今回は、児童書の女同士入れ替わりを10作品紹介していきます。
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もくじ
絶体絶命!?バースデイ
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『絶体絶命!?バースデイ』 著者:ささきあり | 小学生の女の子が胎児の妹と入れ替わった。 | 日本児童文芸家協会 児童文芸 2019年8・9月号 「特集:創作競作とんだ入れかわり!?」 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
気がつくと、母親の胎内にいる妹になっていた小学5年生の美緒。
美緒は、もうすぐ父親違いの妹が産まれる予定だったのだが、自分の居場所が無くなると思い、母親に当たってしまっていた。
母親は出産間近で、美緒はそのまま妹として産まれることに…
出産シーンで、妹になった美緒が子宮の収縮に押しつぶされそうになり、苦しむシーンが好きですね。
胎児になったと気がつくまでの恐怖感も良かったです。
美緒になった妹は、指しゃぶりをしながら寝ていたようです。
桐谷社長の一人娘
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『桐谷社長の一人娘』 著者:中西翠 | 女の子が転んでお嬢様と入れ替わる。 | 日本児童文芸家協会 児童文芸 2019年8・9月号 「特集:創作競作とんだ入れかわり!?」 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
一般家庭で育つ小学校6年生の川原ちさは、小学校5年生でお嬢様の桐谷さくらと同時刻に転んで入れ替わってしまった。
さくらには習い事の予定があったので、ちさが代わりに行くことに…
相手の記憶が読めるタイプで、さくらになったちさは、さくらの習い事の場所や先生の記憶を呼び出し、お嬢様言葉もスラスラと使えます。
でも、さくらが知らないことは当然わからずに困ってしまう…というシーンが面白いですね。
アタック!ひいばあちゃん
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『アタック!ひいばあちゃん』 著者:石神悦子 | 小学生女子と曾祖母が地震のショックで入れ替わる。 | 大日本図書 『アタック!ひいばあちゃん』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学5年生の里中薫は、一緒に住んでいる曾祖母のなつきと仲良し。
引っ込み思案ななつきは、元気いっぱいの薫のことが羨ましく思っていた。
ある日、二人が同じ部屋で寝ていると地震が起こり、そのショックで二人は入れ替わってしまう。
寝る前に、「少しだけ入れ替われたらいいのに」と会話をする二人が既においしいです。
地震は夜中だったので、もう一度寝れば元に戻ると思って寝た二人ですが、朝起きても元に戻っておらず、仕方なくお互いのフリをして生活することに…
なつき(身体は薫)は、老いた身体になってしまった薫(身体はなつき)を気の毒がります。
なつきは訛っているのでお互いに口調を気を付けることにしたり、和服と洋服の違いに四苦八苦したり、食事の際に精神の方の席についてしまったり、好物を交換したりとおいしいですね。
作中では、なつき(身体は薫)は「カオル」、薫(身体はなつき)は「オバアチャン」と表記されています。
子供と老人の身体能力の違いについても何度か書かれており良いですね。
薫(身体はなつき)は階段を駆け下りようとして足が痛み、なつき(身体は薫)は視力の良さに感動します。
学校へ行ったなつき(身体は薫)は、薫本人よりも女の子らしい優しさで、クラスメイトの男子たちを惚れさせてしまいました。
一方、俳句の会に参加した薫(身体はなつき)は、子供のような俳句を作って褒められます。
この後は、元に戻れないまま、なつき(身体は薫)が薫としてバレーボールの試合に出なければならなくなったので、二人で特訓をすることに。
二人が自転車の二人乗りをするシーンや、なつき(身体は薫)が裁縫の授業で大活躍するところ、薫(身体はなつき)が平日の遊園地に遊びに行くところが好きですw
試合本番では、なつき(身体は薫)に「おばあちゃん、ファイト!」と応援する薫(身体はなつき)が良かったです。
試合途中に二人はぶつかって元に戻り、その後テレパシーのような会話ができるようになりましたが、徐々になつきの老衰が進んで…
とりかえっこ
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『とりかえっこ』 著者:泉 啓子 | 小学生の女の子が親友と落雷で入れ替わる。 | 新日本出版社 『とりかえっこ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
出来の良い姉・のぞみにコンプレックスを抱いている小学四年生のみちるは、ある日のぞみの日記を読んでひどく怒られてしまう。
そんな時、家に遊びに来た親友のすみれと入れ替わりたいという話になり、衣服を交換してなりきり遊びをしていたところ、雷が落ちて本当に入れ替わってしまった。
実はすみれも、弟のカズくんと喧嘩をしていて…
姉の愚痴を言い、お古の衣服を嫌がるみちると、弟の愚痴を言い、お古の衣服を羨ましがるすみれの対比が良かったですね。
↓お互いの衣服を交換して、なりきり遊びをするところも萌えました。
なりきった状態でみちるの母親と会話するところが好きです。
わたしはおねえちゃんのおさがりの水色のワンピースをぬいで、すみれちゃんが着ていた白いセーラーカラーのブラウスと赤いチェックのキュロットスカートをはいた。すみれちゃんは水色のワンピースを着て、
「ふふ、どう?にあう?」
ちょっぴりてれくさそうな顔をした。
でも、きょうはとりこえっこした服を着て、ちょっとドキドキしながら、かがみの中のじぶんを見た。すると、なんだか、ふしぎ――すみれちゃんになったような気分になった。すみれちゃんも同じことを感じたのか、
「洋服だけじゃなくて、なかみもいれかわろうか?」と、いった。
「うん、そうしよう」
「じゃあ、あたしがチルで、チルがすみれね」
↓で、落雷で本当に入れ替わってしまったとw
衣服は交換していたので、精神の服を着ている状態に。
おかあさんがいなくなるのを待って、急いでドアをしめた。それから、まっすぐ向き合って、おたがいの顔をじっと見つめた。すみれちゃんがゆっくり手をのばして、わたしのほっぺたを、そっとさわった。まるで目の前に、もうひとりのわたしがいて、そのわたしをさわってるみたい。ふしぎな感触に思わずゾクッとして、あわてて手をひっこめた。
お互いを羨ましがっていた二人は、この状況を楽しむことに。
↓すみれ(身体はみちる)の方が乗り気で、みちる(身体はすみれ)の方が不安という感じです。
「あたしは、いいよ」
とつぜん、すみれちゃんがいった。
「えっ?」
「このまま、チルといれかわったままで、いいよ。だって、チルのこと、ずっとうらやましいっていってたでしょ?のぞみちゃんみたいなおねえちゃんがいて、いいなって」
「……それは、わたしもそうだけど……」
「じゃあ、問題ないよね?」
すみれちゃんはあっさりいったけど、問題なら山ほどある。
「……でも、いつまで?わたし、すみれちゃんの代わりなんて、絶対できるわけないよ」
こらえきれずに、なみだがこぼれた。すみれちゃんはあわててわたしの手をにぎると、はげますようにいった。
↓不安を抱えたまますみれの家に帰ったみちる(身体はすみれ)は、身に覚えのないことですみれの母親から怒られてしまいます。
妹のみちるが、すみれの母親から初めて「おねえちゃんでしょ」と叱られる場面が良かったですね。
「さ、ちゃんと説明しなさい!ママとの約束破って、どこに行ってたの?」
(えっ?わたし?)
すぐには意味がわからず、二、三秒考えて、
(そっか、わたしがすみれちゃんなんだ)
やっと気がついた。
どなり声がどんどん大きくなって、
「しっかりしてよ。あんた、おねえちゃんでしょっ!」
さっきのカミナリみたいな強烈な一発が、ドカンと落ちた。
(……すみれちゃん、おねえちゃんなんだ……)
小さいことから、わたしがおねえちゃんとケンカして、泣くと、おかあさんが決まっておねえちゃんにいうことば。
↓すみれは弟と喧嘩していたので家に帰りたくなかったようですが、喧嘩のことを知らされていないみちる(身体はすみれ)は困惑w
みちる(身体はすみれ)もすみれ(身体はみちる)も、お互いの家族に入れ替わりがバレないかゲームをするノリで楽しんでいるのが良いです。
「おねえちゃん、もう、おこってないの?」
「おこるって、なにを……?」
(あ、そっか、うちの中を、あんなに散らかしたから……)
「そりゃ、おこってるけど、マサくんたちもいっしょに遊んだんでしょ?わたしもママとの約束を破ったから、きょうは特別、いっしょに片づけてあげるよ」
「でも……おばあちゃんが送ってきた荷物、ぼくの誕生日プレゼントって知ってたから……受け取るのが、いやだったんでしょ?」
のろのろ起きあがって、泣きそうな声で聞いた。
(えっ、そうだったの?すみれちゃん、そんなこと、なにもいってなかったけど……)
↓その後、すみれ(身体はみちる)から電話がかかってきて、外で待ち合わせ。
すみれ(身体はみちる)は姉ののぞみとトラブルがあったようで…
「すみれーっ、チルちゃんから電話よーっ」
その時、ママがまた大声で読んだ。
(えっ、わたしから、電話……?)
いっしゅん、頭がこんがらがって――(あ、そうだった)と思い出した。
そのすぐ前に、水色のワンピースを着た女の子が立っていた。見たしゅんかん、思わずドキッと足がとまった。
(あれが、わたし……?)
今まで、じぶんのすがたなんて、運動会や遠足のビデオでしか見たことがない、けど、なんか全然ちがう気がする。
↓二人が謝り合うシーンが、入れ替わり的にシュールで良かったです。
そして、元の自分の身体で姉・弟と話したい二人は、元に戻ろうと入れ替わった時の状況を再現してみることに…
「……ごめんね、チル」
すみれちゃんの目から、ポロポロなみだがこぼれた――わたしの顔のすみれちゃん――その顔が、すぐになみだでにじんで見えなくなった。両手をギュッとにぎったら、あったかさがジーンとつたわってきた。
「ごめんね、チル……」
「その話は、もう終わり。だって、なんだか、わたしがわたしにあやまってるみたい」
「ホントだ。どっちが、どっちか、わからなくなっちゃった」
↓元に戻って別れるシーンが最高でした。
元に戻るために衣服を交換しているので、色々とややこしいですw
最後にみちるとのぞみが、姉妹入れ替わりごっこをするシーンもあります。
「これで、とりかえっこは終わりだね」
はっきりと声が聞こえて、うなずいたとたん、泣きそうになった。
「さっ、急がなくちゃ!ママたち、心配してるよ」
「うん……本物のママたちがね」
「さよなら」「さよなら」
大きく手をふって、それぞれの家に向かって走り出しながら、心の中でそっといった。
(さよなら、わたしだったすみれちゃん――)
幽霊にぬすまれた顔
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『幽霊にぬすまれた顔』 著者:浅見理恵 | 女の子が入れ替わり体質の幽霊に変身で入れ替えられる。 | PHP研究所 『だれがアケル!?悪夢のトビラ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
かわいくなりたい願望が強い智美に、美少女の幽霊が話しかけてきて、大事なものと引き換えにかわいくなる方法を教えてくれると言う。
幽霊から貰った小瓶に入っていた液体を顔に塗ったら、智美は幽霊と顔が交換されてしまった。
その後、幽霊の顔になった智美は身体まで霊体化してしまい…
↓「大事なものをなくしてもいいか」と幽霊は念押しをします。
まさか自分自身を奪われるとは思っていない智美は、軽く考えて了承。
「大事なものを、なくしてもいいのね?」
女の子が、念をおした。
「う、うん」
かわいくなるより大事なものなんて、あるわけない。
↓智美の顔になった幽霊は、智美のフリをして智美の両親と話します。
智美の両親は、今日がエイプリルフールということで、入れ替わったことを信じてくれません。
「エイプリルフール。ずいぶん手のこんだことするのね」とにっこり。
「ち、ちがうよ」
そういった時だった。
「ばれちゃった?」
一人の女の子が、そういいながらリビングに入ってきた。
↓智美になりすまして「智美」を智美の家から追い出そうとする幽霊がダークで良いですね。
「そ、そんな」
ぼうぜんとしている智美に、智美の顔の女の子がいった。
「もういいよ、帰って」
女の子が冷たい声でいう。
「あそこはあたしの家よ。早くどっかに行って!」
「そんな、あたしの家だよ!」
女の子が、にやりと笑う。
「そんなこといって、誰が信じると思う?」
幽霊も元々は別の女の子で、入れ替わり体質の幽霊の中に入っていた他の人物に顔を入れ替えられた被害者のようです。
↓もちろん、智美になった幽霊は、智美の人生を返す気は全くありません。
顔の入れ替わりに限りなく近いですが、身体まで幽霊になるので相互変身の入れ替わりということで。
「ひどい、ひどいよ」
「どうして?あたしはあんたの望みをかなえてあげたんだよ」
「だけど、家、家を……取りあげるなんて!お父さん……お母さんを……取りあげるなんて!」
おえつがこみあげた。
「だってあんた、いったよね?かわいくなるために、大事なものをなくしてもいいって」
一か月幽霊として過ごした智美は我慢の限界が来て、かわいくなりたいと強く願うクラスメイトの柚菜に声をかけるシーンでおしまい。
両親が優しい女の子をターゲットにしろとアドバイスする幽霊が良かったです。
ママがエリコでエリコがママで
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ママがエリコでエリコがママで』 著者:中村ルミ子 | 女子小学生が母親と頭をぶつけて入れ替わる。 | 岩崎書店 『ママがエリコでエリコがママで』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学生の田島エリコは、朝から母親と喧嘩をした際に、母親と頭をぶつけて入れ替わってしまう。
もう一度頭をぶつけても元に戻らず、仕方がなく母親(身体がエリコ)は学校へ、エリコ(身体は母親)はPTAの集まりへ行くことになった。
↑入れ替わり直後の二人のリアクションが、入れ替わったことを意識させるような表現が書ききれないほど多くておいしいです。
母親の顔で拗ねるエリコがかわいいです。
学校へ行った母親(身体はエリコ)がおばさん的言動をするのが最高ですね。
若いエリコの身体なのにクラスメイトの男子にクソババアと言われてカチンとなったり、担任教師が「大人」と「子供」で態度が違ったりなどおいしいです。
全体的に、細かい入れ替わり萌えシーンが多くて書ききれませんw
いつもエリコに小言を言う母親ですが、エリコになってからは失敗ばかりで先生には怒られ、エリコの友達には絶交され、散々な目に遭います。
すっかり子供としてやっていける自信を無くした母親(身体はエリコ)は、普段の自分の言動を反省するのでした。
エリコ(身体は母親)の方は、化粧もせず髪も梳かさずにPTAの会議に出席。
睡眠不足の母親の身体で二度寝をしたら、遅刻しかけるところが良かったですね。
家事ができなくて放棄したり、母親になりきろうとして変な喋り方になったり、会議で変なことを言ってしまったりと、こちらもおいしいです。
何とか一日を終えて家に帰った二人は、お互いに今日の出来事を報告し合い、お互いの苦労を労いあいます。
その後、疲れて眠った二人が目を覚ましたら元に戻っていました。
↓細かい描写も入れ替わり的に良くて個人的にポイントが高いです。
ママとエリコは、寝床だけは元の自分のベッドに入ってねむった。
元に戻ったことに気づかずに、母親は子供っぽく、エリコは妻っぽく、父親にお帰りなさいというシーンに萌えました。
実は父親は頭をぶつけたら入れ替わる体質で、エリコにも遺伝していたらしいw
父親は、猫や蛙と入れ替わったり、いじめられっ子の妹のチエコと入れ替わったりした経験があるようです。
魔法のこうかん日記
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『魔法のこうかん日記』 著者:浜たかや | 女の子が魔女の老婆に魔法で入れ替えられる。 | 草炎社 『魔法のこうかん日記』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
クラスの友達と交換日記をしているミキだが、何故かいつも長続きしないのが悩みだった。
そんな時、ミキは通学路の途中にある幽霊屋敷に住む老婆・大島モモコに声をかけられ、交換日記をすることになった。
交換日記で交流するうちに、ミキが同じクラスの石村が好きだが話しかけられないと知った老婆は、魔法でミキと入れ替わって…
入れ替わるのは、第5章「へんなミキ」~第6章「みんなのこうかん日記」です。
朝起きたら、ミキは老婆の身体になっていました。
↓ミキの身体になった老婆は、普段のミキではありえないくらい明るく振る舞います。
ミキの友達に元の自分を褒めちぎり、元の自分を貶されたら怒る老婆(身体はミキ)が最高。
「わたし!あれは、わたしよ。」
まがりかどのほうから、ミキがやってきたのだ。せいかくにいえば、ミキそっくりの女の子が。
でも、ちがうところがある。ほんもののミキはすましてあるき、ほかの子たちにも口をきかない。でも、いまやってきた、にせもののミキのほうは、ランドセルをらんぼうにゆすりながらはしり、あう子あう子に、げんきよく、「おはよう、おはよう!」と声をかけている。
↑ミキ本人が嫌っているクラスメイトの小川に気さくに話しかける老婆(身体はミキ)も最高。
ミキ(身体は老婆)が、老婆の身体よりも年下の用務員のおじさんを「おじさん」と呼んでしまうところも好きですね。
ミキになった老婆は、ミキの身体で好き勝手振る舞います。
音楽の時間にアニメソングを歌い始めたり、丸一日身体を返さないと言ってミキの家族と一家団欒を楽しんだり…
翌朝元に戻っていましたが、老婆は宿題をやっていなかったので、ミキがやる羽目にw
ついでに、母親が作ってくれたチーズケーキは残さず全部食べたらしい(笑)
老婆は、しっかりとミキの身体で石村と交換日記をする約束を取り付けておいてくれたようです。
その後、老婆は小川とも秘密で入れ替わります。
老婆(身体は小川)がうっかり女言葉で喋ってしまい、ミキが驚愕するシーンがおいしいです。
小川のフリをして男言葉を話す老婆(身体は小川)にも萌えますね。
「ああ、すて犬よ。かわいそう!」
ミキたちはびっくりした。らんぼうな小川くんがとつぜん、女の子のようなしゃべりかたをしたからだ。
小川くんは子犬をだきあげ、
「よしよし、かわいいわね。」
といいながら、頭をなでている。
↓さらに、老婆はミキの友達のサッチンとも入れ替わります。
「おいで、チビ!」
でも、子犬はサッチンのほうへはいかず、小川くんのほうへはしっていく。サッチンはおこっていった。
「チビ、おまえをひろってやったのは、ほんとうはわたしなんだよ。」
「なにいってんのよ、サッチン。」
老婆(身体はサッチン)は、サッチンの家のおやつが狙いのようですw
↓入れ替わりを見破るミキがおいしかったです。
「でも、すこしぐらいは、ほんもののサッチンにのこしておいてあげなさいね、おばあさん。」
サッチンはぎくっとしたようだ。でも、すぐにわらってうなずいた。
姉妹ごっこ(絶叫学級)
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『絶叫学級』第33話より 『姉妹ごっこ』 原作:いしかわえみ 著者:桑野 和明 | 女の子が両親にかわいがられている幼い妹と入れ替わる。 | 集英社 集英社みらい文庫 『絶叫学級 終わりのない欲望編』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学三年生の岡本花留は、幼い妹・美依菜の我がままにイライラ。母親もそんな美依菜を構ってばかり。
ある夜、花留が流れ星に「この家の主役になりたい」と願ったら、翌朝美依菜と入れ替わっていた。
↓花留(身体は美依菜)が朝起きて違和感を抱くシーンがおいしいです。
突然、妹の名前を呼ばれて、花留はまぶたをぱちぱちと動かした。
(あれ、ここ、私の部屋じゃない。パパとママの部屋だ。いつのまに………)
上半身を起こすと、母親の鏡台の鏡に美依菜の姿が映っている。
↓お漏らしして泣く美依菜(身体は花留)のシーンもおいしいです。
「うあああああーん」
花留の姿をした女の子は廊下にぺたんと座り込んでいて、パジャマのズボンがぬれていた。
どうやら、おもらしをしているようだ。
母親があわてて、女の子に近づく。
「何してるの?花留。小三にもなって、おもらしなんかして」
「うううう………」
(もしかして、美依菜?美依菜が私の体の中にいる?)
花留(身体は美依菜)は、美依菜として両親に甘やかされて上機嫌。
↓美依菜(身体は花留)は入れ替わったことを伝えられず、花留(身体は美依菜)はほくそ笑みます。
「ちがうよ!はるちゃんじゃないもん!みいなだよ!」
「花留っ!バカなこと言ってないで、朝ご飯を食べなさい」
「ふぇえ………」
美依菜は瞳に涙をためて、ぐすぐすと鼻を鳴らした。
泣いている美依菜を見て、花留はくすりと笑った。
↓泣く美依菜(身体は花留)に、花留(身体は美依菜)は冷ややかに声をかけます。
「まあ、お姉さんの苦労を知るのもいいんじゃない?あんたはずっと妹だったんだから。今日一日ぐらい、がまんしなよ」
「う………うえぇ………」
美依菜(身体は花留)が泣き止まず仕方がないので、花留(身体は美依菜)はおままごとをすることに…
美依菜(身体は花留)は、いつもの花留の真似をして、本物の包丁で花留(身体は美依菜)に斬りかかります。
↓間一髪のところで、母親がやってきて助かります。
美依菜(身体は花留)は全く悪気がないのにも関わらず、母親から平手打ちされて怒られてかわいそうです。
「美依菜、大丈夫?」
「あ………う、うん………」
妹の名前で呼ばれた花留が青白い顔でうなずくと、母親はほっとした顔になった。
「大ケガしたらどうするのっ!あなたの妹なのよ」
「うう………」
「三年生にもなって、そんなこともわからないなんて。反省しなさい!」
↓この後は、花留(身体は美依菜)が、「花留」が両親に大事にされていたことを知って考えを改めます。
(明日、体が元に戻ったら、ママにちゃんとあやまるんだ)
アルバムを棚に戻して、花留はベッドに体を投げだした。
「早く、元の姿に戻りたいよ」
小さな手を天井に向かって伸ばしながら、花留は深く息を吐き出した。
↓元に戻って良い話になる…と思いきや、夜中に美依菜(身体は花留)が花留(身体は美依菜)をベランダから突き落として…
地面に激突する直前に元に戻ってバッドエンドです。
入れ替わる前の花留がオモチャの包丁で美依菜を脅したり、ベランダから物を落とすと脅したりしていたことが、自分に返ってくるところが最高でした。
目の前に自分の顔が見えた。
(なんで、自分が自分を見下ろしているの?それに、すごく怖い顔をしている)
見下ろしている自分の顔は青白く、目がぎらぎらと光っていた。
(ちがう。私じゃない。美依菜だ!)
花留は美依菜が自分を抱いて廊下を歩いていることに気づいた。
「み………美依菜………どこに行くの?」
「あんたはニセモノだから、すてちゃう。みいながみいなだもん」
↓原作漫画はこちら!
わたしは、だれ?
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『わたしは、だれ?』 著者:服部千春 | 女の子二人が交通事故で入れ替わる。 | くもん出版 『へんしんライブラリー ヒーローはだれだ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
平凡な家庭の綾は、大金持ちのお嬢様・麻耶を羨ましがると同時に、麻耶の性格の悪さについては良く思っていなかった。
ある日、麻耶が綾になりたいと話していると、二人は交通事故に遭って入れ替わってしまう。
↓綾は麻耶の身体になって慌てます。
綾の身体になった麻耶は、一足先に綾の家へ帰ってしまっていました。
そのとき、病室のかべにかかった鏡が目にはいった。
「ま、麻耶!?」
鏡にうつっているのは、わたしではなく麻耶だった。
(なんで?わたしが、麻耶?)
わたしは、くずれおちるように、ベッドにたおれこんで、気をうしなった。
訳がわからないまま、綾(身体は麻耶)は着替えて綾の家へ。
↓綾(身体は麻耶)が、窓から麻耶(身体は綾)と綾の家族が一家団欒している様子を見るシーンが最高。
住宅街のなかにあるわたしの家。いけがきのすきまから、キッチンの窓をのぞいた。なかから、わらい声が聞こえた。
「ほら、綾、わらってばかりいないで、はやくごはんをすませないと、ちこくしちゃうぞ」
そういっているのは、お母さんだ。
テーブルのわたしのいすには、ちゃんとわたしがすわっている!?
「だって、おにいちゃんが、おもしろいことばっかりいって、わらわせるんだもの」
べーっと舌を出すおにいちゃん。弟の健太がたおしかけたコップに、「おっと」とあやうところで手を出すお父さん。
いつもとかわらずにぎやかな、家族五人の朝食の風景だ。
わたしは、思わず「やめてっ!」とさけびそうになった。
だって、そこはわたしの席だ。わたしのはしだ。わたしのコップだ。家のなかにいる<わたし>が、ゆっくりこちらに顔をむけた。窓の外からのぞいているわたしと目があった。
↓お金持ちだが両親の仕事が忙しく、構ってもらえない麻耶は、温かい家庭で育つ綾が羨ましかったようです。
また、麻耶は綾が麻耶を馬鹿にしていることに気がついていたらしい。
「うらやましかったのよ。わたしは、綾がうらやましかったのよ」
(中略)
「いつも楽しそうな家族。いつだって、みんながいっしょにいて。やさしいお父さんとお母さん。明るいおにいちゃん。かわいい弟。なのに、綾はその幸せにちっとも気づいてもいない」
<わたし>の顔が、なきそうにゆがんだ。
↓入れ替わりは、麻耶が綾になりたいと思ったから起こった様子。
麻耶(身体は綾)は綾に身体を返さず、元に戻らずおしまいです。
「そうよ。もうちょっとで、あんたのかわりに死ぬところだったんだからね。思わずからだが動いてしまった。綾のかわりになるんだったら、わたしは綾になりたい。そう思いながらたおれたら、ほんとうにからだがいれかわっていたってわけ。綾になりたいっていう、わたしのねがいがかなったのね」
「やめてっ!」
もどしてよ!
もとのわたしにもどして!
にらむような視線をむける<わたし>が、にやりと片一方のほほでわらった。
ちょっとあぶない日曜日
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『ちょっとあぶない日曜日』 著者:浜たかや | 女子小学生が母親の妹(叔母)と入れ替わる。 | 草炎社 『ちょっとあぶない日曜日』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
小学生のミキの母親の妹(叔母)のしずかは、ミキの担任の先生でもあった。
堅物な性格のため28歳で独身のしずかだったが、ある日気になっている男性とデートをすることになった。
ミキはファッションセンスのないしずかを洋服店に連れて行き、ミキは大人服、しずかは子供服を見ていたところ、突然入れ替わってしまう。
ミキとしずかが迷い込んだのは、いつの間にかできていた「ウイッチ洋品店」という怪しい洋服店だったのです。
↓身長差の目線ネタがおいしいです。
店には、服をつるしてならべておく台があります。その台はミキの背より大きかったはずです。それがいまみると、ミキの首のあたりまでしかありません。つまり、さきほどまでミキは、つるした服をみあげていたのですが、いまはみおろしているのです。
「わたし、きゅうに背がのびたみたい。」
「なあに、しずかねえさん……」
ミキは服をならべた台をまわっていき、でもまわったとたん、びっくりして立ちどまりました。
台のかげに、もうひとりミキがいたのです。ミキそっくりに、ショートパンツをはいて。
ぽかんとしているミキを、とつぜんあらわれたもうひとりのミキがみあげ、なきそうな声でいいました。
「わたしよ、わたし。しずかねえさんよ。」
↓変身で入れ替わっているようですが、ミキは幼少期のしずかに似ているらしく、描写からも年齢の入れ替わりの可能性がありますw
融通が利かない性格をしているしずか(身体はミキ)が慌て、いつもだらしがない母親の世話をしているミキ(身体はしずか)が落ち着いているのが最高ですね。
ミキは赤んぼうのときから、しずかねえさんにそっくりといわれていました。まるでミキとしずかねえさんがいれかわってしまったようにみえました。
「こんなところ、はやくでようよ。」
子どもになったしずかねえさんが、またなきそうな声でいいました。
「そうだね。」
ミキはしずかねえさんをみおろすと、ちょっといばっていいました。
しずかは明日デートの予定で、初めてのデートということでミキ(身体はしずか)が喜んでデートへ行くことに。
↓母親が、派手な服を着る快活なしずか(中身はミキ)に驚きつつも、しずかが明るくなったことに喜ぶシーンがおいしかったです。
「ただいまっ!ほらみて、わたしの服。」
とさけんで、リビングにとんでいきました。
ママは料理をテーブルにならべていました。大声をあげながら、とびこんできたしずかねえさん(もちろんほんとうはミキです)をみて、ぽかんとしました。
ミキ(身体はしずか)は、大人にしかできないことができると喜びます。
21時を過ぎて夜更かしができると喜ぶあたりがかわいいですw
しずか(身体はミキ)は、ちょっとおばさんっぽい女の子になっていますが…(笑)
ミキ(身体はしずか)と村山のデートには、しずか(身体はミキ)もついて行くことになりました。
立場が強くなったミキ(身体はしずか)に、従うしかないしずか(身体はミキ)が良いですね。
細かいセリフもおいしいですが、細かすぎて書ききれませんw
↑ミキ(身体はしずか)は、人目をはばからずに「久しぶりに好きな人に会えた大人」として明るく振る舞います。
ミキ(身体はしずか)が恥ずかしがらずに「好き」と言うので、村山は「しずか」の気持ちが確認できて逆に仲が進展したようです。
村山と腕を組もうとしたミキ(身体はしずか)ですが、さすがにしずか(身体はミキ)が止めに入ります。
↓この後の美術館デートも上手く行き、ミキ(身体はしずか)は村山との仲を深めます。
ミキは村山さんとなかよく肩をならべて、絵をみていきました。
(きっと、わたしたち、ほんとの恋人にみえるだろうな。)
ミキはぞくぞくしながら、美術館のなかをみまわしました。たしかに、絵をみにきていたひとたちが、うらやましそうに、ミキと村山さんをみています。
(よし、もっとうらやましがらせてやれ!)
ミキはいっそうぴったりと、村山さんによりそおうとしました。
↓しずか(身体はミキ)がミキ(身体はしずか)に子ども扱いされて邪険に扱われるところがおいしいです。
村山が邪険に扱っているミキの中身は愛する恋人のしずかなわけですが…(汗)
でもそのときまた、しずかねえさんがわりこんできました。
「なんとかならんかね、このチビちゃん。」
村山さんがうんざりしたように、ミキにささやきました。
「ほんとにじゃまっけね。」
ミキもささやきかえすと、しずかねえさんにいいました。
「庭にいってらっしゃい。子どもが絵なんかみていても、おもしろくないでしょ。」
「おもしろいもん!」
しずかねえさんは、てこでもうごかないぞといったようすでいいました。
遊園地でのデート中、しずか(身体はミキ)は大人になれたミキ(身体はしずか)に気を使って、席を外します。
子供を楽しむミキ(身体はしずか)がかわいいですw
村山と二人きりになったミキ(身体はしずか)は、村山からプロポーズされてしまい…
↓プロポーズはしずか本人が答えるべきだと考えたミキ(身体はしずか)が、プロポーズは今度にしてと村山に伝えるシーンが刺さりました(笑)
「村山さん、プロポーズはこんどあったときにしてください。」
「どうして?」
「どうしてでも。きっと、そのとき、わたし『はい』とへんじしますから。」
「それなら、いまだって……」
「だめ。とにかくこんどにして。きょうのことは、なしにしてね。」
二人はデート後に洋服店へ行き、元に戻ります。
元に戻ってからの会話もおいしかったです。
今回は、児童書の女同士入れ替わりを10作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!