女同士入れ替わり

児童書の女同士入れ替わり②【4作品】

アイキャッチ女同士入れ替わり

今回は、児童書の女同士入れ替わりを4作品紹介していきます。

 

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ちょっとだけミラクル

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『ちょっとだけミラクル』
著者:花井愛子
タレントの女の子と女社長が頭をぶつけて入れ替わる。小学館
てんとう虫ブックス
『ちょっとだけミラクル』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

ちょっとだけミラクル1

小学五年生の有本絵留(える)は、子供タレントとして芸能活動をしていた。

最近、周囲の大人たちの態度に嫌気が差していたえるは、女社長の上岡飛子(36歳)のような大人になれればと思っていた。

そんなある日、待ち時間にテレビの出演者や関係者とフルーツバスケットで遊んでいたえるは、飛子と頭をぶつけて入れ替わってしまう。

 

↓入れ替わったとき、飛子は後輩の黒田律子に30歳を過ぎても独身なことを弄られている最中だったため、える(身体は飛子)は飛子の代わりに仕返しをします。

やっとのことで現状を理解して、止めに入る飛子(身体はえる)が良いですね。

――あー、あたしが飛子さんだったら、あんないじわる、許さないのに!!
あたしは、思わずギュッと目を閉じて、隣の飛子さんにオデコごっつん……。
なんだか、ふっと体が浮いたような、へんてこな感じが、したんだけど……。
「社長!!立ってくださいよう」
目を開けてみたら。あたしの前に黒田律子がエラソーに立ってて、なぜか、あたしの右どなりに有本絵留が座っていて……。
あたし、飛子さんになってた!!

「およしなさいっ!!」
あたしのさけび声が、した。
「暴力ふるっちゃいけません。そんな小学生みたいなケンカのやりかた、オトナ飛子さんが、やっちゃダメなのよ」

 

↓入れ替わった二人が話し合うシーンがおいしいです。

える(身体は飛子)は大人になれて面白がっていて、飛子(身体はえる)は困惑している感じです。

あたしの目の前で、小5の有本絵留ちゃんが、オバサンじみた、ため息を、つく。
「いったい……、これって、なんなのよー」
えるちゃんの飛子さんが、ボヤく。
「マンガだの小説だの映画だの……、絵空事の世界では、しょっちゅう見かけるパターンだ、てコトぐらい知ってるわよ。だけど、あんなものは、あくまで夢で……」
「現実だよー。ほらほら」
あたしは、飛子さんが入ってる有本絵留のほっぺたを、くいって、つねる(自分のカラダだから、かなり手加減して、ね♡)。
(中略)
「やだなー……」
飛子さんは、あたしの顔を、なさけなーくゆがめて、答えた。
「上岡飛子が、上岡飛子を説得してる……」

 

元に戻る方法がわからないので、とりあえず飛子(身体はえる)がドラマの本番収録に参加することに。しかし、元アイドルの飛子は演技がド下手w

↓ついでに、二人はしばらく一緒に暮らすことになりました。体格差ネタがおいしいです。

そうして、絵留になってる飛子さんは、自分の部屋から、3日ぶんの着がえを持ってく、てコトになったんだ、けど。
ミョーな感じ、だった。
いつものあたしには、すっごく使いやすい位置にあるはずのものたちが、遠いの。
パンツ、パジャマ、ハンカチ――。
ふだんなら、フツーに、まっすぐ立って、スッと開けた引きだしは、あたしの胸のあたりに、あって、なんの苦労もなく、さっと、なんでも取り出せちゃうっていうのに。
――あっれーっ!?
飛子さんのカラダだと、かなり背中を曲げなきゃならなかった。それから。
――れ、れれれれれー!?
飛子産の手で持ってみたら、あたしの服ってば、ヤケにちっちゃく見えるんだ。
あたしは”飛子さん”してる、あたしの手が広げてる”える”の服が、一瞬ふっと、リカちゃん人形の服みたいに思えちゃったり、した。

 

↓二人のトイレネタもあって最高です。

飛子(身体はえる)が高いところに手が届かなかったり、ガス火が近くて怖がったり、缶のフタが開けられなかったりと非常に良いです。

える(身体は飛子)の方も、大人のスキンケアの大変さを思い知ります。

用をすませてきた○絵飛子さんってば、やたらマジな顔で。
「うーん……。小五って、おしりちっちゃいのねえ」
て、言ってた。
「え、そーお?」
あたしは、テキトーに返事しつつ、○絵飛子さんと入れかわりに、お手洗いへ。
んで……。ヘンな話なんだけどさ。
「×○△◎□♬◎♡!?」
ちょっと、赤面しちゃったね。オトナの下半身のケハイ(正確に言うとケハエか!?)に。
ママとお風呂に入って、そーいうモンなのは、知ってたけど。
さわったことは、なかったもんなー。ついつい、ツンツンなんて引っぱっちゃったよー。

 

える(身体は飛子)は大人になれたと喜んで、子供では入れないデパートへ行ったり、共演者の山崎聖也と仲良くしたり…

入れかわり的においしい描写が多くて書き切れませんw

↓聖也は年上の飛子のことが好きで、何度もアタックしているようです。飛子も聖也のことが気になっている様子。

ドキドキしてる。
――でも。
これって、飛子さんのカラダの心臓なんだけど。
――じゃあっ!?
ドキドキしてるのは、あたし”有本絵留”なんだろうか、それとも”上岡飛子”さん、なんだろうか…。

 

↓ドラマ関係者とトラブルになった飛子(身体はえる)が、えるの母親にえるとして怒られるところに興奮しました。

飛子とえるの母親は、大昔に二人組のアイドルとして大活躍していたようです。

有本家のヨメになった弥生さん、は……。
自分の娘――。外見は、”有本絵留”なんだけれども。
気持ちは、”上岡飛子”さん。
の。ほっぺたを。
パシとぶった!!
「あたしが、かつて、ナニモノであろうと。えるには、関係のナイことでしょう!?それよりなにより。――ちょっと離れて見てたんだけど。えるちゃん!!言いすぎよ。あなたは、まだまだ小学校の5年生なんだ、ていうのを、よく考えなさい!!」
て……。
あたしの、ママ、の……。有本弥生、は……。
一見”自分の娘”を……。
しかった。

ちょっとだけミラクル2

実はえるの母親・弥生は入れ替わり経験者で、えると飛子の入れ替わりにも気がついていました。

弥生は19歳のアイドル時代に、31歳の元ラグビー選手で現カメラマンの夫・泰三と入れ替わったことがあるようです。

イラストで、弥生ボディがウエディングドレスを着ているのがヤバくて興奮しました。

 

えるの家系は入れ替わり体質で、元に戻るには元に戻りたいと念じながら入れ替わったときのキーワードを言えば良いようです。

えるの祖母は、女友達と入れ替わったらしいです。

ちょっとだけミラクル3

↓入れ替わった弥生と泰三は、入れ替わりをきっかけに結婚し、一緒にベッドに入ったみたいですが…弥生の歯切れが悪いのでもう少し詳しく話を聞きたいですね(笑)

両親が入れ替わり経験有りだと聞いて、引き気味のえる(身体は飛子)が最高でした。

弥生は、入れ替わりがバレたことを知らずにえるの演技を続ける飛子(身体はえる)をからかいます。

「あたしは……。あのー……。パパからね、こんなとんでもないコトになったおかげで、弥生っていう最愛のヒトに出会えたんだ、ありがとう、て……」
「でも、ママ……。ありがとう、はいーんだけど。ちょっと聞くけどー……」
「なーに?」
「だってさ。その時点のパパってば。入れかわったまんま状態ってコトは……。女の子の姿だった……、わけ、でしょう?」
「そーよ。それが、どしたの」
「いや、あのー。ただ”ありがとう”って言ってもらえただけで……。戻ったの?」
「じゃないわよー。ふたりで、ひし!!と抱きあって。――あたしの中身が、パパで。パパの中身が、あたしなんだから。ほかのヒトには、そんなこと、見えやしないんだもの。このまんま、一緒に暮らしましょう。ケッコンしちゃいましょう……。なーんておふとんの中へ――。て!!い、いーのよ、細かいところは。よ、よーするにっ。ホンモノの”愛”の要素が、必要なんじゃないかってハナシなのよねっっっっっ」
ママは、まっ赤になっちゃった……、んだ、が……。

ちょっとだけミラクル4

↓える(身体は飛子)は、飛子(身体はえる)に元に戻りたいと強く思わせるために、飛子の身体で聖也にちょっかいをかけ、飛子(身体はえる)を怒らせます。

無事に「フルーツバスケット」と叫びながら頭をぶつけたことで元に戻ります。

元に戻ったえるが、また入れ替わりの力を使う?みたいなシーンでおしまいでした。

「ごめんね、えるちゃん。あたし、聖也さんと結婚するわ」
「なによ、勝手にっっっっっ」
「どこが買って?あたしの意志なんだし、聖也さんの意志なのよ」
「ずるいずるいずるいずるいっ」
(中略)
「――ずるい!!そのカラダで…。そのカラダの中身で…。ずるいわよ、まんまと、聖也とカップルになろうなんてえ」

 

ぶた飼いと王女

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『ぶた飼いと王女』
著者:櫻井とりお
豚飼いの少女と王女が入れ替わる。PHP研究所
『スイッチ もしも今日、あの子と入れ替わったら』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

 

一人で豚を飼って暮らしている少女は、以前助けた国の王子に憧れていた。

ある日、雪の中で遭難していた魔女を助けた少女は、お礼に王子の婚約者の王女・オパール姫と入れ替えてもらうことになった。

 

↓入れ替わりの魔法は二度と戻れないという制約付きです。

少女はみすぼらしい貧乏暮らしが嫌で、自分以外の人間になりたいようです。

「お礼に、あなたがなりたい人と入れ替えてあげよう」
「それが本当でしたら、どんなにいいでしょう。こんなみすぼらしいぶた飼い以外でしたら、だれにだってなりたいです」
席を立って鍋をかきまわす娘に、おばあさんはぎらりと目を光らせた。
「あんたが本当になりたい人ならわかってる。隣国の王女だろう?第一王子の婚約者、オパール姫になりたいのだろう?」
スプーンを持ったまま、娘はおばあさんを振り返る。うめくような声がもれ出た。
「……あの方の、婚約者に……なれるの?」
「もちろんだとも。ただし、魔法は一度きり。元に戻すことはできない。さあどうするね、ぶた飼いの娘さん、あんたはオパール姫と入れ替わりたいかい?」
「ええ、ええ、できるものならぜひに!」

 

↓少女の強い決意が好きですね。

(前略)あの方と結ばれることができるなら、わたしはすべてを捨て、戻れなくてもかまわない」

 

美しいオパール姫に入れ替われた少女は、そのままオパール姫として暮らします。

↓名無しの少女(身体はオパール姫)は、地の文で「オパール姫」扱いをされています。

オーロラ色の黄昏が迫るころ、馬車はお城に到着した。従者に手を取られ、オパール姫はよろめきながら馬車を降りた。装束の重いことかさばること、ハイヒールの歩きづらいこと。これならぶたの枝肉のほうがよほど扱いやすいわと、彼女はちらと思った。

 

↓少女(身体はオパール姫)は、王子と結ばれてハッピーエンド…と思いきや、王子から「ぶた飼いの少女が好きだ」と別れを告げられてしまいます。

少女(身体はオパール姫)は、王子の弟と結婚することに…

「ぼくはあなたと結婚……できません。ぼくは他の女性を愛してしまった。一年前の吹雪の晩、黒森で迷ったぼくを救ってくれた、ぶた飼いの娘を」

 

↓オパール姫(身体は少女)の方は、発狂してしまった様子。

入れ替わった二人とも不幸になっていて滾ります。

「……ドアを開いてそこにいたあの子は、すっかり気が触れていたんです。一年前に会った人とはまるで別人になっていました。わけのわからないことを泣き叫ぶばかりなのです。(後略)

 

少女(身体はオパール姫)が慌てて元の自分の家に戻ると、そこには無惨に死んだ豚たちが…

夢落ち?のようでした。

 

宇宙を駆けるよだか まんがノベライズ ~クラスでいちばんかわいいあの子と入れかわれたら

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『宇宙を駆けるよだか』
原作:川端志季
著者:百瀬しのぶ
美人の女の子がクラスの不細工な女の子に身体を入れ替えられる。集英社
集英社みらい文庫
『宇宙を駆けるよだか まんがノベライズ ~クラスでいちばんかわいいあの子と入れかわれたら~』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

 

明るくて容姿端麗な小日向あゆみは、家族にも友達にも恋人にも恵まれた高校生活を送っていた。

彼氏の水本公史郎(しろちゃん)との初デートを迎えたあゆみに、突然クラスで嫌われているデブでブスな海根然子から「今から自殺する」と電話がかかってきた。

慌てて助けに行こうとしたあゆみの目の前で然子はビルの屋上から飛び降り、気がついたらあゆみは然子の身体になっていた。

宇宙を駆けるよだか まんがノベライズ1

↓入れ替わり直後に、然子の身体を観察するあゆみの描写がおいしかったです。

病院では入れ替わりを信じてもらえず、「然子」扱いされるあゆみが堪りません。

起きようとすると、ぽこんと飛びだしているおなかがじゃまで、起きあがれなかった。
「あれ?」
いつもと体の感覚がちがう。点滴の管がついている腕も、あゆみのいつもの棒みたいな腕じゃなくてぷにぷにしている。
(ど、どういうこと?)
ベッドからおりて病室の鏡を見てみると、そこには、あゆみではなくて、然子が映っていた。驚いてあたりを見まわしてみたり、顔をさわったりしてみた。どうやら自分が然子になっているみたいだ。

 

仕方なく、あゆみは然子として然子の母親と帰宅。

然子の家はあゆみの温かい家庭とは異なり、父親がおらず殺伐としているようです。

 

翌日、あゆみ(身体は然子)が学校へ行くと、あゆみの友達と談笑する然子(身体はあゆみ)の姿が。

あゆみ(身体は然子)は然子(身体はあゆみ)に接触しますが、周囲に頭がおかしいと思われてしまいました。

↓あゆみに成りすます然子(身体はあゆみ)が真っ黒で素敵です。

公史郎も、俊平も、あゆみの姿をした然子といっしょに教室に入っていった。然子は教室に入っていく前、チラリとあゆみを見てうすく笑った。
あゆみはしばらくその場から動けなかった。

 

あゆみ(身体は然子)は学校で、然子の容姿が悪いせいで普段ならあり得ないような扱いをされてしまいます。

↓彼氏の公史郎なら入れ替わりを分かってくれると思って話しますが、分かってもらえず…

「しろちゃん!聞いて!」
あゆみはおもわず、叫んでいた。
「あのね、私、小日向あゆみなんだよ。原因はわからないけど、昨日なぜか海根さんと体が入れかわっちゃって……ほら、しろちゃんと待ちあわせした場所にむかうときに……」
あゆみは必死で訴えた。
(しろちゃんならわかってくれる。おちついて話せば、きっと……)
「ごめん」
公史郎はすぐにあゆみの言葉をさえぎった。
「ちょっとなに言ってるのか、わからないです」

宇宙を駆けるよだか まんがノベライズ2

心が折れて屋上で叫ぶあゆみ(身体は然子)の前に、然子(身体はあゆみ)が現れます。

↓然子(身体はあゆみ)は元に戻る気は全くありません。

あゆみは性格が良く、然子を虐めるようなこともしていなかったのにこの仕打ちはヤバいです(笑)

「小日向さん、だいじょうぶ?」
小日向さん。耳慣れた名前をよばれてあゆみがふりかえると、そこには<小日向あゆみ>が立っていた。つまり……。
「海根さん?」
自分の体にむかって、そうよびかける。その違和感は、まだ消えない。消えるわけがない。
「アタシの体だと、たいへんでしょ。ブスだし友だちいないし」
あゆみの姿をした然子が、楽しそうに笑いながら近づいてくる。

「は?そんなことするわけないじゃん。アタシずっと小日向さんになりたかったんだもん」
然子は意地悪な笑いをうかべて、あゆみのほうに顔を近づけてきた。
「どっからどう見てもやっぱりアタシってブスだわー。せっかく入れかわったんだし、これからはアタシが小日向あゆみとして生きるね」
「そんなの……無理だよ」
あゆみはあわてて否定した。
「でも、だれも信じてくれなかったんでしょ?そうだよ。アタシの体でどんなにあがいたって、だれにも言葉なんて届かない。いままでさんざん幸せな人生送ってきたんだから、ちょっと苦しみなよ」
然子はあゆみの顔を残酷にゆがませて言うと、背中を向けて、もどっていった。

 

この後も、あゆみ(身体は然子)は女友達に冷たく当たられてかわいそうです。

↓あゆみ(身体は然子)の心情描写が入れ替わり的に美味しい部分が多くて最高です。

(もとにもどる方法をさがして、いろいろな本を読んでいたとき、一冊の本に書いてあった。”人癌の細胞は毎日どんどん死んで生まれて、二百日で新しいものに入れかわる”って。もしこのままなんの手がかりも見つけられなかったら、二百日で私が小日向あゆみだったころの細胞は死んで、ぜんぶ、海根さんのものになっちゃうのかな……)

 

↓文化祭の準備を一緒にしていた友達の火賀俊平が、文字の癖や仕草の癖で最初に入れ替わりを信じてくれます。

人気者の俊平のおかげで、あゆみ(身体は然子)はクラスに馴染んでいきます。女友達とも再び仲良くなれて尊いです。

「あゆみ」
声をかけると、<海根然子>がふりかえった。
「あゆみ、なんだろ?やっと気づけたわ」

 

↓然子(身体はあゆみ)の心情描写も良いです。

あゆみが積み上げてきた信頼をぶち壊す然子(身体はあゆみ)がヤバいですねw

(あーあ、ミスっちゃったな。アタシが小日向あゆみじゃないってことが、火賀にバレてたとは予想外だった。稲木律と土屋マリアとも、もう終わったな。ま、本来の姿のアタシに意地悪だったアイツらと仲よくするのいやだったからいいけど。それに、アタシにはしろちゃんがいるからいいんだ)
(中略)
「……なんでそんなフツーなの?昨日あんなことあったのに」
公史郎に聞こえないように、ふたりにたずねてみる。
「なんで?あゆみはかんちがいしてただけでしょ?」
「気にしてないよ」
ふたりはさわやかに笑った。
(なに、いい子ぶってるの?アンタたち、アタシにはいつも冷たい視線むけてたじゃん?しろちゃんの前だからいい顔したいわけ?)
「そんな気づかい……いいから」
然子はふたりにそう言うと、すこし前を行く公史郎を追いかけた。

 

↓入れ替わった二人のやり取りが熱くて好きですね。

「お願い、海根さん。もとにもどる方法知ってるなら教えて。いまもどれるならだれにも……しろちゃんにも入れかわったことは秘密にするから。海根さん、言ってたよね。私になりたかったって。もし私がいまの海根さんより幸せになったら、そしたらまた入れかわるの?」
と、真剣な顔で訴えてきた。
「は?」
あまりにもマヌケな発言に、おもわず笑ってしまう。
「ありえないでしょ、その姿で。でもいいや、教えてあげる」

 

↓公史郎は暗い場所が苦手なはずの「あゆみ」が平気そうにしていたことから入れ替わりを見抜きますが、中身が然子でも良いから美人なあゆみボディと付き合いたいようです。

公史郎は勉強もスポーツもできるものの、人気者の俊平が羨ましく、身体を奪いたいと然子(身体はあゆみ)にに話し…

「俺はあゆみちゃんの顔が好きだったから、このまま彼女とつきあうよ」
「本気で言ってんのか!いま、あゆみがどんだけ苦しんでるか、わかんねえのか?公史郎、おまえ、そんなヤツじゃなかっただろ?」
俊平はおもわず、公史郎の胸ぐらをつかんだ。
「じゃあ、火賀が支えてあげて」
公史郎は俊平の手をゆっくりほどくと、しずかにほほえんだ。

 

↓あゆみ(身体は然子)は、然子(身体はあゆみ)と公史郎が教室でキスをする現場を見てショックを受けます。

あゆみはひとり、教室にむかった。教室のドアをあけると、机に座っている公史郎の背中が見えた。そこに然子が近づいていって、くちびるをあわせた。そして、ドアのところに立ちつくすあゆみを、勝ちほこったようにチラリと見て……。

 

あゆみ(身体は然子)は、俊平が入れ替わりを信じてくれたことで前向きさを取り戻します。

然子の身体ならいっぱい食べられると楽しむ姿が好きです。

 

宇金真緒と入れ替わった王地正隆も登場します。

同意して入れ替わったものの、真緒(身体は正隆)は元に戻りたがり、もう一度飛び降りて死亡してしまったようです。

正隆(身体は真緒)が元の自分を「王地」と肉体名呼びするところがヤバくて最高です。

元々の真緒はショートヘアで、現在は伸ばしているのも刺さりますね。

俊平が言うように、画面には動画が再生された。そこには長髪の男の人と、ベリーショートの女の人が映っている。
『4月23日、僕、王地正隆と宇金真緒は入れかわりまーす』
長髪の男の人が楽しそうに言う。
「この王地ってのが、私のもとの姿。私たちは同意で入れかわったの♡」
宇金が言った。ということは、つまり……。
「男だったのかよっ」
俊平が言うように、宇金はもともと男の人だったのだ。

『ごめんなさい。私、やっぱり、もとにもどりたい……』
画面には泣いている王地が映しだされた。
「私たち、入れかわりは成功したけど、王地がもとにもどりたいって言いだしたの。同じ方法でもどれると思ってたからOKしたわ。でもね、方法はまちがってなかったはずなんだけど、もどれなかったのよねぇ……」
目をふせて、ため息をつきながら言う宇金に、あゆみはたずねた。
「いま、王地さんは?」
「ん?このまま飛びおりて死んじゃった♡」
宇金はなぜか、明るい表情で言った。

 

入れ替わる条件は、「赤月の日」「なりたい相手に見られる」「必ず死ぬ」の3点。

同じ組み合わせでは二度と入れ替われないという制約があるようです。

 

↓元に戻れないことにショックを受け、あゆみ(身体は然子)はあゆみの家へ…

自分の姿をした他人と両親の一家団欒を見せつけられるのが堪りません。

足は自然と、小日向家にむいていた。家の前にしばらく立っていると、リビングからかすかに声が聞こえてきた。あゆみが庭先からそっと見てみると、父と母と然子が、食卓を囲んで、楽しそうに笑っていた。休みの日だからはりきって料理をしたのだろう。食卓にはのりきらないほどの料理の皿がならんでいる。
(パパ、ママ。私はもう、あの中には帰れないの?パパとママとも会えないの?くやしいよ、あゆみ寂しいよ……)
あゆみは、泣きくずれた。俊平には強がってみたけれど、ぜんぜんだいじょうぶじゃない。

 

↓然子の家に戻ったあゆみ(身体は然子)の心情も堪りません。

「……いってらっしゃい」
あゆみは京子を見送った。家の中に入ると、テーブルにおにぎりが三つ、おいてあった。
(あの人が私のお母さんで、ここが帰る場所。ここで、生きていくしか……ないんだ……)

 

↓さらに、俊平が「ブスの然子(中身はあゆみ)」を好きだとクラス中に知られ、冷やかされる事態に…

あゆみ(身体は然子)が黙っておらず、「嫌う前に私のことを知って欲しい」と言って受け入れられるのが良かったです。

男子たちがはやしたてる。あゆみはうつむき、マリアといっしょにいるあゆみの顔をした然子は、実際のあゆみがうかべたことがないようなけわしい表情で、俊平を見ている。

 

然子(身体はあゆみ)の分が悪くなっていくのも良いですね。

↓然子(身体はあゆみ)は、もう元の自分を捨てたような感じです。

公史郎は、然子の身体をかわいいと言う俊平を、然子の身体と入れ替えるという凶悪な提案を…

「苦しみって……海根さん、いったいなにがあったの」
公史郎が然子の手首をつかんだ。
「もう海根じゃない!はなしてよっ!」
然子はその手をふりあげた。

 

天ケ瀬建造という中年男性も、インコのハーシェルと入れ替わっています。

死のうとしたら偶然入れ替わったらしい…

「この姿になる前は人間でした。本名は、天ケ瀬建造といいます」
「天ケ瀬……さん、人間どうしじゃなくても入れかわれるの?でも、なんでインコと……」

「甘いんですよ!キミたちは若いから人間のホントの怖さを知らないんでしょうが……僕は46歳のときにこの姿になりました。信じていた人に裏切られて、気づいたときにはなにもかも失っていた。もう死んでしまおうと、自分の部屋の中で強い薬をのんで……ちょうどその日は赤月の日でした。意識がうすれていく中、ふとカゴの中のインコが目に入った。家を出ていった妻と娘が飼っていたインコです。そのひとみがあまりにも純粋で美しかったから、あんなふうになりたいと願ってしまって……」
目を覚ましたときにはインコと入れかわっていたのだという。

 

↓容姿のことを考えたことがないあゆみ(身体は海根)が、不細工な自分を初めて恥じ入るシーンに来るものがありました。

性格がとても良いあゆみに黒さが生まれてしまった瞬間です。

ふたりで歩きながら、ガラス戸に映る自分を見てみた。公史郎ほどではないけれど、スラリと背の高い俊平の横に、ちんちくりんの自分の姿が映っている。
そのとき、となりのクラスの女の子たちの言葉の意味が理解できた。と同時にあゆみは、人と自分をくらべるということを知った。いままで自分は自分でしかなく、人は人でしかなかった。人とくらべて見た目が勝るとか劣るという見方をしたことがなかった。
(さっきの火賀くんとマリちゃん……似合ってた。マリちゃんのふんわりと女の子らしい雰囲気と、やさしい笑顔。サバサバ系の律っちゃんも美人だし、憎まれ口をききながらも、火賀くんとならんでいる姿はとても絵になる。あのとなりのクラスの女の子たちも、かわいい子グループだった。でも、いま、ガラス戸に映った私は……いまの私は……ブスなんだ……)
「あゆみ、どした?」
俊平に声をかけられて、恥ずかしくなった。
(火賀くんは、かわいい人を見たあと、私を見てなにを感じるのかな。こうして歩いていたって、すれちがう人に二度見されたりするのに、いままでなんで平気でいられたんだろう。なんで気づかなかったんだろう……。海根さんが命をかけてまで自分の体を捨てたかったのは、こういうことだったんだ……)
然子の思いの強さに気づいたとたん、体中に鳥肌が立った。

「この姿で出会ってても、同じこと言ってくれてたかな」
(なんて……私、すごくいやなこと言ってる……)

 

↓漫画とは異なる小説ならではの入れ替わり描写も美味しいのでオススメです。

「人は見かけじゃないなんてキレイごとぬかして、アタシを全否定した。ゆるせない!」
あゆみの姿をした然子が、親指の爪をかむ。どうやら、イライラしたときのクセみたいだ。あゆみちゃんはいつもほんわかしていてイラついたりしなかったから、見ていると不思議な気持ちになる。

 

↓然子(身体はあゆみ)は、あゆみ(身体は然子)と嫌いな俊平を入れ替えようとします。

「いいじゃん。火賀の体のほうが、その体よりマシでしょ?」

 

↓色々あって、今度は俊平公史郎が入れ替わります。

公史郎も俊平と同じく、然子(身体はあゆみ)と仲良くしてあゆみ(身体は然子)を助けるつもりで動いていたようです。

入れかわり前に公史郎の部屋に手紙を置いておく公史郎(身体は俊平)が好きですね。

俊平がガラガラと点滴のスタンドを押しながら洗面所に行くと、自分が流し台に腰かけていた。
「うおっ、びっくりした……公史郎、だよな」
俊平が声をかけると、公史郎が顔をあげた。
顔をかたむけるようにして、そっと人を見る目つき、たしかに公史郎なんだな、と、俊平は実感する。
(それにしても自分に見つめられるなんて、不思議なもんだ。あゆみはずっと、こんな気持ちだったのか……)

 

↓中身はあゆみと俊平で、身体は然子と公史郎。ヤバいです(笑)

他にも入れ替わり的に美味しい描写が多くありましたが、書き切れなかったです。

(他人から見たら、公史郎と海根さんなんだよな。でも、笑いあっているのはオレとあゆみだ。おかしなことになっちまったけど、あゆみはあゆみ。オレは、オレだ)

 

↓公史郎(身体は俊平)と俊平(身体は公史郎)の入れ替わりの部分は、家族ネタが両方あって良かったです。

「お母さん、お父さんに電話してくるから、ここでタクシー待っててね」
公史郎の母が、公史郎の姿の俊平に言う。
「……はい」
俊平が緊張気味に返事をしているのを、公史郎はすこしはなれた場所から見ていた。

「おかえり公史郎」
公史郎の父と兄が玄関に出てきた。
(昔から思ってたけど、水本家の男たちってみんな雰囲気似てるよなあ。つやつやの黒髪で背が高くて、まじめでさわやかそうで)

公史郎は俊平の家で食卓を囲んでいた。
「俊平が嫌いなニンジンね。病みあがりなんだからたくさん食べな」
俊平の姉が、自分の皿の上のニンジンを公史郎の茶碗に入れてくる。
「あ、こら、お姉ちゃん、ちょっかい出すんじゃないの!」
母が注意をする。
「大丈夫だよ、お母さん。お姉さんは俺の心配してくれてるんだよね、ありがとう」
公史郎が言うと、食卓が凍りついた。
「やっぱりこの子、頭打ってるわ」
「ちゃんと検査してもらったのか?」

 

↓公史郎(身体は俊平)と俊平(身体は公史郎)のやりとりも美味しいです。

心情描写がある分、ここは漫画やドラマよりも小説版が良いと思います。

入れ替わった二人がどちらがあゆみを好きか話すところがシュールでしたw

「待ってたよ、公史郎」
「……さわやかな笑顔やめろよ」
だれなんだよおまえ、と、言いながら、俊平は公史郎についてきた。
(中略)
俊平は慣れた様子でベッドにいきおいよく腰をおろした。
(俺は外出着でベッドには座りたくないのだけど……ここは火賀の部屋だし目をつぶろう。どうせ火賀のベッドだ)

俊平はストン、と、ベッドに腰をおろし、公史郎の顔をまじまじと見ている。
「でもオレの顔で、キモチワルイ」
「なにーっ?そっちこそ、俺の顔なのに妙に表情豊かで、さっきから気持ち悪いんだよ!」
公史郎は、自分の顔をしている俊平と顔を見あわせて、笑ってしまった。

公史郎はそう言うと、つづきは俺の家で話そう、と言った。
「俺の家って、公史郎の家?」
俊平がたずねる。
「そう、水本家」
「あーややこしい。さっき『おかえりなさい』って言われたのに『おじゃまします』って言っちゃったんだよ」

 

そして、4人がクロスして入れ替われば、元に戻れるかもしれないと分かります。

然子(身体はあゆみ)に協力してもらおうと思って話したら、行方不明になってしまい…

 

↓然子(身体はあゆみ)がかわいい姿なのに不細工だと吐き捨てられるところが最高ですね。

知らない間に不細工扱いされているあゆみ本人が不憫です。

「……んだよ。ブス!」
男はチッと舌打ちをすると、はなれていった。
(ブス?アタシがブス?小日向あゆみの外見なのに?)

 

必死で然子(身体はあゆみ)を探すあゆみ(身体は然子)たち。

あゆみの母親が「あゆみ」が行きそうな場所を探しているのを見て、あゆみ(身体は然子)は然子の母親に事情を話して協力してもらいます。

あゆみの母親は「あゆみ」が行きそうな場所を探しても見つかるはずがないのが無常ですねw

 

赤月の森にいた然子(身体はあゆみ)を、あゆみ(身体は然子)と俊平(身体は公史郎)と公史郎(身体は俊平)は説得します。

↓4人が感情をぶつけ合うシーンは非常に熱いのですが、全員入れ替わっていてカオスです。

酷い目に遭わせてきた然子(身体はあゆみ)を理解しようとするあゆみ(身体は然子)は聖人君子。

「この顔に生まれてきても、同じこと言えんの?」
然子はあゆみをきつくはがいじめにして、もう片方の手であゆみの顔を指さしながらつづけた。
「主導権は常に外見が優れた人間にある。アンタら美形はいいわよね。キレイごとならべてればそれで正義になるんだから。ねえ、その顔で生きてみて苦しかったでしょ。本音言いなよ。かわいい姿をとりかえしたいって」

 

↓然子の母親が登場するシーンも入れ替わっているせいでカオスです。

然子の母親はあゆみボディに容赦なく平手打ちし、土下座させます。

怒った然子(身体はあゆみ)はあゆみの顔をカッターで切ろうとして…

「然子!」
そこに、声がひびいた。
「お母さ……」
「ババァ……」
あゆみと然子の声がかさなりあった瞬間、近づいてきた京子が然子の頬を思いっきりひっぱたいた。

 

↓元に戻る段階で、一瞬だけあゆみ公史郎俊平然子の組み合わせの入れ替わりになります。

オチはハッピーエンドでした。

あゆみは空を見あげた。公史郎の姿をしているのに、ついつい内またになってしまうし、不安で胸の前で両手をぎゅっと握ってしまう。
「こんな天気で成功するのか?」
「もうすこし待とう」
俊平が然子の姿で、公史郎があゆみの姿で言う。
「だいじょうぶだよ。アタシがまず飛びおりてみる。入れかわりが成功したら、もうひとりも落ちればいい」
然子が言った。俊平の顔なのに、アタシだなんて言うからものすごく違和感があるけれど……そんなことを言っている場合じゃない。

 

↓原作漫画はこちら!

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ふたごの愛され注意報♡

作品タイトル/著者簡単なあらすじ収録書籍/ソフト
『ふたごの愛され注意報♡』
著者:青山そらら
双子の姉妹が落雷で入れ替わる。スターツ出版
野いちごジュニア文庫
『ふたごの愛され注意報♡イケメンたちは、ふたご姉妹に夢中です』

※本項目の画像は、全て上記作品からの出典です。

ふたごの愛され注意報♡

中学生の桜井梨聖(リセ)梨栖(リズ)は、性格が正反対の双子の姉妹。

それぞれ別の中学校に通っていた二人だが、ある日家で落雷を受けて入れ替わってしまった。

様子がいつもと違うからか、二人とも学校のイケメン男子に好かれてしまい…

 

姉のリセは明るくて運動神経抜群、公立の風見中学校に通っています。

妹のリズは大人しくて勉強が得意、名門私立の青葉学院に通っています。

入れ替わり前に、タイプの違う相手が羨ましいと思うところが良かったですね。

 

↓ということで、リセとリズは落雷で入れ替わります。

物語は、リセとリズの視点で交互に進みます。

「……あれ?」
だって、目の前のリセが、なぜか私のパジャマを着ているんだもん。
「どうしたの?リズ」
声をかけられてさらに顔を上げると、なんと、視界に飛び込んできたのは……リセではなく自分の顔で。

 

顔はそっくりなので、元々の自分の服を着て元々の自分が通う中学校へ行く案もありましたが…

↓ホクロの位置などで家族や親しい友達にバレると思い、二人はお互いのフリをすることになりました。

リセ(身体はリズ)の方がポジティブで、この状況を楽しみます。

鏡に映るのは、私とそっくりだけど、やっぱり違う。サラサラストレートヘアで、左耳にホクロがある、リセの姿。

 

↓精神的に制服の交換をして楽しむシーンが好きです。

リズ(身体はリセ)がメイクに初挑戦したり、目玉焼きは醤油派か塩コショウ派かで母親に訝しがられたり、お互いのスマホを交換したりと美味しいですw

「わー!やっぱり青葉学院の制服ってかわいい!」
私の姿をしたリセが、全身鏡の前でうれしそうに声を上げる。
これから私はリセとしてリセの学校に、リセは私の学校に通うことになったから、もちろん制服も学校の持ち物も全部交換したんだけど、いつもと違う学校の制服を着るというのは、なかなか新鮮な気分。
「私、ブレザーってずっと憧れだったんだよね~」
「そう?リセの学校のセーラー服だってすごくかわいいよ」
「えーっ、絶対ブレザーのほうがかわいいよ!いかにも名門中学って感じだもん」
なんだかコスプレ大会をしているようで、ちょっと楽しくなってくる。

 

リズ(身体はリセ)はリセの親友の真帆、リセ(身体はリズ)は親友の佳奈に入れ替わりを話すことに。

両者とも本人しか知らない話をして信じてもらいます。ホラーが苦手なリズの身体でホラーについて語るリセが良いですね。

↓お互いに友達のあだ名が違うところや、校舎の案内をしてもらうところが好きです(笑)

「あははっ。やだー、どうしたの急に”ちゃんづけ”とか。っていうか、靴、履かないの?」

「おはよう、リズ。どうしたの?」
「おはよう、かなっぺ!」
「へっ?かなっぺ?」
リズは彼女のことをかなっぺって呼ばないから、ちょっとビックリしているみたい。

 

運動神経は精神準拠で、運動が苦手なリズはリセの身体で失敗ばかり…。柔軟性まで精神準拠なのは謎でしたが(笑)

チアダンスもやらされてリズ(身体はリセ)は大変そうでした。

勉強面ではリズの方が得意で、リセの身体で応用問題を解いて褒められます。

 

リセの方は、運動が苦手なリズの身体で活躍してしまいます。

料理が苦手なリセ(身体はリズ)が調理実習をやらされるのはかわいそうでしたw

リセ(身体はリズ)は、リズの身体で女子をいじめる不良に注意してしまい…

 

リズ本人は氷のプリンスの黒川千里とは話したことがありませんでしたが、何故か千里は中身がリセのリズを気に入ってしまいます。

リセ本人もモテモテ王子の星名葵とは仲良くはありませんでしたが、何故か葵も中身がリズのリセを気に入ってしまいます。

 

この後は、リセ(身体はリズ)は千里と、リズ(身体はリセ)は葵と仲を深めていく感じです。

葵との仲を他の女子生徒に妬まれたリズ(身体はリセ)が、リセのように言い返して成長する場面が好きですね。

 

↓リセ(身体はリズ)が双子の姉妹だと千里にバレたときの会話が色々と倒錯的で良かったです(笑)

リズ(身体はリセ)と葵も同じような会話があります。

「これ、一緒に映ってるのって、妹とか?」
思わずギクッとする私。
そう。そのアイコンは、私とリズが二人で映っている写真で。彼が指さしたのは、本来の私の姿。
「あ、うん。ふたごのいも……いや、お姉ちゃんなの」
ほんとはそっちが私なんだけど……と思いながら答えたら、千里くんは少し驚いたような顔をしながら再び写真に目をやった。

 

二人とも千里と葵と仲良くなってしまい、本当に好かれているのは姉妹の方だと悲しんだり、元に戻りたいけど戻りたくないと思ったり…

そして、リセ(身体はリズ)は千里と、リズ(身体はリセ)は葵とデートをしている最中に落雷で元に戻ります。

抱きしめられている最中に入れ替わり、気がついたら相手が違うというシチュに萌えました。

 

姉妹は元に戻ったものの、千里と葵と他人になってしまったことを悲しみます。

千里と葵も、元に戻った姉妹に違和感を覚え…

 

二人は入れ替わりのことを話し、リセは千里と、リズは葵とくっついてハッピーエンドでした。

↓最後の一文が入れ替わり的に不穏でしたw

まさかもう、入れ替わったりすることはないよね。きっと……。

 

 

今回は、児童書の女同士入れ替わりを4作品紹介しました。

読んでいただいてありがとうございました!

 

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