのフリをすることになったのだが、大成は咲夜の予知夢能力で、幼馴染の青山陽菜の死を予見してしまう。

 

咲夜は予知夢能力が消えかかっており、一族から追い出されると悩んでいたようです。

↓大成(身体は咲夜)の方が先に目を覚まします。美味しいです。

大成はぎょっとして飛び起きた。
自分が頭を載せていたのは男の胸だった。見覚えのある白い夏服のシャツ。そしてその上には――じぶんの、久住大成の顔。
「う……」
目の前で自分が苦しげにうめいている。
「え?え?なんだこれ!」
思わず口をついて出た声が、妙に可愛らしい。まるで少女のような声。
大成は視線を下ろした。
さらし、と頬を撫でるのはすべすべのストレートヘア。
見下ろした先には白のセーラーカラー。胸元に揺れる紅のリボン。紺のベストに水色のスカート。ウチの高校の女子の制服だ。
なんで俺はこんなものを着てるんだ?
おそるおそる触れた頬はやわらかく滑らかで、ヒゲのあとなどない。そして明らかに自分より小さい骨格。

「どうしたらいいんだよ!!ああもう!!」
大成はぐしゃぐしゃに髪をかき回した。長い髪が指にからみつき、こんがらがる。
うわあ、髪の毛なっが!ほっそ!あー、ちょっと引っ張ったら切れそうだ!気をつけないと!女って面倒くせええええええ!!

 

↓咲夜(身体は大成)も目を覚まします。

元の自分のスカートから鏡を取り出すシーンがお気に入りです。

「え?私?」
愕然とした自分がもらした声は、まごうことなく男の声だったが、しかしそのトーンは女性のものだった。
自分が慌てたように己の体を見ている。信じられないというように、何度も手を開いたり閉じたり、顔を撫でたり、髪を撫でたり。
ああ、俺の身体が俺の意志とは無関係に動いてる……。
そのシュールな光景を、大成は愕然として見つめた。
(中略)
「か、鏡……」
「え?」
いきなり自分がスカートの中に手を突っ込んできたかと思うと、するりと小さな折り畳みミラーを取り出した。
――すげー、女のスカートの中にはこんなものが入ってるんだ。

 

↓もう一度頭をぶつけてみますが、元に戻れません。

「も、戻ったか?」
何とか目を開けてみたが、目の前で額を押さえ、苦悶の表情を浮かべているのは自分だった。

 

↓咲夜ボディがお腹が減っているとバレて咲夜(身体は大成)が恥ずかしがるシーンが好きです。

入れ替わり的にツボに入る描写が結構多めです。

そのとき、ググーと腹が鳴った。
「あー、そういや、昼飯まだだっけ……」
口に出してから大成は、この体が自分のものでないことに気づいた。
「……腹が減ってるのか、天風」
そう言うと、カッと咲夜の顔が赤くなった。なんで恥ずかしがってんだ?

動揺を隠そうと、サンドイッチにかぶりつこうとした大成は、口が大きく開かないことに気づいた。
「あがっ」
そうか、口が小さいのだ。自分が思っているよりずっと。
軽く二口、押し込めば一口で食べられるはずのサンドイッチだというのに……。
俺……女の体になったんだなあ……。
改めて実感すると、どんどん落ち込んできた。

 

↓お約束のスカートネタもあります。

授業中の学力差ネタや、女子生徒に甘い男性教師との絡みも良かったです。

「ス、スカート……」
「あ?」
大成はスカートを見下ろした。いつものくせで足を大きく開いて座っている。膝上十センチくらいの丈なので、真ん中の咲夜からは中が丸見えだ。
「悪い!」
大成は慌てて床に正座した。むきだしの膝にひんやりした床の感触。
座り方一つでも気をつけなくちゃいけないのか。女って面倒くせえ……。
苛立ちがこみ上げ、大成は思わず叫んだ。
「あ――も――、やってらんねえよ!!」

 

↓大成(身体は咲夜)は入れ替わっていることを忘れ、ちょっかいをかけてくる友達に大声で啖呵を切ってしまいます。

大成(身体は咲夜)がナンパされるシーンもありました。

しん、と教室内が静まっている。
羽田を始めとするクラスメイトたちの驚愕の表情が自分に向けられている。そう、『天風咲夜』に。
「え、あ……」
自分の口から飛び出す可愛い声。
そっか俺……今、見た目は天風咲夜なのだ。

 

↓咲夜が一人暮らしだったので、二人は咲夜の家で暮らすことに。

大成はまじまじと自分の姿を眺めた。
細っこい体。スカートから伸びる足も華奢で、歩くのも心許ない。
いったい何でこんなことに。
大成は軽くため息をついた。
「さて……行くか」
咲夜の家へ。女の子の家か――。小学校のとき、陽菜の部屋に上がって以来か。
女の子と二人きり――。
ドキドキする――と相手の顔を見たら、自分の顔だった。
う、うーん、何だこのシチュエーション。
大成は複雑な気分で苦笑いした。

 

↓身長ネタも好きなので萌えましたね。

急いだつもりが、思ったより前に進んでいない。
そうか。全然体格が違うもんな。
百八十二センチの自分と百六十センチに満たないであろう咲夜。もちろん足の長さが違う。

夢見のサクヤ 死の予知はキスで訪れる

↓咲夜(身体は大成)が「咲夜ボディ」を風呂に入れたがり、大成(身体は咲夜)は目隠しお風呂イベントです。

大成(身体は咲夜)がかわいいパジャマを着させられるのが萌えました。

「じゃあ、力ずくで」
「なっ……おまえ、今男の体なんだぞ!力ずくとか卑怯だろ!!」
(中略)
さっと服に手をかけられたかと思うと、しゅるりと胸元のリボンが外された。すっとファスナーがおろされる。
素肌に外の空気が触れる。
「あわ、あわあわ」
何も見えない状態で、服を脱がされていくのは妙な気恥しさがある。
くっ、と背中に手をかけられる感触。
途端に胸回りの締め付けがなくなり、大きく呼吸できた。
あーそっか。ブラジャーしてたんだな、俺。
ブラなんか触ったこともないのに、つける羽目になるなんてな。なんか色々すっ飛ばしてしまった気がする……。
「足をあげてください」
「あ、ああ」
言われるがままに、片足ずつあげていく。下着まで脱がされて、あーもう、どうなってるのかすごく気になるが、平静を装う。
皮膚に外気が当たる。背中がくすぐったいなー。あー、髪の毛か、これ。手をどうしたらいいんだよ。どこに置いてもダメだろ。

 

↓一応、トイレイベントもあります。

そのとき、大成は今まで我慢していた生理的欲求が首をもたげてきたことに気づいた。
「あの……それより俺……」
ああ、言いたくない。言いたくないがしょうがない。
「トイレに行きたいんだが」
咲夜の顔が赤く染まる。
「わ、私も……」

 

↓ベッドに二人で寝るくだりが好きです。

「”私”はベッドで寝たいの。心も体も」
「あっ……」
そうか。大成自身は床で寝ても構わないが、体そのものは咲夜のものなのだ。

 

↓大成(身体は咲夜)の入れ替わり的な言動は短いながらもツボを押さえてあると思います。

なんかいい匂いがするし……ってこれ、自分の髪の香りか。なんで自分の髪の匂いでときめかなくちゃならないんだよ。

 

翌朝起きたら、元に戻っていました。

しかし、二人は夜中に陽菜が溺死する夢を見てしまいます。

咲夜は予知夢能力が無くなりかけていましたが、入れ替わって中身が大成になったせいか、予知夢を見たようです。

 

そして、また偶然キスをした二人は入れ替わります。

この日は、二人は「大成の家」に帰宅。

大成の父親に触られて悲鳴を上げる咲夜(身体は大成)、料理を作る大成(身体は咲夜)、父親や弟との絡みなど、美味しいシチュは多かったです。

↓頑張って咲夜として振る舞う大成(身体は咲夜)が最高。

「おい、大成!なんでお客さんに作らせようとしているんだ」
リビングにいた咲夜がびくっとした。
「いいんです~。私、料理が得意なんで披露しますね!」
大成は必死で女の子っぽく言ってみた。

「いやー、咲夜さんは料理が上手ですね。……これは咲夜さんの家の味付けですか?まるで大成が作ったみたいだ」
(中略)
「兄ちゃん……今日はどうしたんだ?ずいぶん大人しいじゃん。彼女いるから、猫かぶってんの?」
流成のツッコミに、咲夜がびくっとした。
「や、そんなことない」
一口一口ゆっくり食べていた咲夜が、ガッと茶碗をつかんだ。
そして一気にご飯をかきこむ。
「ゴフォッ!ゲホッ!」
慣れない食べ方をしたせいか、咲夜が盛大にむせている。
(中略)
「……咲夜さんって細いのに結構食べますね」
「ゴフッ!」
口にほおばった照り焼きを大成はふきだしそうになった。

「俺、美人に弱くて!尽くしたくなるんだよね~」
半分冗談、半分本気ってところか。弟の表情を見て大成はそう判断した。
美人は得なんだなー。こんな風に気遣ってもらったこと、今までねえぞ。

 

弟が鋭くて好きですねw

↓二人がシュークリームをお互いの食べ方で無理やり食べさせられるシーンがお気に入りです。

「何言ってんの?いつも一人で三つは食うくせに」
流成が大成の方を見た。
「兄ちゃん、この店のシュークリームを十個一人で食べたことがあるんですよ~。信じらんないですよね~」
「あ、そうなんだ……」
大成はにこやかに答えつつ、テーブルの下で拳を握る。
こいつ、余計なこと言いやがって。
咲夜がガッとシュークリームをつかむと、一瞬ためらったのち、一気に口に押し込んだ。
「む……ぐ……」
「兄ちゃん、スイーツはだいたい手づかみでいっき食いなんですよね~。ショートケーキとかも一口!」
「そ、そう……」
大成はなるべく上品に、と気をつけながらフォークでシュークリームをつついた。
中のクリームが飛び出し、柔らかいシュー皮はなかなか切れない。
うおおお、食べにくい!手でつかみたい!

 

翌日、また陽菜が死ぬ予知夢を見てから元に戻ります。

二人はキスで入れ替わり、眠れば元に戻る体質のようです。

 

その日はプールの授業があったため、陽菜を見張るために大成は咲夜に頼んで入れ替わってもらいます。

咲夜が入れ替わるためだけのキスにショックを受けるところが良かったです。

 

↓もちろん、女子更衣室イベントがあります。

大成(身体は咲夜)と陽菜の絡みが美味しいです。

見学している女子との生理ネタに戸惑う大成(身体は咲夜)が好きですね。

「天風さん?」
陽菜が声をかけてきた。
「ひっ!」
目の前に、スクール水着を着た陽菜が立っていた。
目が自然に胸に向いてしまう。
紺色の水着の胸元には、くっきり谷間が見える。

 

咲夜は親戚と色々な確執があるようです。

↓大成(身体は咲夜)が非力な女の子の身体になっている描写もあります。

大成は眞夜の胸ぐらをつかんだ。思い切り持ち上げるつもりが、びくともしない。岩でもつかんでいるかのようだ。
咲夜の手は小さく、そして眞夜はどうやら想像以上に鍛え上げているらしい。

 

↓二人が抱きしめ合っている途中に元に戻るシーンは興奮しました。

相手の体温が伝わってくる。そしていつしかそれは混ざり合い、どちらがどちらを温めているのかわからないほど一体となった。
これまで感じたことのないような、安堵感に包まれる。
人を抱きしめるのって、抱きしめられるのってこんなに心地いいものか……。
大成は目をつぶり、初めての感覚に身を委ねた。
「……いたい」
「えっ?」
抗議の声に、大成は慌てて体を離した。ごつい自分の体だから大丈夫だろうと力を入れすぎただろうか?
そのとき、大成は自分の腕ががっしりしていることに気づいた。

 

そして、陽菜が死ぬであろう日。

二人は陽菜を含めた友達数人と湖のボートに乗りに行きます。

これ以降は入れ替わりは起こりませんが、入れ替わっていた時の話題は出てきます。

 

真犯人は×××で、クライマックスは妖怪?との戦いでした。

入れ替わり体質は治っていないらしく、咲夜が大成に入れ替わりをお願いするシーンでおしまいです。

大成と咲夜が両想いな雰囲気で、甘酸っぱくて良かったです。

「私が……夢を見たのはあなたと入れ替わって、あなたと一緒に眠ったときだけ。まだ完全に力が戻っていない。戻るかわからない。でも、あなたがいれば、きっと見られる」
咲夜がそっと目をそらせた。
ほんのり赤く染まった顔を見ていると、大成までつられて赤くなっていく。
入れ替わって一緒に夢を見るってことは、つまり。
キスして一緒に眠るということで――。

 

 

今回は、小説の男女入れ替わりを4作品紹介しました。

読んでいただいてありがとうございました!

 

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