今回は、二次創作の男女集団入れ替わり小説を1作品紹介していきます。
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猫は知っていた(されど罪人は竜と踊る)
作品タイトル/著者 | 簡単なあらすじ | 収録書籍/ソフト |
『されど罪人は竜と踊る』より 「猫は知っていた」 著者:三雲岳斗 | 敵の攻撃でガユス、ギギナ、ジヴーニャが入れ替わる。 | 小学館 ガガガ文庫 『されど罪人は竜と踊る: オルケストラ』 |
※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。
敵のヘゼキアの攻撃で、その場にいたガユス、ギギナ、ジヴーニャが入れ替わってしまった。
ガユス→ジヴーニャ
ジヴーニャ→ギギナ
ギギナ→ガユス
↓恋人のジヴーニャの身体になったガユスがおいしいです。
ガユス(身体はジヴーニャ)とジヴーニャ(身体はギギナ)が入れ替わったことに気がつかずに会話して噛み合わないのもおいしいです。
ガユス(身体はジヴーニャ)は、愛するジヴーニャがギギナの身体に入ったことを嘆きますw
「よお、エルヴィン。無事だったか」
俺は投げやりな口調で彼女に呼びかけた。目覚めた直後のせいか喉がおかしい。自分自身の声が妙に甲高く感じられる。
「ねえ、ガユス!返事をして!いったいなにが起きてるの?」
具体的に何がどう違うというわけではないが、妙に女性的な仕草でギギナが呼びかけてくる。ギギナがまともな状態であれば決してあり得ない行動だ。必死でジヴを捜す俺を嘲るために、彼女の態度を真似ているかのようでもある。俺は猛烈な憤りに襲われた。
(中略)
「あなたは、誰?」
「ギギナ?」
(中略)
「答えて!私に化けてガユスたちになにをするつもりなの!?」
(中略)
「待て、ギギナ。さっきからさっぱり話が見えない」
詰め寄ってくるギギナを制止しようと、右手を上げる。その瞬間、俺は再び強烈な違和感に襲われた。俺の視界に映ったのは、実戦で傷つき鍛えられた攻性咒式士の手ではなかった。ほっそりした白い指と、手入れの行き届いた艶やかな爪。これは事務仕事に慣れた女の手だ。
「ふむ」
俺は視線を自分の胸元に落とす。そこにはほどよい大きさの胸の膨らみがあった。上着の襟元に手を入れて、実際に触れてみる。下着越しでも、はっきりと柔らかな弾力が感じられる。作りものではない本物の胸だ。残念なことに自分で揉んでも、特に気持ちよくはない。
「私の姿でなにをやっているのか!」
むにゅむにゅと自分の胸を揉み続ける俺を睨んで、ドラッケン族が吼えた。
↓ガユス(身体はジヴーニャ)はジヴーニャ(身体はギギナ)に入れ替わりを信じてもらおうと、恋人同士でしか知り得ない恥ずかしい秘密を喋ります(笑)
「それとも、一昨日、ジヴが着けていた下着の色を言おうか?ジヴが俺のリクエストに応えて買ってきてくれた面積極小の黒のシースルー」
「言うなあああっ!」
笑いながら続ける俺の胸ぐらを、ジヴが乱暴につかみ上げた。中身がジヴとはいえ、肉体は馬鹿力のギギナのものだ。予想以上の衝撃を受けて、俺の意識が危うく遠のきかける。
ガユスの身体には消去法でギギナが入っているようです。
↓ギギナ(身体はガユス)は、貧弱なガユスの身体を嘆きます。
「この貧弱な肉体では、ネレトーを思うように振り回すこともままならぬ。ドラッケン族なら、恥辱で死を選ぶほどの貧弱さだ」
「なら死ね。ただし、俺の身体にはかすり傷ひとつつけずに心を閉ざして死ね。後衛の俺に、前衛のおまえらと同じ戦い方ができるわけないだろうが」
三人とも能力は使えないようで、今ヘゼキアが襲ってきたらひとたまりもありません。
貧弱なガユスの身体に入ったギギナも、一般女性のジヴーニャの身体に入ったガユスも戦えそうになく…
ジヴーニャ(身体はギギナ)がギギナの武器を使おうとするシーンに萌えました。
とりあえず、三人は元に戻るためにヘゼキアを探すことに。
↓ガユス(身体はジヴーニャ)とジヴーニャ(身体はギギナ)のやりとりが最高です。
入れ替わり的においしいシーンが多すぎて書き切れません。
予備校の生徒に教えるように、俺は丁寧に説明する。普段の俺の口調や声なら、その理屈っぽさが鼻についたかもしれないが、ジヴの声で喋ると、自分が魅力的な女教師になったかのような錯覚を覚えて気分がいい。もっとも説教される側のジヴは、複雑な表情を浮かべていたが。
「さっきから、あなたが無意識に私のスカートを緩めようとしているのはどうしてかしら?」
「ジヴ、ウエストを細く見せたい気持ちはわかるけれど、こんな風に無理に締め付けるのは、身体によくないと思うんだ。少しスカートを緩めないと」
(中略)
「スカートがきついというのは気のせいよね。私が二か月前に買ったばかりのそのスカートのサイズは適正で苦しくない。ガユスが作るご飯を食べ過ぎて太ったなんてことはないから。わかった?じゃあこの話はおしまい。いいわね」
「は、はい」
「大丈夫、ガユス?」
遅れがちになる俺をジヴが振り返る。ギギナとジヴの身体では歩幅が違いすぎるというのもあるが、ジヴの靴の踵が高すぎるのも遅れの原因だ。
「こんな不安定な靴を履いて歩き回る世の中の女性を尊敬するよ」
「慣れればどうということはないのだけど」
しみじみと呟く俺を見て、ジヴが悪戯っぽく笑う。
「抱き上げて連れていってあげましょうか?」
「死んでも断る。ジヴの身体にはギギナを指一本触れさせたくないし、なによりもその顔で優しくされると急性ギギナ中毒で俺が死ぬ」
真剣に嫌がる俺を見て、ジヴが傷ついたように唇を噛む。
「ギギナさんの身体を使っていても、中身の意識は私なのだけど。結局ガユスが愛しているのは、私ではなく私の身体だけだったみたいね」
三人がジャベイラとイーギーに会ってしまうところも良かったです。
↓ガユス(身体はジヴーニャ)が頑張ってジヴーニャのフリをして喋り、見た目的には恋人のギギナ(身体はガユス)と喧嘩をするのが興奮しました。
女湯に入って騒ぎを起こしたギギナ(身体はガユス)を、見た目的には犬猿の仲のジヴーニャ(身体はギギナ)が庇って怪しまれるのも良いですね。
「おやおや、ジヴーニャってば、今日はずいぶんギギナと仲良しニョロねえ?もしかして、ガユスから乗り換えたニョロ?」
「そんなことありません!」
ジヴがギギナの顔で赤面する。更なる誤解を招きかねない反応だ。
「そうです。私が愛しているのはガユスだけですから。本当に。マジで」
俺はジヴの演技をしながら、俺の身体に入っているギギナの腕にしがみつく。本能で俺の腕から逃れようとするギギナの肘関節を不自然な方向にねじ曲げて固定。俺に腕を搦め捕られたギギナが、生理的嫌悪感をありありと浮かべた表情で睨んでくる。
「いったいなんの真似だ、ガユス?」
「今はおまえがガユスだろうが。いいから黙って大人しくしていろ」
「ドラッケン族に自害の風習はないが、今ここで貴様を道連れにこの身体を殺せば、人格交換咒式が解除されて、私は自分の肉体に戻るのではないか?」
「咒式が解除されなかったら、俺と心中することになるが、それでもいいのか?」
瞳に憎悪の炎を浮かべて、至近距離で睨み合う俺とギギナ。これが仲睦まじい恋人同士の姿に見えるとすれば、そいつの脳は腐っている。
そして、実は敵のヘゼキアも入れ替わりに巻き込まれてガユスの身体に入っており、ギギナの精神のフリをしていたと判明します。
ヘゼキアは、無作為入れ替わり能力を使って同士討ちを誘う形で全滅させるのが手口らしいです。
ヘゼキアは入れ替わる前に、ガユスたちの性格を徹底的に調べ、誰の身体に入っても良いように準備をしていた様子。
※本当の入れ替わりの組み合わせになります。
ガユス→ジヴーニャ
ジヴーニャ→ギギナ
ギギナ→エルヴィン(黒猫♀)
エルヴィン(黒猫♀)→ヘゼキア
ヘゼキア→ガユス
↓エルヴィンの中身がギギナだという伏線のシーンもありました。
ギギナは、猫の身体なので入れ替わったことを伝えられなかったようです。
今日の彼女はご機嫌斜めらしく、ギギナが使っている俺の身体を冷ややかに睨みつけている。
「どうした、お姫様」
黒猫が俺の呼びかけに顔を上げ、なにか訴えかけるような表情を浮かべた。
ガユス(身体はジヴーニャ)は、ギギナのフリをするヘゼキア(身体はガユス)が、ギギナの家具への愛着心がないことなどから中身が違うことに気がついた様子。
エルヴィンはヘゼキアの身体で猫的な行動をします。
↓追い詰められたヘゼキア(身体はガユス)が、今の自分であるガユスの身体を撃ち抜いて人質に取るシーンが熱いです。
本当に入れ替わっているわけではなく遠隔操作をしている状態なので、肉体が死ねば元の持ち主の精神が死に、新しい持ち主は本来の身体に戻るというガユス(身体はジヴーニャ)に不利な状況に…
ただし撃たれたのはギギナの身体ではない。ヘゼキアが操っている俺自身の身体だ。
「ガユス!」
ジヴがギギナの声で叫んだ。至近距離で弾丸を撃ちこまれた俺の腹から鮮血が飛び散り、ヘゼキアが、がくりとその場で膝を突く。
「へへ……痛えな、畜生……」
口から血を吐きながら、ヘゼキアが俺の顔で笑った。さすがに俺も平静ではいられない。
(中略)
動揺する俺を愉しげに見上げて、ヘゼキアは銃口を自分の、つまり俺の身体の下顎部に当てた。俺の身体を人質に取ったのだ。
ギギナ(身体はエルヴィン)の大活躍により、全員が元に戻ります。
エルヴィン(身体はヘゼキア)を殺すという方法もありましたが、ガユスは罪の無いエルヴィンの精神が苦痛を味わうのを避けたかったようです。優しい。
ボロボロのガユスの身体に戻って喜ぶガユスが最高でした。
今回は、二次創作の男女集団入れ替わり小説を1作品紹介しました。
読んでいただいてありがとうございました!